安斎利洋の日記全体に公開

2006年02月13日
14:47
 囲碁チューリングテスト
囲碁の対局中、機械より人間相手の方が前頭前野が活性化してるという研究がニュースで流れていた。

びすけっとさんによると、
> 本当は囲碁のプログラムだけど,「これは,新しい囲碁チャットで,
> 人間と対戦してます」と嘘をつくだけで,違う結果になると思う.

この問題、オーラの話と同じ深さにある。

もし相手が機械か人間かわからないチューリングテスト状態を作ったら、脳はどう活性化するのか、そこが知りたい。

関連日記:南方司さん
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=87165872&owner_id=12368
Hiroさん
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=87163647&owner_id=30771
 

コメント    

2006年02月13日
15:00
安斎利洋
さらに言うと、相手が人間であることに反応するのか、それとも相手を打ち負かす物語に反応するのか、そこが知りたい。
2006年02月13日
15:43
びすけっと
山本吉伸さんの研究は古すぎてWebで見つけるのは大変です.
http://www.kawai-juku.ac.jp/prof/ninchi/ninchi-yamamoto.html

その代わり,こんなのを見つけました.これも10年前ですね.
http://kogolab.jp/research/paper/1996/CogSci96.html

この日本棋院の実験は,コンピュータを悪者にしようという
意図を感じます.そんな必死にならなくても,置き換わった
りなんてしないから全然平気なのに.
2006年02月13日
15:56
きのちゃん
塔矢アキラはネットで対戦してもヒカルと佐為の関係を感じ取ってましたね。
日本棋院もPCとインタネットを応援していますよ、漫画を通して。
2006年02月13日
18:13
Stone
カスパロフは,ディープブルーに確かな知性を感じたと言ってますね.
2006年02月13日
18:47
安斎利洋
ディープブルーにしたところで、結局のところ可能な分岐の中から評価関数のいちばんミニマムに落ちていくことは確かで、するとそれは自然現象(たとえば滝は落ちていく景色)を眺めるのと、本質的に違いがないんじゃないだろうか。

あるいは、パチンコ玉が落ちるのを見るような。挙動はカオスだけれど、動作原理はきわめて単純。その単純さに、対戦相手は熱くなれない。

人の判断は、どんなに緻密でも動作原理そのものにゆらぎや飛躍があるから、たまにローカルミニマムを見誤るけれど、対戦相手はそこに熱くなれる。

だとすると、ちょっと弱いけれど、対戦相手が熱くなれる機械っていうのは、作れる気がする。
2006年02月13日
20:41
H.耕馬
>対戦相手が熱くなれる機械っていうのは、作れる気がする。

い〜かげんな挙動をするマシンって事やね。ヽ(^.^)丿
ただ、い〜かげん=チャランポランとはちゃいまっせ。

>機械より人間相手の方が前頭前野が活性化してるという研究がニュースで流れていた。

これは耕馬も見てた。キットNewsになる時に大事な情報がいろいろ落っこちたんだと思う。「機械より人間相手の方が」って切り口はTV屋としては分かりやすくてGOODですが、本当の研究者がこんないーかげんな条件で実験やってるとは思えない。
2006年02月13日
22:02
Mike
このニュース、私も見てましたが、要約しか流してなかったので、実際にどんな実験をやったのか不明。
 つまり、本当に相手が人間か機械かの違いなのか、それとも、画面上(仮想世界)で打つのか実際の碁盤と碁石(つまり、タンジブルな実世界)で打つことの違いが出ているのかも知れませんよね。
 我々のところでも、タンジブルな将棋と、電子将棋の簡単な評価をしましたが、タンジブルな将棋や本物の将棋の方が、人気がありました。
2006年02月14日
01:38
安斎利洋
>本当の研究者がこんないーかげんな条件で実験やってるとは思えない。

