安斎利洋の日記全体に公開

2006年02月20日
15:54
 rec*repと、オーランドの夢
早く来すぎた人たちが、再来する。

rec*rep(レクリプ=有馬純寿+前林明次+ヲノサトル)との付き合いは古くて、僕と中村さんが1994年にsiggraphで連画の展示を行ったとき、彼らは同時進行で音のコラボレーションを進め、やはりsiggraphで発表した。

siggraphがオーランドだったので、僕らの連画セッションは「オルランドの夢」。彼らはそれにゆるやかに呼応し、ドビュッシーの「夢」を種にした樹状の「連」(画が歌に戻っている点に注意)を育てた。音のカンブリアンの祖先にあたるような実験だった。

1998年以降活動を止めていた3人の、8年ぶりの試演(トライアウト)だそうだ。
rec*rep tryout #1
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=90791017&owner_id=163028

アーカイブスから懐かしい絵を引っ張り出してみた。

連画「オルランドの夢」1994

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靴の形をしたホテルをめざして/安斎利洋

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夢のスゥイング/中村理恵子

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山水に囲まれて/安斎利洋

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ささやく らんらんららら荀荀/中村理恵子

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片羽根の天使たち/安斎利洋

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クァルテット/中村理恵子

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まぶしい水浴/安斎利洋

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ストーファのサウナは恐い/中村理恵子

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六番町の木立/安斎利洋

http://www.renga.com/archives/or/index_j.htm
 

コメント    

2006年02月20日
16:12
安斎さんおひさしぶりです!覚えてますか?足跡辿って来ましたが、かつて‘ヒューマンメディア’ではお世話になりました。というか、初個展ではお世話になりました。
こんなとこで御会いできて奇遇ですが、rec*repもなぜかいまやってるappelで試演することになりました。時間が経つと不思議な再会があるものだと思います
2006年02月20日
16:30
安斎利洋
tattakaさん、おひさしぶり。やっぱりあの高橋さんですよね。apple、じゃなくてappelは、高橋さんがやっているんですか? すごいな
24日、こちらもイベント前で不確定なんですが、時間ができたらかならず行きます。
2006年02月20日
18:06
H.耕馬
その年は、米国でサッカーのW杯をやってます。なつかしかぁ。。。
2006年02月20日
18:37
セン
うわ〜素晴らしい作品をたくさん見させていただきました!
なんだかインスパイアされそうです!
2006年02月20日
19:26
中村理恵子
安斎さん、なつかしい。
でね、確か【0番】夢のテキストがあったはずなんだけど。みつからない。
2006年02月20日
19:34
中村理恵子
あ、あった(笑;)

■夢のテキスト

"とびきりステキな夢みた"
Name: Rieko #610
Date: 8:14 am Sat Apr 16, 1994

ぬかるんだ校庭を通り過ぎて、傍らに草の生えた道を歩いている。
わたしは左足に靴をはいてない。どこかで買わないと。
ひょいと左方向に目をむけると、なだらかに蛇行した地形にはりついて
赤い建物の群れがある。

「なんてステキな建物の群れ!」

町に入っていく。見えかくれする路地は、中庭のような親しさをもっていて、
人々はみえかくれしながら、歩いていたり、休息していたり、そして不思議
な外国語を話している。
突き当たりのレストランに入り「ここは何時までやってるか?」と、わたしは
強引な何語かで訊ねる。「…………じゃ後で連れと来るから」

カタコトの日本語をしゃべる若い女性が現れて、近辺を案内しはじめる。
アラブ世界とスペインの狭間のような雰囲気。
わたしは、はだしの左足に、安くてステキな靴がほしい。
店を教えてほしいと思ってる。

彼女の案内してくれる路地は、まるで16世紀のフランドルの色彩で、深いグリーン、
漆喰の赤、黄色。そして雨に濡れたような、甘く淀んだ空気。
なつかしい風景。

ふと視界が開けて、川が流れている。青くて、緑で、深い色彩を漂わせて静かに
ゆっくり流れてるらしい。わたしは、高台の赤い建物の群れから飛び出したバル
コニーから、それを眺めている。
案内の若い女性は、バルコニーに背をもたれて、何事か話している。
わたしは、彼女のはめこまれた風景を見ている。
わたしは、対岸にあるホテルを指さして「連れと一緒にあとからきたい」とさかん
にいってる。

不思議な不思議な、まるでカタツムリがはっていけそうな蛇行した街。
赤い赤い建物の群。

りえこ


2006年02月21日
00:19
MERC
果てしない螺旋階段を上りながら風景を眺めているような。その風景は少しずつ変容し、融合と分離を繰り返しているような。
気が付けば、上っていたと思っていた螺旋階段は、上と下が無限の彼方で繋がっており、いつの間にか下っていたような。メビウス螺旋階段。超ヒモ理論にも似て。

自分自身の体験ではないのに、皆さんと、かつて同じ時間を共有したような不思議な共感を覚えました。
2006年02月21日
01:50
安斎利洋
>自分自身の体験ではないのに、皆さんと、かつて同じ時間を共有したような不思議な共感を覚えました。

この連画は、中村さんの夢を種にして始めたんだけれど、何度も夢のテキストを読んでいるうちにだんだん自分が見た夢のような気がしてきて、いまでもなんだか景色を自分の記憶の中から思い出します。

そういう境界融解作用がありますね。
2006年02月21日
01:53
安斎利洋
>なんだかインスパイアされそうです!
センさん、どうもありがとう。たまに、古いおもちゃ箱をひっくりかえしてみるもんですね。

>なつかしかぁ。。。
そうだ、耕馬さんが半ズボンで連画のブースに出現したときの風景を思い出した。
2006年02月21日
08:07
中村理恵子
自分らの連画作品群をみていると、不思議なんだけどCGの被写界深度ってのか、独特のデジタルな絵画表現の深度みたいなものがみえてくるね。+われわれ個々の描きたい深度=作品みたいな。
ある基線といういうかベースの音が低く、高くなる中で、こんな差異が露わに;まるで蝶のように、はらはら連続して作品が生まれて舞っている。
1本のセッションをこうしてみると(まるで他人事みたい・笑)、作品群に深さと拡がりの切替や、バリエーションを旅しているようにも思えるね。

2006年02月21日
14:26
有馬純寿
安斎さん、中村さん、お久しぶりです。
rec*repから反応していただいてありがとうございます。
オーランドのシーグラフからもう12年ですよね。
(ストーファのサウナ事件なんてのもありましたね)

あのころは技術、思想面の両方でCGとコンピュータ音楽がもっとリンクしてたと思うのは僕だけでないはず。
中村さんの詩や安斎さんの画との関係か、「連画」のための「連歌」も当時の僕らの作風とも違うものでしたし。

今度のライブは、10余年の間に人とコンピュータがどう変わって、なにが同じなのかを探るライブにできたらと考えてます。
2006年02月21日
14:52
安斎利洋
有馬さん

あの当時はコンピュータで絵画を作る、音楽を作るということ自体に、ある問いが含まれていましたから、CGと音楽はその問いの中で会話ができたのだと思います。

CGペイントがフォトショップ・フィルターの中で無化してしまうように、コンピュータ音楽がプラグインの中で無化するなかで、有馬さんたちが何を試みるのか、興味があります。

24日はイベントの準備があるのですが、うまく時間ができたら経堂まで駆けつけます。

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