安斎利洋の日記全体に公開

2005年10月16日
19:21
 mixiをお祭りと考える
万博が終わってもう20日も経つけれど、連続カンブリアンはもうひとつ大きなセッションが残っているし、小学校のセッションも継続中だ。

学校では、瀬戸会場とのリンクが切れたとたんに、もうやっても意味ないよ、なんていう子供が出てきているらしい。もっともだと思うけれど、この時間をどうデザインするかが、僕らの正念場かもしれない。

たとえば学会や演奏会があれば、みんな早起きして新幹線に乗って集まってくる。そういうふうに、実空間は祝祭的な時間をアフォードするようにできている。なぜなら、人は会場に居つづけることがないからだ。終わることは、祝祭の条件だ。

Web上でも、祝祭であるような擬態をいろいろ考え出すけれど、たいていインパクみたいに失敗する。それは、終わる必然がもともとないものだからだ。

十数年前、しだいに終息したパソコン通信は、継続を前提に考えると光を失うが、みずからじっくり終息したシステムとして考えれば、この上なく祝祭的時間を作り出したといえる。ICCもそうだ。

mixiも、恒久的な空間だなんて思わずに、どこかで終息を見据えたフェスタルな時間としてデザインしなおしたほうが、美しい記憶を残すだろう。

終わる必然をデザインするのは、始めることより難しい。
 

コメント    

2005年10月16日
20:35
Hiro
会社とかの組織内のプロジェクトでも、産官学の連携プロ
ジェクトなどというようなものも、終わりをはっきりと意
識しているプロジェクトは成功しますね。

そして、僕もあるときから気が付いたのですが、どんなプ
ロジェクトでも、お祭りの要素を上手に取り入れることで、
参加メンバーが予想以上の働きをするようになります。

そういえば、
成功したプロジェクトが終了しょうとしているときに、そ
の後継のプロジェクトを立ち上げるということの難しさも
なみたいていのものではないですね。
2005年10月16日
21:00
安斎利洋
>成功したプロジェクトが終了しょうとしているときに、
>その後継のプロジェクトを立ち上げるということ

本当は、ここが一番大事なところですね。つまり、自分を書き換えながら継続する仕組みがあれば、恒久的祝祭になる。
2005年10月16日
22:28
ikeg
終わる必然というのは、つらいですね。恋愛もそうだし、人生そのものがそうであるし。研究所も寿命が来ても生物のように物理的にしなないので幽霊のように残っている。プロジェクトの複数性は大事ではないかとも思います。どんどん分裂して変質していくこと。だから生命は進化する。ひとつのプロジェクトではなく、連続なプロジェクトのかたまりとして評価する。
2005年10月16日
23:14
安斎利洋
あるものが複数になり、そのうちのあるものは意外な適用領域で生き延びる、というような形って、高度化するシステムの基本形なんでしょうか。思い返すと、自分の紆余曲折もそんなもんだったような。ずっと一貫しているつもりなのに、気づくとまったく違うフィールドにいる。科学者が芸術家になる、っていうのもこれですねきっと。

>人生そのものがそうであるし
人生そのものが祝祭的時間であるって思えるときは、あります。晴れた秋の日とか。
2005年10月17日
09:24
メンタルスタッフ
「祭り」を人の精神的エネルギーを引き出す場として捉えれば、人の生活には、大きな祭りがあるばかりでなく、小さな祭りが続いていくものなのかもしれません。小さな祭りが大きな祭りを支える階層的な(もしかしたらフラクタルな)構造になっている面もありそうです。Mixiではとっても小さな祭りが随所で開かれている感じもありますね。
2005年10月17日
12:24
安斎利洋
学校の授業も毎日のご飯も、ある人にとっては小さな祭りだし、ある人にとっては日常でもある。毎年のお祭りだって、ある人にとっては繰り返しの日常かもしれません。祝祭というのは、パブリックなもののはずだけれど、実はプライベートな問題かもしません。
2005年10月18日
02:53
ヒマナイヌの川井
>mixiも、恒久的な空間だなんて思わずに、どこかで終息を見据えたフェスタルな時間としてデザインしなおしたほうが、美しい記憶を残すだろう。

賛成ですね。質は参加者の量とともに下がるしかないですから。
2005年10月18日
20:44
安斎利洋
でも、niftyなら量と質の関係はあるけれど、mixiのモデルはスケーラブルなはずなんですけどね。つまり、mixiは細胞膜の概念がないから、だめなんじゃないですかね。
2005年10月19日
00:48
ユミ
>あるものが複数になり、そのうちのあるものは意外な適用領域で生き延びる、というような形

