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カテゴリーエラー全体に公開
2008年08月13日10:16
キッズデザインという、Gマークの子供専門版のようなのがあって、今年の大賞に選ばれたのが「婦人体温計」。
http://www.kidsdesignaward.jp/KDA_AWARD_2008/prize1/

この体温計、QRコードをインターフェースにしているあたり、にしのさん絶賛で、製品自体すばらしい。でもなんといっても、キッズデザインに「婦人体温計」という、このこと自体がすごい。

こういうカテゴリーエラーには、本能的に反応してしまう。こういうほころびが、世界を前に進めるからだ。

意地悪い見方をするなら、Kid(s)ができちゃってくれないと困る「子供向け産業界」としては、まさに自分たちの領域なのだろう(体温計は、Kid(s)できちゃわないために使うこともあるけれど)。

しかしそんなことはどうでもよくて、Kidsが使い手(サブジェクト)であると同時に、作られる対象(オブジェクト)であるところがすごい。

婦人体温計がキッズデザインだという論理を拡張すると、扇情的ビデオもキッズデザインになる。フィルタリングと、フィルタリングされるサイト、kidsと非kidsが迂回しながらつながる穴が開く。賞の範囲規定が、賞の範囲自身を書き換える可能性に開いている。

メディアはメッセージの入れ物だが、「メディアはメッセージである」という例のあれも、この体温計の仲間だ。

コメント

shigeko2008年08月13日 10:32
今日も(?)タイトルに魅せられて、読んでしまいました。

婦人体温計がキッズデザインの対象であり、
しかも、この製品、「らん’s ナイト」という商品名なんですね。
クラッとする凄い名前。
タマゴは、キッズの範疇ってことかな。
安斎利洋2008年08月13日 10:50
>しかも、この製品、「らん’s ナイト」という商品名なんですね。

ほんとだ。そういえば、たまごっちみたいですね。
「基礎体温を測定するために眠りが浅くなってしまう」という苦労は、僕は未経験なんですが、、、、
画期的製品だと思います。
中村理恵子2008年08月13日 17:31

>基礎体温を測定するために眠りが浅くなって

えっと、違います。
眠りが深すぎて、精密に測ろうとする測定時間に耐えられない。
つい起き上がったりすると、もう台無しというツライ約束事がいままでありました。

これの発明者女性たちとは、”女性の体とよりよい医療を話し合う”MLに共に参加していた間柄です。
この件は、いち早く本人たちから報告がありました。
彼女たち自身のための、切実なニーズをここまでの形にしたという点で、大拍手!であります。

安斎利洋2008年08月13日 17:52
>この件は、いち早く本人たちから報告がありました。

えっ、知り合いなんだ!
中村理恵子2008年08月13日 21:56


>えっ、知り合いなんだ!

おーよ(笑)。
でも、顔知らないけど。
びすけっと2008年08月14日 06:00
いい商品なんで,キッズデザインじゃなくて,普通にグッドデザインでもいいと思いますが,
賞の選考の順番がこっちが先だとか,
これが2回目の開催なので,今後のキッズデザイン賞の方向性を示す意味で,主催側
の強いメッセージがこめられているとか,いろいろと裏を考えたくなる受賞ですね.

でも,朝倉さんにお聞きしたら,審査コメントがピントはずれで,あんまりちゃんと審査して
ないみたいな感じだったし.
これだけ広範囲な分野を審査できる人も少ないでしょうから,そこはプレゼンの戦略なん
かも重要なんだろうとは思いますが.

子供が沢山できるビデオの方は,女性審査員に受けるやつを作れば,いけるかもしれませんね.

ヨンさまオメン,とかどうでしょうか.高齢者問題と少子化問題を同時に解決するとかいう理屈をつけて.
安斎利洋2008年08月14日 12:00
いろんな賞が作られる過程をみるにつけ、ためされているのは応募者じゃなくて、主催者だと思います。

>女性審査員に受けるやつを作れば

「アダルト向け」というと、暗黙に男がイメージされるのは、文化としても経済としても、もったいないですね。
Mike2008年08月15日 18:35
いいかげんに審査したからこそ、キッズデザインで通った、ってところが面白いです。

キッズ向け製品を今後増やすための、究極の長期戦略製品なんでしょう。

実際の使い勝手も知りたいなあ。(>自分ではテストできないので)
安斎利洋2008年08月15日 19:01
>実際の使い勝手も知りたいなあ。(>自分ではテストできないので)

♂にも、なんかリズムがあるかもしれませんよ。
アイデアがうまれるときに体温があがる、とか。
実験しましょう。
にしの2008年08月15日 20:30
>実験しましょう。
してみたいかも。携帯もってないのでできないですが。
ストレスが生まれるときには体温が下がるそうです。

>子供が沢山できるビデオの方は,女性審査員に受けるやつを作れば,いけるかもしれませんね.

