LEAF 0141 / 2005-04-20
阿好 (1/62)
愚痴
愚痴言えばヘソで湯も沸く福もわく
62 leaves
愚痴言えばヘソで湯も沸く福もわく
のぞかれておもわず唇さしだして
春草をかたっぱしから食いていな
たなこころいつでも心をのせており
日がな日にうつろう姿春の道
漆黒のやみに恋する眠りひめ
闇穴も見た目にはなし新世紀
若ふき煮氣をすまして塩梅す
混沌に根をはりそだつカンブリアン
この不安どこからくるのと問いかけて
シマウマの毛はそってもまだシマよ
風の中まぶたとじれば別世界
うづ高くつまれし書籍隠居部屋
虫もでてあきずに地面ながめおり
おこる母追いかけてなく子はカイジュウ
春の森足のしたからあったかい
その線はノミにとっては面でした
ひとときを煮つめて甘し苺ジャム
文字書きて手をうごかすと気持ちいい
春愁の種またここに見つけたり
芽吹くあお風まで染めて空をつく
たんぽぽの綿毛を追ってはしりだす
キャタピラがかっこいいよねだんご虫
この海はひとつきりだというのにね
焼きあがる魚を猫と共にまつ
優しさは守帷子気はそぞろ
風こいし海こいしいと待つ手紙
肌色にボケ足とけてNGワード
枝だけ見幹くされても気にとめづ
いけないといえない大人のことば狩り
芽を出すなついつい願う種もあり
すきなこが隣で100点ちょうし者
爪先にアクしみつけて春の飯
水そこがゆらりとゆれる蝌蚪のむれ
草の息ふかぶかと春雨上がり
仙人もつれづれによむやまの歌
仙人掌と目が合いおもわず会釈して
緑風にうまいうまいと谷渡り
ゆうゆうと空をとぶ我夢の中
雨上がりとびちる緑光梢花
蛤も海を渡ってやってくる
綿の実の日に日に白くなりにけり
ベランダで猫のふりして足ふまれ
つばくろの寸前でかえる上手なり
青花のにじむしずくを手にうけて
前髪を自分で切ったらヘルメット
燕の巣首いたむほどながめおり
色の名をさがして旅に出たいと思う
過去つむぎあした織る糸今さだめん
時過ぎて文の通いも遠のけり
春の陽とあなどりおもわず目をふせる
いたずらの蛙せなかにかくしもち
土蜘蛛はゲコだと聞いたことがある
珈琲にミルキーウエイたゆたいて
記憶とは古づけがなぜか新しい
おもしろじ銀耳木耳は茸のこと
この苦味わかるようになりました
鼓うつ息その拍子背をつたい
とける牛草のかげから虚無の鐘
歯がかゆいなく子の口に豆真珠
亀虫の死んだふりにやられたり
星空がにぎわうがこと哀惜す