好き嫌いの根源にあるのはおそらく食欲と性欲で、とりわけ異性への好き嫌いは、オスがメスを取り合う社会的なゲームの中で形成される。メスはオスを倒したオスにしか惹かれないようにできているし、オスはほかのオスが惹かれるメスを独占することを愛情だと思い込む。だから「美人」という基準は、社会的に作られたその時代のパラダイムに過ぎない。
性ホルモンに翻弄されていた昔のことを思い出すと、オスたる自分があるメスに惹かれる要因は、そのメスが他のオスに対しても誘引的であることだ。簡単にいうと、自慢できる彼女を欲しがるのが若い男の習性で、ある年齢になるとそれが虚妄であることにはたと気づく。逆説的だけれど、若いときに恋愛をするのは時期尚早だ。
同様に、社会的に形成される「嫌い」、いわば「連れ嫌い」が虚妄であることに気づくのにも時間がかかる。「嫌い」という感情の面白さに気づくには、時間がかかる。前の日記つけてくれた、もう若くないオスたちの
コメントがめちゃくちゃ面白いのは、たぶんそのためだ。