キッズデザインという、Gマークの子供専門版のようなのがあって、今年の大賞に選ばれたのが「婦人体温計」。
http://www.kidsdesignaward.jp/KDA_AWARD_2008/prize1/
この体温計、QRコードをインターフェースにしているあたり、にしのさん絶賛で、製品自体すばらしい。でもなんといっても、キッズデザインに「婦人体温計」という、このこと自体がすごい。
こういうカテゴリーエラーには、本能的に反応してしまう。こういうほころびが、世界を前に進めるからだ。
意地悪い見方をするなら、Kid(s)ができちゃってくれないと困る「子供向け産業界」としては、まさに自分たちの領域なのだろう(体温計は、Kid(s)できちゃわないために使うこともあるけれど)。
しかしそんなことはどうでもよくて、Kidsが使い手(サブジェクト)であると同時に、作られる対象(オブジェクト)であるところがすごい。
婦人体温計がキッズデザインだという論理を拡張すると、扇情的ビデオもキッズデザインになる。フィルタリングと、フィルタリングされるサイト、kidsと非kidsが迂回しながらつながる穴が開く。賞の範囲規定が、賞の範囲自身を書き換える可能性に開いている。
メディアはメッセージの入れ物だが、「メディアはメッセージである」という例のあれも、この体温計の仲間だ。