安斎利洋の日記全体に公開

2006年03月02日
21:11
 藤村有弘
駅前で演説をしている老人がいて、しばし足を止めてしまった。声の調子は右翼のアジ演説そのものなのだけれど、内容はまったく違って、息子のこととか競馬のこととか、ほとんど意味を追うことができない。

音調と内容は、僕らが信じているほど必然的に結びついているわけではなく、たぶん分離可能なのだ。言葉とそこから喚起される感情の結びつきも、恣意的なのではないか。なんてことを考えながら、ドンガバチョの声をやっていた俳優の藤村有弘の芸を思い出した。

アマチュア無線家でもあった彼は、レシーバーから聞こえる各国の言葉の音調だけを模倣する偽外国語を話した。googleってみたら、なんとmp3で聴くことができる。

http://www1.ttcn.ne.jp/~bansa59/_private/bansa01.htm

すごい!
 

コメント    

2006年03月02日
21:27
Linco
> 息子のこととか競馬のこととか
昨年の終わりに用賀でお見かけした様な。
話に妙な広がりがあり、聞き入ってしまいました。
2006年03月02日
21:34
yoshii
え〜〜!亡くなったの48歳だったんだ〜。若かった。
タモリ倶楽部で壮絶なデタラメ外国語合戦をやってたの
覚えてます。僕にとってはドンガバチョの声の人でしたが。
2006年03月02日
21:43
安斎利洋
>昨年の終わりに用賀でお見かけした様な。

同じ人かもしれませんね。

>え〜〜!亡くなったの48歳だったんだ〜。

僕も、もっとずっと年配の姿を見ていたような気がしてました。ドンガバチョって、何歳の設定なんだろう。
2006年03月02日
22:14
MATANGO
すごいです!
QSLカードというのもなつかしかったです...。
ありひろれ しゃばりべたりべ からこるれ さまにらりらん  みにぐれすしも
.....有弘氏の芸に感じいってよめる....。
2006年03月02日
22:19
yoshii
すんまそん「今夜は最高!」の間違いでした。
2006年03月02日
23:09
Fibonacci
是非、ビデオでドキュメントを、どなたか.そのお方の。
ドンガバチョ48才ですか!絶句ですね。
タモリの芸と思っていましたが・・・、僕も十カ国語位は。
安斎さん新しいビジネス・モデルというかアイディア!googleにsound 検索機能を
2006年03月02日
23:25
安斎利洋
sound検索、いいですねー。びすけっとさんのところで研究しているかもしれません。

藤村有弘とタモリの偽外国語対話は、貴重ですね。聞きたいなー。きっと誰か、「今夜は最高!」を録画しているんでしょう。著作権がなければ、出てくるだろうに。

著作権といえば、日本語の書き言葉コーパスを国立国語研究所が作っているという記事で、
http://www.asahi.com/culture/update/0301/016.html
<引用>
第2領域長は「著作権問題を考えないなら、何億語でも短期間でできるが、公開できないのではあまり意味がない。地道に著作権処理を進めていく。役立つことを知ってもらえば、いずれ10億語規模も可能になるのではないか」と話している。
</引用>
著作権の考え方さえ変えれば、文化はもう一皮剥けるのに。
2006年03月02日
23:26
sound 検索、ぜひ!!

ふんふん、覚えているところを鼻歌で口ずさむと、大好きなあの曲が検索できたりしたら、最高ですよね。

藤村有弘さん、むかしはヘンな外国語といえばアノ人だったのですよね。
ずいぶんおじさんだなあと、子供の私は思っていたのですが、なくなったお歳は、なに、今の私とほとんど変わらないじゃないですか。
おそろしいことでございます。
2006年03月02日
23:53
セン
偽外国語の芸と言えば、チャップリンもそれが得意だったんですよね(笑)
映画『独裁者』では偽ドイツ語の創造に成功していましたよね(笑)
2006年03月03日
00:27
安斎利洋
そういえば『独裁者』にありましたね。

外国人の話す偽日本語って、どこかにないかな。聞いてみたい。友人のフランス人が「ドモドモドモ」ってやるのは聞いたことがあるけれど。

フォマールさんの偽十ヶ国語は、ぜひ拝聴したいと思います。そのうちぜひ。
2006年03月03日
00:28
安斎利洋
サウンド検索ができたとして、どうやったら偽外国語を検索できるか、それが問題だ。
2006年03月03日
00:29
びすけっと
ああ,懐かしいです.僕の世代だとタモリが上手かったです.
僕もBCL少年だったので,当時は喋れましたよ.

sound検索は,もろにやっていますが.これは何をやれば
いいんでしょう.同じ人の声とか似ている人の声を知る
でしょうか.

