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大学と墓穴全体に公開
2008年08月06日00:34
jirohさんの日記は、元気が出る。

「多摩美の1年か2年の時に「建築概論」という授業がありそれを講義していたのが早稲田から来ていた今井謙次先生だった。情熱的にガウディーを語った。日本におけるガウディーの紹介者だ。ゲーテアムのルドルフ・シュタイナーを知ったのもこの講義だ。ガウディー70%シュタイナー20%エストベリー5%ルコビジェ5%の強烈なる偏向的「概論」が何よりも印象的で」

とあり、jirohさん自身の、

「「メディアアート概論」も偏向に満ちたものである事を構わなくなった」

とある。偏りが大事だ。

近ごろ、テレビのニュース解説なんかで見た人が、すこしすると大学の先生になっていることがよくある。大学は、リタイアの回収装置みたいになっている。

カント以前の哲学者は、大学と関係なかった。大学はその当時から、哲学という学問そのもののリタイアを引き受けたのかもしれない。

岩波講座「文学」の30年前のシリーズをのぞくと、そうそうたる作家が書いているが、現行のシリーズはほぼ大学人が書いている。文芸批評の死を予見した変化に違いない。

全体を鳥瞰しようとすると、departmentという仕切りの罠にはまる。墓穴を深く掘ることになる。

あちこちでマンガやアニメを大学が引き受けているのは、マンガやアニメの終わりの始まりを暗示するのかもしれない。マルチメディアとか情報とかいう部門も同様か。

墓場化にあらがうのは、ただひたすら「強烈なる偏向」だ。jirohさんの学生でなかったことが、悔やまれる。

コメント

jiroh2008年08月06日 02:03
安斎さんありがとう。いい気になって・・・・

幸村真佐男コミュでも紹介されていますが

http://www.computer-arts-society.org/page/index.html
のpage66をクリックするとpdf ファイルがダウンロードできます。そこでの大泉論文の一部

『筑波大学における教育

幸村は,「情報処理概論」で,情報そのものを如何にとらえるか,情報という
概念を広い文脈の中で捉えることが芸術表現にとっても重要であることを解説
した。この考えは現在でも幸村の核となっている。芸術も情報行為のひとつで
あり,芸術表現にとって世界を情報の集合すなわち情報過程として捉える考え
方を示した。また,同講義では以下のような課題が出され,多くの学生にイン
パクトを与えた。
・パーリ語 (スリランカ) やコーランのテープを聴き,記録・再生する方法を
A4の紙に表現せよ
・あなたの考える日本(世界)地図をA4の紙に表現せよ
・全宇宙をA4の紙に表現せよ
・配付したベクヴァル(A. Becvar)の星図をもとに新しい星座を考えなさい
・1週間,感覚遮断(目隠しなど)の状態で生活し,その体験を記録し考察せよ
・幸村の作品 《五言絶句》 のいくつかに,独自の解釈をせよ
「情報処理演習」では,FORTRANによる基本的なアルゴリズムの解説の後,それ を基にプログラムを書かせ,作品として出力させる演習であった。ラインプリ ンタの重ね打ちにより数段階の明度を表現し,グラフィック作品を制作させる などCTGの方法論と関連する課題も含まれていた。 』

>あちこちでマンガやアニメを大学が引き受けているのは、マンガやアニメの終わりの始まりを暗示するのかもしれない。

確かにそうです。
安斎利洋2008年08月06日 02:58
めまいがしました。課題そのものが作品だし、思索を作動させる罠のようです。講義そのものが作品というべきで、こうあるべきです。

「幸村は専攻を問わず総ての学生がプログラミング体験を通過すべきであると考えている」

僭越ながら、この思想を表面的でなく、深く受け継ぎたいと思います。
中村理恵子2008年08月06日 06:18


>『筑波大学における教育

jirohさん、わたしたちは教え子にはなれませんでしたが、とりあえずはあの日
深夜のCOCOでチーズハンバーグ・ミラノ風をご一緒していらい、出会いの回路がきちんとできあがったと思っています(笑)。

わたしたちは、この秋、ゲイジュツ学部のたぶんない?東大に、Wで立ちます。
講義するという言葉が、しっくりきません。
「東大をアートしちゃう」と目論んでますが、この方向いかがでしょうか?

smi2008年08月06日 07:24
大学がいらないもの回収装置になってるのはゲーム業界も同じですね。

大泉氏は大学の同期で、この幸村さんの筑波のやつは僕も受けました。自分の星座をつくるやつしか覚えてませんが、いま思うと、その後の「コンピュータを」ではなく、「プログラムを」つかってなんかおもしろいことやろうっていう運動の、ガイドみたいなもんだったのかもしれません。なぜか、すっかり忘れてました。

こんなところで再会するとは、Mixiもまだ、すてたもんじゃないのかもしれません。

>「東大をアートしちゃう」と目論んでますが、この方向いかがでしょうか?
偶然ついでに、明日、東大に一人で乗り込み、闘ってきます。
安斎利洋2008年08月06日 11:53
15年前、smiさんがまわりまわって僕らと接点をもったのも、幸村効果かもしれませんね。

>明日、東大に一人で乗り込み、闘ってきます。

ゲームについての公開講座かなにかですか?
まさか、安田講堂に篭城?
安斎利洋2008年08月06日 11:59
>配付したベクヴァル(A. Becvar)の星図をもとに新しい星座を考えなさい

渋谷の五島プラネタリウムで、天球連画をやったことがあります。 プラネタリム内壁をドーム型ペイントシステムにおきかえて、そこに「新しい星座」を作りました。幸村先生が先達だったとは。もっと昔に、知り合うべきでした。いや、同時代を生きてるからいいのか。

>深夜のCOCOでチーズハンバーグ・ミラノ風

なんか、なつかしいですね。
H.耕馬2008年08月06日 13:48
いらないもの(第??????号)の耕馬です。

いらない者がいらなくない物を創るべく闘いたいですネェ(@_@)
安斎利洋2008年08月06日 13:55
>いらない者がいらなくない物を創るべく闘いたいですネェ(@_@)

枯死した倒木に草が生えるような。

枯れられないくせに>耕馬
smi2008年08月06日 23:59
>15年前、smiさんがまわりまわって僕らと接点をもったのも、幸村効果かもしれませんね。
まちがいなく、そうだと思います。
「最終的な出力もありだけど、それよりもアルゴリズムか?」

アルゴリズム原理主義へと
つたない、情報物理理論をレポートして提出したのもたしか幸村先生にだったような記憶があります。
>ゲームについての公開講座かなにかですか?
>まさか、安田講堂に篭城?
そういうのは、去年あったような。
あしたのは、いわゆる産学連携とかなんとかゆうやつで、
敵はロボットだったりする。っておれはキャシャーンか!?

iPhoneでpongをやっているうちは枯らさせないよ>耕馬さん

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