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格安哲学
2008年05月23日23:09
永井均の哲学書
が言及している文献を、近所の古書店にて買いあさる。
しめて2000円。
どれだけ哲学的な内容かは、たとえば以下の引用からもあきらかである。
コメント
安斎利洋
2008年05月23日 23:13
『マンガは哲学する』永井均(講談社)が扱っている作品一覧
■第1章 意味と無意味
藤子・F・不二雄「ミノタウロスの血」小学館文庫『異色短編集1』
藤子・F・不二雄「気楽に殺ろうよ」「サンプルAとB」小学館文庫『異色短編集2』
藤子・F・不二雄「絶滅の島」「流血鬼」コロコロ文庫『少年SF短編集2』
手塚治虫「ブラック・ジャック」講談社
吉田戦車「伝染るんです。」小学館
中川いさみ「クマのプー太郎」小学館
諸星大二郎「感情のある風景」集英社『夢みる機械』
城アラキ・甲斐谷忍「ソムリエ」集英社
福本伸行「カイジ」講談社
■第2章 私とは誰か?
萩尾望都「半神」小学館文庫
萩尾望都「A-A´」小学館文庫
吉野朔実「ECCENTRICS」集英社
士郎正宗「攻殻機動隊」講談社
高橋葉介「壜の中」朝日ソノラマ『怪談』
川口まどか「ツイン・マン」秋田書店
田島昭宇・大塚英志「多重人格探偵サイコ」角川書店
■第3章 夢−世界の真相
高橋葉介「夢」朝日ソノラマ『怪談』
佐々木淳子「赤い壁」「メッセージ」「Who!」フロム出版『Who!』
諸星大二郎「夢みる機械」集英社『夢みる機械』
楳図かずお「洗礼」小学館文庫
■第4章 時間の謎
藤子・F・不二雄「ドラえもん」小学館
手塚治虫「火の鳥−異形編」講談社
星野之宣「ブルーホール」講談社
佐々木淳子「リディアの住む時に」フロム出版『Who!』
藤子・F・不二雄「自分会議」小学館文庫『異色短編集1』
■第5章 子どもV・S死−終わることの意味
楳図かずお「漂流教室」小学館
楳図かずお「わたしは真悟」小学館
諸星大二郎「子供の遊び」集英社『不安の立像』
松本大洋「鉄コン筋クリート」小学館
吉野朔実「ぼくだけが知っている」集英社
永井豪「霧の扉」中公文庫コミックス『永井豪怪奇短編集2』
しりあがり寿「真夜中の弥次さん喜多さん」マガジンハウス
■第6章 人生の意味について
西原理恵子「はにゅうの夢」双葉社『はれた日は学校をやすんで』
業田良家「自虐の詩」竹書房文庫
しりあがり寿「髭のOL藪内笹子」竹書房
坂口尚「あっかんべェ一休」講談社漫画文庫
つげ義春「無能の人」新潮文庫『無能の人・日の戯れ』
ゆうきまさみ「究極超人あ〜る」小学館
赤塚不二夫「天才バカボン」竹書房文庫
■第7章 われわれは何のために存在しているのか
星野之宣「2001夜物語」双葉社
星野之宣「スターダストメモリーズ」スコラ
石ノ森章太郎「リュウの道」竹書房文庫
永井豪「デビルマン」講談社
岩明均「寄生獣」講談社
xeno
2008年05月24日 01:04
坂口尚「魚の少年」を読んでくださいな…
(ちなみに、坂口尚は初期にはあまりに前衛的な(しかも完成された)作品を発表した反動からか、最晩年の「あっかんべェ一休」は、世間と人生を達観した、角の取れた作風になっています。)
安斎利洋
2008年05月24日 01:18
文献探索リストに加えておきます。
miyako/玉簾
2008年05月24日 01:20
吉田戦車「伝染るんです。」小学館
中川いさみ「クマのプー太郎」小学館
楳図かずお「洗礼」小学館文庫
は、とても深い闇の描写が凄いと思います。
あと「じみへん」も地方の哲学が濃くて好きです。
赤塚不二夫「天才バカボン」竹書房文庫 も人間観察が鋭いと思います。
安斎利洋
2008年05月24日 01:32
「伝染るんです」も、「じみへん」も持っていたはずなんだけど、マンガの本って知らないうちに散逸するものです。
吉祥寺の喫茶店などに、楳図さんがぼーっと遠くを見て座っていたりするんですよね。例のしましまシャツで。
あ っ こ
2008年05月24日 01:43
「意味」の数珠繋ぎ・・◎・・●・・○・・○・・●・・◎・・●・・〜
中村理恵子
2008年05月24日 05:00
>西原理恵子「はにゅうの夢」双葉社『はれた日は学校をやすんで』
これこれ、さいばら・りえこさん。
予備校→大学(学部は違う)とまったくあたしと同じコース、そしてそれぞれの現場で、いま、それぞれ。
少し彼女のほうが後輩だけど、ラジオのトーク番組を聞いててその場で、作品なり、人となりをネットであさって、一気に「さいばら」ブームに巻き込まれましたよ(笑)。
imochang
2008年05月24日 11:07
>西原理恵子
あ、理恵子つながりだ・・・私も好きです。
ご無沙汰でございます。
永井均さんのこの本は読んでないので、なんともいえませんが、思い切り謎なラインナップですね。
大島弓子の「哲学」は男性には不向きか。
坂口尚は、私も初期作品が好きです。
どう客観的にみても、テーマに沿った良作が、めいっぱい抜け落ちてますね。
個人的な好みの問題もあるだろうし、抜けや偏りがでてくるのは当然ですが、これでは「格安」と言われても、仕方がないかもしれません。
著者は、本気で「漫画読み」なんだろうか・・・?