こういうビデオ見た覚えがある…
これでした。子供が沢山できる話。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00006880X
絶対にウケませんが。
朝倉民枝(tamie)2008年08月16日 00:22
「婦人体温計」と呼ぶと医療機器になってしまって、なんとか法に触れるんだそうです。
あくまで「衣服内温度計」。
賞の基本理念が3本柱で、3本目が「子どもたちを生み育てやすいデザイン」なので、
http://www.kidsdesignaward.jp/kds_design/exhibition/
(ってのも後で知ったのですが)これに該当するのだと思います。
他の上位賞が大企業ばかりの中、この会社は、実質女性2人。
この製品を開発して、これだけを売るために会社を作ったのだそう。
切実に必要を感じてつくられた製品で、すごいなぁと思います。

> 朝倉さんにお聞きしたら,審査コメントがピントはずれで,
ピッケを「キャラクターの成長過程が楽しい〜」と評されてました。(成長しないのに)
たぶんデジタルモノへの思い込みでずれちゃったのでしょう。
この「衣服内温度計」を見逃さずに1等賞をあげたのだから、
審査全般はちゃんとしたものだったと思います。

買って試してみようか と真剣に思ったのですが、
13000円くらいするので 思いとどまりました。
安斎利洋2008年08月16日 00:30
>してみたいかも。

ホンキでデータとりたくなってきました。何を身篭れるやら。
季里ちゃんに会うたびに、腹をたたかれて「五ヶ月」といわれつづけています。

>携帯もってないのでできないですが。

僕はケータイもってますが、持って歩きません。

>こういうビデオ見た覚えがある…

僕もまっさきにこれを思い浮かべましたよ。途中の汚い部分はノーサンキューですが、キッズデザインに体温計って、どう考えてもモンティパイソンのノリだよね。
安斎利洋2008年08月16日 00:39
>たぶんデジタルモノへの思い込みでずれちゃったのでしょう。

ピッケは、ケータイに住んでくれないんでしょうか。
ピッケのPC画面にQRコード模様のドアをつけて、そこからピッケがケータイに移ってくる、とかね。

>13000円くらいするので 思いとどまりました。

高いといえば高いけれど、安いといえば安いような。
ドクター・マッコイの「スキャナー」が欲しい。
Mike2008年08月16日 07:28
>賞の基本理念が3本柱で、3本目が「子どもたちを生み育てやすいデザイン
じゃ、ちゃんと賞の趣旨にあっているんですね。

13000円もするんですか。
5000円位だったら買ってもいいと思ってましたが。
近いものに、たまごっちがありますが、これに比べると、
・体温計測機能が必要、・QRコードのためにやや高解像度、・携帯との無線通信機能、・量産効果の有無、
あたりが違うのでしょうか? 新型たまごっちにも通信機能はついたのかなあ?
朝倉民枝(tamie)2008年08月16日 16:15
安斎さん

>ピッケは、ケータイに住んでくれないんでしょうか。

今のピッケはFlashになってるので色々やりやすくなっていて、
連れて出かけられるピッケはなんとか実現したいところです。

Mikeさん

はい、13,440円。
http://item.rakuten.co.jp/jintan/00000100/
開発費用を考えれば、安いと言えるのかもしれないけれど。
キッズデザインに出して、お財布すっからかんなので、ちょっと躊躇です。
安斎利洋2008年08月17日 17:23
ちょっと似た製品で、携帯心電計がいくらぐらいするのか調べたら、
http://www.omron-portable-ecg.jp/general/hcg-801/hcg-801_pag_index.php
35000円。案外安いですね。
安斎利洋2008年08月17日 17:34
ごめん、↑この心電計はずっと測り続けるわけじゃないみたいだ。

「らん’s ナイト」の応用をひとつ考えました。年寄りが熱中症になりやすいのは、暑い寒いのセンサーがにぶくなっているからだそうです。体温と外気温を測り続けて、暑いだの寒いだの言ってくれるお友達のような機械、ってのはどうだろう。
朝倉民枝(tamie)2008年08月17日 22:31
>体温と外気温を測り続けて、暑いだの寒いだの言ってくれるお友達のような機械
なるほど良い用途ですね。
にしのさんをうならせたQRコード撮影でデータUpっていう機能は使わないけれど
どちみち、この世代はそこは苦手だろうし。
ただ、うちの祖母なんかだと、装着することを忘れそうですが。(笑
安斎利洋2008年08月17日 23:01
>ただ、うちの祖母なんかだと、装着することを忘れそうですが。(笑

そこですね。どんな製品もそうだけど、使い続ける必然を作るのが難しいんですよね。
腕時計とかケータイがいろんな機能をどんどんとりこんでいくのは、必然の相乗り現象ですね。
たまごっちみたいに、お友達が育っていくってのはどう?
にしの2008年08月17日 23:05
>暑いだの寒いだの言ってくれる
いいですね。これ。実用的です。
身体がさらされた温熱環境をモニタして、積算熱量が上がったら
「お茶にしましょう」とか。水分補給を促すという。

数珠のひとコマとして入れられるようにするとか、
とげ抜き地蔵のお守り袋に入れるとかどうでしょうか。
安斎利洋2008年08月18日 01:57
文字通り「健康お守り」いいかもね。
「健康お守りします」の略。お払いつき。

人間の弱ったホメオスタシスを補う技術、と位置づければ、高齢者だけじゃなくて、誰でも使えますね。
座ったままじっとしていると血栓ができる、というようなリスクを回避するのは、簡単にできそうだ。

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