チンパンジーのアイちゃんでおなじみの京大霊長類研究所の研究成果が、今日のニュースになっている。それによると、画面にランダムに並んだ1から9までの数字を0.21秒だけ見せ、その記憶をたどって数字の順に指差すという実験で、チンパンジーの子どもは高い正答率を示すのだそうだ。
サヴァン症候群のなかには、航空写真のような複雑な図像を記憶し、あとになってから細密な絵を描き起こす人がいる。そういう超人的な能力は、実は発達過程の代償として抑圧されている何かではないか、という推論を呼びそうな研究結果だ。松沢先生も、「脳の容量には限りがあるので、新しい能力を身につけるために古い能力を捨てる必要があるのではないか」と言っている。
しかし、はたして捨ててしまったのだろうか。
カンブリアンゲーム「
SANPO」のセッションが、じわじわと継続していて、実に高度な様式の熟成を遂げている。もし数字を数という概念で見るなら、それらは数の置かれるべき空間に配置されるだろう。SANPOの目を装填して街を歩くと、数字はさまざまな層にばら撒かれ、あらゆる記号はそれが示すべき概念の表象ではなくなってくる。これを繰り返しているうちに、忘れていたある能力を取り戻している感覚を覚える。
どれをとってもすばらしいけれど、たまたまここ数日、自分のSANPOに接続した視覚を並べるだけでも、ため息が出る。
SANPO2
http://anzlab.com/sanpo2007b/indexj.htm
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Rieko NAKAMURA
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ToshihiroANZAI
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ToshihiroANZAI
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tamasudare
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Fomal Haut
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新聞記事
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20071204ke01.htm
「チンパンジーの子どもの記憶は人間のおとなよりも優れている」
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/koudou-shinkei/shikou/chimphome/video/video_library/project/projectj.html