 | 安斎利洋の日記 |  |
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| 2005年01月28日 21:27 | 七世さま | | 七世さま
二十四年前、僕は今四十八歳なので、ちょうどこれまでの人生を畳んだ谷折のあたり、久我山のあなたのアパートで撮った写真です。毎日いったい何の話をしていたのか、よく思い出せません。二年間、めまぐるしく楽しい時間を過ごしました。そしてあなたは、シェイクスピアシアターの女優として芝居の世界で華をひらきました。僕は僕の興味の向く方向へとのめりこみ、いつのまにか会うこともなくなりました。静岡の実家に帰る新幹線のドアで、別れ際に撮った写真のさよならが脳裏に焼きついたまま、あなたは思い出になっていきました。
数年前、検索エンジンからたどってオーストラリアで活躍するあなたのメールアドレスにたどりつきました。電話で懐かしい声を聞きました。いつかどこかでまた会うことを、約束しました。
今日、お姉様からメールをいただき、昨年末にあなたが亡くなったことを知りました。
あなたが死ぬ、ということを、僕は当分理解できそうにありません。
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