人が相手の時のほうが燃えるってだけの研究だったら、クズですからね。

燃える要因が、人というインターフェースなのか、人らしい差し方なのか、ってことを切り分けてほしい。たとえば、こっそりコンピュータの指令どおりに差す人間が相手だったらどうなのか、といったデータをとらないとね。
2006年02月14日
02:31
このニュウスみてませんが。
如何に前頭野を刺激するかが、囲碁ゲームの売り上げに重要だったりして。。流してください。
2006年02月14日
10:48
softport
機械との対戦でも、一人でこっそりやる場合と、誰かに画面を覗かれているいる場合と、ディープブルーとの対戦のように世界的に注目されている場合とでは、状況がぜんぜん違いますよね。
相手が機械か人間かという問題ではないような気がします。
2006年02月14日
12:32
安斎利洋
僕としては、目の前に生身の人がいるかどうかによって差がでるより、機械と人間との差し方の違いで興奮度が違う、なんていう結論のほうが、興奮します。人間はどういううわべにだまされるか、という話だと、面白くない。

差し方から機械を見抜くほど高度な境地は、味わったことがないんですけどね。
2006年02月14日
12:52
びすけっと
> 人間はどういううわべにだまされるか、という話だと、
> 面白くない。

上のしりとりの実験のときは,人間がキーボードを打っている
風の文字の表示(間違った文字を出してバックスペースで消す
など)をやったって聞いたような気がする.

僕は人間って,チンケなセンサーと,ものすごい想像力で
動いているような気がするのですが.
2006年02月14日
15:05
安斎利洋
よくセールスの電話がかかってくるんですが、あの人たちって、機械が人の真似をするのと反対に、人が機械になっている感覚がある。この種のつまらない人間と対面するときより、機械のバックスペースのほうがうれしいことは確かです。
2006年02月14日
15:07
安斎利洋
>人間って,チンケなセンサーと,ものすごい想像力で
>動いている

そうですね。センサーだけじゃなくて、記憶も実はチンケな内容で、回想するときに猛烈な補完をしているんじゃないかと思う。
2006年02月14日
16:22
びすけっと
> よくセールスの電話がかかってくるんですが、あの人た
> ちって、機械が人の真似をするのと反対に、人が機械に
> なっている感覚がある。

2,3件セールス電話をかけてみたら,誰でもそうなって
しまいそうですよね.自分の人間性を殺して最後まで
聞いてもらうというのが重要だから.

セールス電話へのいやがらせの一つに,こっちの相槌の
タイミングをずらす,というのがあります.すごく話し
づらそうにしてます.機械になりきれていないという
証拠だ.
2006年02月14日
18:09
Mike
くだんの実験では、生身の人間に対して本物の囲碁でやっているわけで、本来のチューリングテストのように、ネットで結ばれた先が機械か人間かが分からない状況ではない、という点の方が重要だと思います。
 光トポグラフィを使う関係で、子どもが被験者ですね。
2006年02月14日
18:51
安斎利洋
Mikeさん、僕の問題提起は、人間が対象にバイタリティを感じるは、対象の肌理や動作からくるアフォーダンスなのか、それとも対象からもたらされる言語なのか、という点なんですが、そこはどう思われますか?
2006年02月14日
22:25
Mike
安斎さん、
>人間が対象にバイタリティを感じるは、対象の肌理や動作からくるアフォーダンスなのか、それとも対象からもたらされる言語なのか、
お答えになっているかどうか分かりませんが、ロボットに碁を打たせたものと、人間がネット経由で電子的な囲碁の対戦をさせたものとで比較すると面白いと思います。たぶん、前者の方に人間は反応してしまうのではないかと思います。純粋知的なレベルのみの差で反応するかどうかは、むしろ個人差の方が大きくなるような気がします。したがって、(安斎さんの問いかけをちゃんと理解しているかどうか自信はありませんが、)「対象の肌理や動作からくるアフォーダンス」の方に、より強く反応すると思います。
2006年02月14日
23:28
びすけっと
ああ,ロボットに碁を打たせたらそれは全然違う結果が
でそうですね.囲碁プログラムは横のPCで,そこからネット
経由でロボットをコントロールしているだけだとしても,
ロボットが動くと違うわ.きっと.

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