LEAF 1089


2024-04-08 / SemioIto

R.
 馬のような屍体、
 犬猫のような屍体、
 そして人間のような屍体、
 屍体はみな腐爛して蛆が湧き、
 堪らなく臭い。
 それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。
 桜の根は貪婪な蛸のように、
 それを抱きかかえ、
 いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚めて、
 その液体を吸っている。

「桜の樹の下には」(梶井基次郎)より

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