もしかして,ビンゴだけど誰も気づいていないという
やつかもしれません.
2006年03月03日
00:30
yoshii
あ、僕もパリに行ったときに会ったアメリカ人が
僕を日本人と見ると、サムライのしゃべり方で何か
「ぐおぐおぐお」と言ってきましたよ。
2006年03月03日
00:46
Fibonacci
0EDの国はさすが。チェコはやってるのですね。ハングルの韓国もすごい。
シンポジュウムhttp://www.ilcc.com/language-corpora/index.htmlはもう満員。コーパス原資料に対して著作権を支払う必要があるのだろうか?僕的には目標として、総ての日本語資料を入力すべきだろうね。出版やウェブ化と同時にリアルタイムでコーパス化ですね。読まれた回数もカウントできるならそれも反映させて。
2006年03月03日
00:53
Fibonacci
とりあえずはkey-word検索でしょう。googleのイメージ検索と同じように。今からでもすぐできそうですね。楽器抽出というか認識できますか?人声か人声以外の判定、この辺は可能そう。
2006年03月03日
01:18
安斎利洋
>コーパス原資料に対して著作権を支払う必要があるのだろうか?

まったく同感。すべてのパロールがラングとして対象化されるべきですね。大学入試問題は著作者に無断で例文を使えるんだから、コーパスなんて当然著作権なしでいいと思うんだけど。
2006年03月03日
01:23
安斎利洋
>ありひろれ しゃばりべたりべ からこるれ さまにらりらん  みにぐれすしも

あ、和歌か。いまわかった。
2006年03月03日
01:27
安斎利洋
和歌をマルコフ過程とすると、MATANGOさんに連歌できますね。
2006年03月03日
23:51
MATANGO
ハナモゲラ和歌を思いだして、おそまつながらマネしてみたんですが...。
最初は、まったくランダムっぽくやってみたんですが、わけがわからないだけでちょっとも面白くない....。
そこで、言いたいことがわかりそうなんだけど、でもデタラメ...というスレスレの線をねらったんですが...。
それが「マルコフ過程」と重なってくるんでしょうか?ちょっと調べてみたんですが、よくわかりませんでした...。
2006年03月04日
07:59
Fibonacci
遷移確率ですね。MATANGO-PROCESはまず詠じたい短歌があり、それに近傍乱数で一振りという感じ。
2006年03月04日
12:28
MATANGO
>まず詠じたい短歌があり
まさにその通りで、デタラメっぽく見せているけど、じつは見え見え..。有弘氏の「スパゲッティ・ナポリターノ...」なんて混じるうさんくささにあこがれたんですが...。

さまひれの たまらまされも はまふれも〜 かれされたれに とまもまれらん〜

...どうも、意味をなくすと音にたよるので、「ま」とか「れ」とか同じ音がくりかえしでてきてしまう....。
それと「が」とか「だ」とか、濁音がなかなか入れにくいです。
「和歌」というのに持っているイメージがそうさせるんでしょうか?「前衛短歌だ」と思い込めば出てくるのか...?

遷移確率というのが、もうひとつわかってないんですが、たとえばこの「デタラメ短歌」の音をいくつかとって、それをもとにまたデタラメをやると「連歌」になる....そんなことなんでしょうか?
2006年03月04日
19:08
Fibonacci
遷移確率をシラブルでかんがえれば、日本語コーパスの中である音の次にある音が来る確率は?で全シラブル同士の確率表を作ります。それに基づいて乱数をふればそれがマルコフプロセスになります。携帯からでいい加減ですが
2006年03月05日
18:27
MATANGO
...なるほど、まったくのデタラメからひとつすすんで、「ありがちなもの」でまとまってくるわけですね。
とすると、次の次にくる音...というのも確率をだせば、どんどん「日本語」に近くなっていく...。
たとえば「和歌コーパス」みたいなものでそれをやれば、コンピュータでも、意味の通った和歌らしい和歌を詠めるようになる....?
あ、意味はまた別なんでしょうか....?
2006年03月06日
03:00
安斎利洋
フォマールさんが言うようにシラブルでやれば、ハナモゲラ和歌になるし、単語でやれば、人工無能歌人ってところでしょうか。

わが友 misa joey は、東大理I出身の理系美少女歌手で、曲は作るけど歌詞を考えるのが面倒だから、といってマルコフ連鎖の自動作詞システムを作っています。渋い。
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=59815

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