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サヴァンの訓練全体に公開
2007年12月04日16:09
チンパンジーのアイちゃんでおなじみの京大霊長類研究所の研究成果が、今日のニュースになっている。それによると、画面にランダムに並んだ1から9までの数字を0.21秒だけ見せ、その記憶をたどって数字の順に指差すという実験で、チンパンジーの子どもは高い正答率を示すのだそうだ。

サヴァン症候群のなかには、航空写真のような複雑な図像を記憶し、あとになってから細密な絵を描き起こす人がいる。そういう超人的な能力は、実は発達過程の代償として抑圧されている何かではないか、という推論を呼びそうな研究結果だ。松沢先生も、「脳の容量には限りがあるので、新しい能力を身につけるために古い能力を捨てる必要があるのではないか」と言っている。

しかし、はたして捨ててしまったのだろうか。

カンブリアンゲーム「SANPO」のセッションが、じわじわと継続していて、実に高度な様式の熟成を遂げている。もし数字を数という概念で見るなら、それらは数の置かれるべき空間に配置されるだろう。SANPOの目を装填して街を歩くと、数字はさまざまな層にばら撒かれ、あらゆる記号はそれが示すべき概念の表象ではなくなってくる。これを繰り返しているうちに、忘れていたある能力を取り戻している感覚を覚える。

どれをとってもすばらしいけれど、たまたまここ数日、自分のSANPOに接続した視覚を並べるだけでも、ため息が出る。


SANPO2 http://anzlab.com/sanpo2007b/indexj.htm

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Rieko NAKAMURA

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ToshihiroANZAI



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ToshihiroANZAI

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tamasudare


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Fomal Haut



新聞記事
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20071204ke01.htm

「チンパンジーの子どもの記憶は人間のおとなよりも優れている」
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/koudou-shinkei/shikou/chimphome/video/video_library/project/projectj.html

コメント

Yuko Nexus62007年12月04日 17:03
>「脳の容量には限りがあるので、新しい能力を身につけるために古い能力を捨てる必要があるのではないか」と言っている。

一方で、脳の機能のごく一部しか、人間は使っていない、ともいわれますよね。ただ「容量」「蓄積」のために割かれている領域はごく限られているのかも。そして記憶と、記憶したものや触れた情報を意味づける機能はまた大きく違うだろうし。。。

sanpoをはじめとするカンブリアンの素敵なところは「じっくり盆栽を愛でるように」繋ぐ人と、「いきあたりばったりでテキトー」にくっつける人(たとえばあたし)が共存している点と、またそれを眺める時にミクロコスモスにわけいるやり方と、航空写真方式の両方がある点でしょうね。
安斎利洋2007年12月04日 17:12
>一方で、脳の機能のごく一部しか、人間は使っていない、ともいわれますよね。

ですよね。筋肉同様、使わない機能は衰えるので、言語や推論に頼りはじめると、いちいち効率の悪い「膨大なl記憶」に頼ることが少なくなる。その結果、ものを細部まで見る能力をサボりはじめる、ということかもしれない。

もしSANPOや星座作用の視覚で日常を生きていくとしたら、それは大変ですからね。
安斎利洋2007年12月04日 17:13
>「じっくり盆栽を愛でるように」繋ぐ人と、「いきあたりばったりでテキトー」にくっつける人(たとえばあたし)が共存している点

これは、システムとして非常に大事なところだと思います。ひとつの正しさに収斂できないところがミソです。
中村理恵子2007年12月04日 22:01
[・・]

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