安斎利洋
2008年05月24日 12:56
>これこれ、さいばら・りえこさん。
文献探索リストに、二重丸つけました。
安斎利洋
2008年05月24日 13:01
>テーマに沿った良作が、めいっぱい抜け落ちてますね。
いや、これはマンガ評論じゃないんで。
きわめて独特な視点のセレクションですね。永井さんの本を読むと、原作のマンガを読むより面白さが浮き出してきたりします。
smi
2008年05月24日 13:14
この間、はじめて秋葉原のBookOffに行って圧倒されてきました。
6F建てのビルすべてが、格安本と格安ソフト。
古本ビジネスもここまできたかと。
逆に、このゴミコンテンツを生産することにかかわるむなしさもあり。
imochang
2008年05月24日 20:57
>きわめて独特な視点のセレクション
あ、なるほどです。
独特な視点のセレクションだからこそ「見える」ものはありますね。
確かに、独特の狂気と毒をもちながらも、端正な漫画は面白い。
単に、値段が格安だったんですね・・・<ものすごい勘違いしました・・・
smiさん
私もゴミコンテンツつくってます。
紙媒体なので、「森林が、森林が・・・」と心で泣きます。
smi
2008年05月24日 22:46
すみません、私も間違えたかもです。
ゴミコンテンツではなく、コンテンツゴミ。
いや、これもちょっとちがうような。
ただ、<<コンテンツ>>とすればいいのかもしれません。
結局なんにもいってないですね。
ryukow
2008年05月24日 23:39
先日たまたま見たNHKの番組に登場していた西原理恵子を見て、ふと中村さんを思い出したのは秘密です。
安斎利洋
2008年05月25日 02:55
>逆に、このゴミコンテンツを生産することにかかわるむなしさもあり。
マンガ、新書、文庫、ゲームソフトは、BookOffにとってコンテンツじゃありませんね。あれは貨幣というか貝殻みたいなもんで、BookOffは金融業みたいなもの。
だからときどき105円で、すごいコンテンツを手に入れたりします。
>紙媒体なので、「森林が、森林が・・・」と心で泣きます。
森林は炭素を固定しますが、紙も本も炭素を固定しますよね。エコは、そこがよくわからない。
>ふと中村さんを思い出したのは秘密です。
このフレーズの矛盾が、すでに吉田戦車だ。
みまぞう
2008年05月25日 10:50
ここにはありませんが、萩尾望都の
11人いる!
も哲学的だなあと思います。
超々難関の宇宙大学の入学試験通過を決める最終試験。
10人のグループが構成され、全員が合否結果を共有する。
数度の試験をパスし、選び抜かれた10人のクルーが集まる
はずだが、なぜか、そこにいるクルーは11人。11人いる!
多くの受験者が、この最終試験に通過しないとそのあとには、
過酷な状況が待ち受けているという運命を背負っている。
最終試験の内容は圧迫型、隔離された大型宇宙船の
なかで起こるリアルなパニック、迫りくる死の危険、
でも当然、試験は放棄したくない受験者たち。
宇宙船の履歴からは、暗い過去が明らかになる。
繰り広げられる船内の葛藤。猜疑心渦巻く世界。
各人が持っている専門知識で、事態を収拾しようと
努力し、一時は事態は好転するように見える。
しかし...。
このパニックを乗り越える最後の決断(=PANIC Button
による試験放棄)を選択せざるをえないのか?
