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海底谷全体に公開
2008年09月02日12:03

日曜日にテレビで見た「幻のサメを探せ 〜秘境 東京海底谷〜」は、主人公のサメより、舞台である東京海底谷のほうがすごくて、頭から離れない。

海には海溝もあって、深いところはつきものだ、くらいにしか思ってなかったのだけれど、海底谷はなんと侵食で作られた地形なのだそうだ。

ってことは、多摩川や荒川が地形を削るような具合に、あるとき1000mもの峡谷がそこにあったのかもしれないわけだ。海底谷の形成についての諸説は定まらないらしいが、この話は幻想的だ。

東京の高低差は、たとえば上野の山から海抜0mまでたかだか150m。しかし、横須賀から千葉まで歩いていけたときがあれば、そこに1000mも切り込んだ大峡谷があることになる。間違って自転車で降りちゃったら、えらいことになるな。

東京も1000mの高原だと思うと、すがすがしい。

NHKスペシャル「幻のサメを探せ 〜秘境 東京海底谷〜」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080831.html
(水曜日の深夜に再放送がある)

コメント

大和田龍夫2008年09月02日 12:12
日本海に遺跡が少ない理由が、昔の人が住んでいたところはみんな「海の中」ってことだそうで、確かに、松尾芭蕉が見た時代にの「象潟」は海の中、今は田んぼだったりするわけで、そんなでこぼこも「リンゴの皮」くらいの誤差の中ってのもすごいものだと思います。
もし、この地球を手でつかんでみたら、野球ボールとどっちがでこぼこな感じするんでしょうね。
June2008年09月02日 12:46
私もこれ、見ていました。なんか、知っている東京湾とはまったく違う海に見えておもしろい特集でしたよね。
でもこれって、NHKだからできる、つくれる番組だなー、今のご時世ではなんと贅沢な番組だとしみじみ思っちゃいましたが。
びすけっと2008年09月02日 13:44
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN3/sodan/news/2006/1810tokyo-kaitei.htm
こんなページみつけました.
安斎利洋2008年09月02日 15:41
>もし、この地球を手でつかんでみたら、野球ボールとどっちがでこぼこな感じするんでしょうね。

地球の赤道半径が6378.137kmだそうですから、
3000mの山は、半径5cmのボール上では、23.5 ミクロン。
鏡面仕上げですね。

ちなみにこの計算、googleの検索窓に、
(3000m/6378.137km)*5cm
と入力しました。
http://www.google.com/search?hl=ja&q=(3000m%2F6378.137km)*5cm&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
安斎利洋2008年09月02日 15:42
>でもこれって、NHKだからできる、つくれる番組

ですね。100km走ったとかなんとか、ほかがろくでもないから。
安斎利洋2008年09月02日 15:49
>http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN3/sodan/news/2006/1810tokyo-kaitei.htm
>こんなページみつけました.

こういう画像を探していました。しかしこの人たち、もうちょい美しく視覚化してくれないかな。NHKの番組中のCGは、よくできていました。
佐古和江2008年09月02日 20:45
何の変哲も無い東京湾に、とてつもない神秘が存在していたなんて、思わず身を乗り出して観てしまいました。
それにしても、誰も注目することの無かった東京湾海底谷にこだわりを持ち続けた漁師の男性に脱帽。彼のこだわりが無ければこんな発見は無かったのですものね。




Le SMI2008年09月02日 21:30
そこは、ひょっとしてゴジラがでてくるところじゃ…。
安斎利洋2008年09月02日 22:49
>誰も注目することの無かった東京湾海底谷にこだわりを持ち続けた漁師

この人が、どうして確信をもったのか、不思議でしたね。ちょっと昔はヘドロの東京湾で、もっと昔は深海魚はさほどいなかったはず。論理的な判断じゃ、見つかりようがない。セレンディピティですね。

>そこは、ひょっとしてゴジラがでてくるところじゃ…。

ゴジラって、肺呼吸ですよね。1000mももぐると、溺れないか?
eiko2008年09月03日 11:02
東京湾には、海底の砂を採取したときにできた人為的な谷もあって、こちらは生き物の棲まないうつろな「死の谷」になっている、ということを、やはりヘドロの東京湾にもぐり続けた中村征夫さんの本で読んだと思うのだけど、その本がみつからない。脱線すまそ。
安斎利洋2008年09月03日 19:28
>東京湾には、海底の砂を採取したときにできた人為的な谷もあって

地球から見れば、人間も水も、どちらも地殻を削る因子として同列ですね。人間は、水と違って四角形や円が好きですが。
miyako/玉簾2008年09月04日 00:39
うわ、面白そうな番組ですね。しかし、サメの顔怖い。
再放送もうすぐ始まりますね。見てみます!
そういえば、以前「京都の下に琵琶湖と同じ大きさの地底湖がある」っていう特集をやっていましたがそれもすごく面白かった。こういう番組が増えればいいのにね。あ、あと5分ではじまる。
miyako/玉簾2008年09月04日 02:10
見ました!羽田に着陸する時、毎回窓に引っ付いて東京湾の海中を想像していたのですごく面白かった!
あの地形は古代遺跡のようですね。CGの海底の地図もわかりやすかったです。