、、ってカンブリアンそのものではないですか?
カンブリアンのおもしろさって見てるだけじゃ絶対伝わらない。参加したときの昂りは祭の日に限りなく似てます。
2005年10月19日
04:43
安斎利洋
カンブリアンを、参加していない人がお祭り性を追体験できる表現にするには、どうしたらいいのか。これが目下の大きな課題です。
2005年10月19日
04:58
H.耕馬
>参加したときの昂り
踊る阿呆?
>お祭り性を追体験できる表現
見る阿呆?
踊る阿呆=見る阿呆は無理なんじゃ無い?
2005年10月19日
05:08
安斎利洋
117の時報を録音して、あとで再生してもなんの役にもたたない。音楽の演奏を録音して、あとで再生すると、生ではないが別の体験が生まれる。

カンブリアンは、創作のシステムとしてか考えてないけれど、読むシステムとして考え直そうと思っています。そのひとつの解はゲームで、分岐する木をゲームとして作っていきます。すすると、枝までゲームをクリアしないと、その先に投稿できないということになる。すると読むこと=書くこと、という形式ができあがる。書き終ったあとも、読む必然が残っているはず。
2005年10月19日
08:23
H.耕馬
>117の時報を録音して、あとで再生してもなんの役にもたたない。
文脈と全然関係ありませんが、BSとかCSの衛星TV放送を始める時に、時報が大問題になったそうな。衛星からの電波は、必ず遅れますので。
2005年10月21日
00:49
nao
遅ればせながら、こちらにコメントさせて頂きます!

わたしは、カンブリアンを初めて見たとき、すごく感動して、すごく面白いと思いました。
まだ参加していない時でも、みなさんの写真のつながり、つながりのきっかけを1つ1つ想像してみるのが、とても楽しかったです。
まさに"見る阿呆"状態ですね♪

踊ってみて、もっと面白い!ってことにも気がつきました!

>お祭り性を追体験
に、今でもなっているように思っているのですが...。

う〜ん。何を面白いと感じて、あんなに心が躍ったんだろう。
なにかヒントになれるように、もう少しよく考えてみます!

わたしの場合、絵のつながりの面白さにプラスして、つながりの間に起こっている、"ひらめき"とか、人の"心の動き"にとっても関心が向いていると思います。
2005年10月21日
06:35
Hiro
安斎さんに一つ提案です。

今のカンブリアンでも、人の共感を呼ばないような、つまり
その連想のつながりが感じられないような葉には、次のはつ
かないというメカニズムが働いていますから、それが自然と
読まないと書けないというゆるい縛りになっています。
それを理解しない人が、あまり面白くない葉をつけてしまう
と、そして(少しくらいならいいのだけれど)、そういうのが
増え過ぎると、全体として読みにくくなって面白くなくなっ
てくるのではないかと思うのです。

AIでも、どうやって忘却のメカニズムを作るかということが
面白い課題ですが、カンブリアンでも、時間が経っても伸び
ていかないところは消えていくような仕掛けを考えてみたら
面白いのではないかと思ったのですが、いかが?

消されかけている葉っぱが、最後の何日か、助けを求めて点
滅するとかいうようにすれば、ダイナミックになっていいと
思います。
(もちろん、子供の葉がつけば生き残ります)

後、latest で一覧が見れるのがとても便利ですが、活発なと
ころは背景が薄明るくなっているとかの表現もどうでしょう?
2005年10月22日
03:07
安斎利洋
Hiroさん、するどい。

昨年、人気のあるリーフは浮力がつくが、それ以外は沈んでいくというモデルを考えていました。

たとえば、びすけっとさんとこんな議論をしました。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=94897

関連ある日記として、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=3544471&owner_id=63253

結局これはやりませんでした。カンブリアンのセッションに、こういう非お祭り的な継続性は必要ないだろうという気持があったからです。それから、リンクがつかないものが、つまらないとは限らないので、リンクのつけようのない重要なリーフをどう生かすか、という問題がある。人気投票的な解決は、ちょっとつまらないし。

でも、このモデルはいつか実験してみたいと思っています。
2005年10月22日
05:42
Hiro
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=94897

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=3544471&owner_id=63253
も、にこにこしながら読みました。

「ハレ」と「ケ」
そして
「時間の瞬間冷凍と解凍みたいなこと」
については、この間から自分でも考えていたのですが、

「リンクのつけようのない重要なリーフ」
「化石」
という概念について、僕はあまり深く気付いていなかったです。

あと面白そうなのは
「冷凍保存した時間の局所的な解凍」
ですかね。

もうちょっと考えてみます。

面白いです。

 安斎利洋mixi日記 一覧へ