この世界での決断はどうあるべきか。
我々は何のためにいきているのか、
与えられた状況のなかで
もっとも大切にしなければならないものはなんなのか?
深く考えさせます。こどもに読ませるのはもったいない。
imochang
2008年05月25日 13:15
smiさん
お詫びのタイミングをはずしてしまった気もしますが、勝手かつ安直に、お言葉をお借りしてしまって、すいませんでした。
>紙も本も炭素を固定しますよね
固定できるようなものならいいのですが、季節ものの商品パンフレットやフリーペーパーでは、情報すら固定されませんね・・・
それでも、顧客の年齢層が高めの店舗などでは、ネットだけ・・・というわけにもいかないのが現状です。
ブックオフに行ける本は、まだ幸せで、自分が数年前に装幀した本を店頭で見かけると、「おお、久しぶり」と挨拶しますが、仰る通り、ブックオフににとって、それは「105円」という値札に過ぎません。
「105円」で安斎さんの手に渡った本は、幸せだと思いますよ。
ヨイショじゃなく、本気で。
値札からコンテンツに戻って、哲学してもらえるわけですから。
smi
2008年05月25日 15:58
imochangさん
>お詫びのタイミングをはずしてしまった気もしますが、勝手かつ安直に、お言葉をお借りしてしまって、すいませんでした。
いえ、いえ、言葉の貸し借りを意識するほどの繊細な自意識は実装されていないので、気にしないでください。
ブックオフの105円の棚は、そのコンテンツがどのような価値のものであるか、製作者がどのような思いでつくったか、そこにどのような哲学がかたられているかによらず、均等に105円で並べられていて、それがめまいがするほど、大量にならんでいると…。で、これにもう1冊加えたところでどうなるの?に答えが出せなくなってしまって。どうしたものかと。
ただ、ブックオフは買取システムから品揃えがなりたっているところがおもしろくて、地域性があるところが、なにかのヒントになっていたり
しないでしょうか? 個々のコンテンツの作り手たちよりは、その品揃えの成り立ちのほうに価値感を向けてしまう今日このごろです。
安斎利洋
2008年05月25日 16:18
「11人いる!」は読もうと思っていたんですが、みまぞうさんの名解説でいっきに本屋に走ることになりそうです。
>こどもに読ませるのはもったいない。
殺し文句!
安斎利洋
2008年05月25日 16:36
>季節ものの商品パンフレットやフリーペーパーでは、情報すら固定されませんね・・・
なるほど。みすず書房の本とか、StudioVoiceみたいな雑誌は、炭素を固定する森林だけれど、クズな雑誌は焼畑だってことなんでしょうね。
環境問題は、ここでコンテンツの質の問題とリンクするわけだ。
安斎利洋
2008年05月25日 16:48
>地域性があるところが、なにかのヒントになっていたり
このあたりの話になると僕は話が長くなるんで、自粛しますが。
BookOffはフランチャイズなんで、店主がもともと古書にたけているところや、わかる店員のいる店は違うんですね。たとえば高田馬場にある2店なんかは、早稲田から流れてくる本を、ちゃんと評価して並べているんで、価値のある2200円の本が1150円になることがあっても、105円にはならない。1150円は安いけど、神保町へ行くほうが密度の高い狩猟ができます。
逆になんにもわかってない店は、確率は低いけれど、探していた4000円の本が105円になっていたりするんですね。それがどこかは、内緒ですが。最近は200円という設定があって、『薔薇の名前』上巻だけ、みたいなのが並んでいる。暇と貧乏が運よく舞い込んできたら、背取りをamazonに売って暮らすか。
miyako/玉簾
2008年05月25日 23:39
>逆になんにもわかってない店は、確率は低いけれど、探していた4000円の本が105円になっていたりするんですね。
きゃはは、わが街のリサイクルショップと同じだわ。ダイソーの100えんのお皿が150円になっていたり、かなり良い骨董の大皿が700円だったりしています。オーナーの奥様がタイワニーズなのですが、陶器に「金色の塗り」があると意味なく高いのです!2000円とか3000円とか!
アンティーク価値が高そうなものをレジに並べると、オーナーのおじさんが「あんたはほんとに貧乏が好きだねえ。」と失神しそうに失礼な事を言われますが「はい、そーなんですよー。」と微笑んで帰ります。
安斎利洋
2008年05月26日 02:38
>「はい、そーなんですよー。」と微笑んで帰ります。
相手に自分の弱さを悟られないようにする、というのも戦略ですからね。正しいです、その戦い方。
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