>東京湾海底谷にこだわりを持ち続けた漁師

小さな漁船で危険なラッシュ区域に通うなんて。彼の知識や感や目の鋭さ。

ドロップ・オフ水深30mの「竜宮城的」生態系にうんうんとうなづきつつ、深海のSFにワープするプロセスは不思議。ゴブリンシャークの口の構造もエイリアン的で怖いですー。尾びれは人魚のようにきれいなのに。
あと目が大きすぎる鮫(モミジザメだっけ?)や、複雑怪奇な枝珊瑚的な歯の形の深海ザメも充分見応えありました。遊星からの物体Xより恐いし。

「マリンスノーの量が多いと生き物が良く育つ」って、これ石垣で「漁港の排水溝付近で釣れた魚は旨味があって美味しい。」って言うのと同じ事だなあ。

海の地形をこういう風に知る事ができるのは面白いですね。
あー、この日記クリックして良かった。サンキュ、安斎さん。
安斎利洋2008年09月04日 02:19
>これ石垣で「漁港の排水溝付近で釣れた魚は旨味があって美味しい。」って言うのと同じ事だなあ。

へー、そうなんですか。
川は清流がいい、というのはイメージ上の話で、海に栄養をもたらす川は、黄河のように濁っているのが本当だそうです。石垣の美しい海からすると、排水は「うまい水」なのかもね。
うちの台所から流れ出た排水が、まわりまわって東京湾のサメの餌になっているわけだな。
メンタルスタッフ2008年09月04日 14:33
再放送見ました。
久里浜の辺りに行ってみたくなりますね。何も見えないのは分かっているのだけれど、海底谷を「感じる」ことはできそう。Google Earthでその辺りの海を眺めるのも、少しは代わりになりましたが。

ゴブリンシャークだけでなく、いろんな深海鮫がいるのが驚きでした。
どれぐらいの密度で、鮫や他の魚がいるんでしょうね。鮫は魚を食べて生きているんでしょうね?
その辺りに、ライブカメラをいくつか設置して、異世界の様子をいつでも見えるようにしてくれないかな。

でも、一方で、せっかくの異世界なので、そっとしておくことが大切かもしれませんが。


安斎利洋2008年09月05日 01:32
番組中のCGを、こっそり拝借して↑日記本文に貼りました。


>Google Earthでその辺りの海を眺めるのも、少しは代わりになりましたが。

世界の写像をめざしていると思われるGoogleには、ストリートビューでサメ銀座も対応してほしいですね。

海底の標高データがどこかにあれば、水がないときの風景などを自分で描けるんですが。
miyako/玉簾2008年09月05日 02:04
>海底の標高データがどこかにあれば、水がないときの風景などを自分で描けるんですが。

子ザメはこのへんで、親ザメはあのへんにいるってのも書いてください。
谷底のタカアシガニもplease♪エコシムタウンみたいで楽しい。
じゃい@2/15CCMC2008年09月07日 10:31
古江戸川ではなくて古東京川だった。
相模湾も深いことが知られてるけど、相模湾の方はどんな風に出来たんだろう。
Le SMI2008年09月07日 11:36
第三管区海上保安本部
東京湾の海底をのぞいてみよう
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN3/sodan/news/2006/1810tokyo-kaitei.htm
水深データそのものは見当たりませんでした。
安斎利洋2008年09月07日 13:23
>東京湾の海底をのぞいてみよう

びすけっとさんの↑既出サイトですね。これによると、東京湾の海底谷は2万年前、地上で侵食されてできたということになります。一方で、

>相模湾も深いことが知られてるけど、相模湾の方はどんな風に出来たんだろう。

相模湾の方は、プレートの沈み込みによるトラフであると以下に書かれている。
http://www.hirahaku.jp/web_yomimono/geomado/sagamibay.html
つながって見えるけれど、成因は違うということなんでしょうかね。

検索による知識は、なかなか統合できない。
メンタルスタッフ2008年09月09日 18:30
> 検索による知識は、なかなか統合できない。

上記の、平塚市博物館の「相模湾の海底地形」、情報はありそうなのに、分かりにくいですね。
下の法にある海底模型の写真、もっと大判でよく見えるようにしてくれるだけでもうれしいのに。小さくても、平塚の海辺、これまで気にしたこともないんですが、海の怖さで増幅されるのか、見るだけで結構怖いですね。

ウェブ上で情報がたくさん手に入るようになったのは確かですが、却ってその断片性ばかりが目に付くようになって、欲求不満が起こりますね。

地形の表示、立体で動きがあると良くわかりますね。
そういえば、Google Earthの右上に出てくるコントロール、使いにくくなってしまったような気がします。
情景が見えるということが運動と関わりが深いことは分かっていても、ものの見えの詳細を予測できるほどの「見え」の理論がないということかもしれませんね。




安斎利洋2008年09月10日 01:27
>ウェブ上で情報がたくさん手に入るようになったのは確かですが、
>却ってその断片性ばかりが目に付くようになって、欲求不満が起こりますね。

ここが痛し痒しですね。Wikipediaのような強い統合が行われると、だんだん単一の視点に収斂していって、その視点から見えないものがどんどん隠されてしまいます。

だから、断片的であることはインターネットの良き特質であるはずなんですが、しかしやはりWikipediaに頼っちゃうのは、断片のすごさを組織する仕組みがまだないからなんでしょう。

矛盾しあう知識も飲み込んでいくような、Wikipediaに対抗する知識の構造様式を考えたいと思うんですが、神話は作れても、科学が作れない。


>情景が見えるということが運動と関わりが深いことは分かっていても、ものの見えの
>詳細を予測できるほどの「見え」の理論がないということかもしれませんね。

これも面白いですね。風景は音楽である、と考えてしまえば、なにか展望が開けるのかもしれません。

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