武蔵野台地の縁は、リアス式海岸のような侵食地形が面白い。
港区や目黒区の坂もいいけれど、北側の縁にあたる板橋区の坂は、人手が行き届いていない面白さがある。最近貫通した環状8号線の通る若木の谷は、数年前まで秘境だった。
練馬の自宅から、この坂のどれかを自転車で滑走し、あごを出して別の坂を登りかえす、というほとんどマゾみたいな散歩をしながら、面白いことに気づいた。
水の削った谷に沿った道を登るのは、そうでない道を登るのに比べて、はるかに楽なのだ。高低差が同じだから、使うエネルギーも同じはずなのに。
水の作った地形に適応し進化してきた体にとって、人間が計画して削った道より、沢を登るほうが、体の自然に馴染むのだろう。
それなのに、なんで人間は直線や直角や四角形の環境がこんなに好きなのか?
(画像は、Alpsmapの画像と国土地理院の標高データから作成)