安斎利洋の日記全体に公開

2005年12月05日
01:41
 絡み合う歌
千住真理子の上ずったようなヴァイオリンがあまり好きでなかったのだけれど、今日CSでふと聴いたバッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲」がすっかり心に響いて、今日はずっと二楽章が頭のなかで絡み合っている。この人のあるべき場所は、ここにあったんだ。

上ずった独り言にはなじめないけれど、(おそらくひとり多重奏の)上ずった対話は、まるでナルシスが自分とセックスしているようで、体の内側から撫でられる感覚。
 

コメント    

2005年12月05日
02:10
godzi2
>体の内側から撫でられる

エロ過ぎ!
2005年12月05日
02:11
安斎利洋
>エロ過ぎ!

あ、どーも。
2005年12月05日
02:13
godzi2
でも、一度でいいからそういう快感、感じてみたいかも!
2005年12月05日
02:20
安斎利洋
医科歯科大の藤田先生は、体の中に「きよみちゃん」を飼っている、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062569108/250-4089496-0789006
という方向に話をもっていこうとしているでしょ。
2005年12月05日
02:24
miyako/玉簾
千住真理子さんのオフィシャルサイト
http://www.toshiba-emi.co.jp/classic/senjumariko/disco/index_j.htm

で試聴してきました。「上ずった音」という意味、わかりました。繊細かつ微妙にシャープしていて聞いていると少し不安になってしまう印象。(PVの音の方が厚みがあって安定して聴こえました。)

多重録音ということを外しても、音が何重にも分かれている感じで、12弦ギターと言うか、「笛の音の輪郭」のような音だと思いました。
弓を弦にあてる力の入れ具合なのでしょうか。善し悪しはともかく、個性があることは大切ですね。

ヴァイオリンは楽器の中では「一番人の感情に作用する」という説がありますが、逸話が多い「ストラディヴァリウス」の場合、木を切る段階で「斧に限る」とか「出来上がった楽器を寝室に置き、仕上げにいろいろな声を聞かせる」とか。
楽器の時点ですでに生き物みたいです。
2005年12月05日
02:25
godzi2
してない!

私は一昨日まで、美しい&可愛い声優さんたちに素敵なメイド服を着せて、300年前のイギリスで作られた洋館でロケしてたのですよ(私の日記参照)。
もう私たちの合い言葉は「フリルな心」なんだから!

って、アホか!
2005年12月05日
02:26
きよみちゃん・・
回虫は笑うのセンセか。。
腹の虫が収まらないという思いは、人生において数度あります。
それから、

あるトーンの音が共鳴して頭蓋骨が鳴ったことがあります。
頭の内側を撫でられた感じ?
2005年12月05日
02:30
godzi2
背筋がぞくぞくしたので、途中で書くのをやめてしまったけど、続きがあるのです。

今回衣装を提供してくれたメイド服専門店の人の話によると、そこん家の売り上げの半分は、なんと男!
したがって27センチのメイド靴や、180センチサイズのエプロンドレスが飛ぶように売れるんだそうです。
「んな、バカな〜!」と思う人は、一度着てみると、人格変容が味わえるのだとか。
安斎先生、一度いかがっすか?
2005年12月05日
02:33
安斎利洋
>フリルな心

フリルなきよみちゃん、を、どうしても想像してしまう。

>あるトーンの音が共鳴して頭蓋骨が鳴ったことがあります

頭蓋骨の内側にいるいくつかの寄生虫と共生している感覚は、僕もあります、って比喩ですよ、もちろん。

バッハの話が、、、
2005年12月05日
02:38
安斎利洋
>一度いかがっすか?

僕は自分に女が混じっていると思うことはあるけれど、フリルへの憧れは、まったくないなー。レースならまだわかる気がする。
2005年12月05日
02:43
godzi2
レースをくにゃくにゃ曲げて縫いつけたのがフリルなんではないすか?
って、私は実は洋服工場の息子なんですが、まったく知らんもんね。
2005年12月05日
02:46
私も視聴してきました。
>上ずってる>

軽い感じのボウイングに対して、ストラビヴァリの音が枯れすぎているのか。。一人多重録音って自分で録音していてやりやすいのかやりにくいのかなぁ。

バッハの曲そのものがリフレインでできてるから、
この音のおっかけっこはもともと何か自分の頭の中でおきていることのような雰囲気がありますね。
2005年12月05日
02:54
miyako/玉簾
>godzi2さん、はじめまして。
マニアックな撮影ですね。フリルは、レースじゃなくてもいいんですよ。くにゃくにゃ縫ったらそれはフリルよん。バッハはフリル服が好きそうです。

>もともと何か自分の頭の中でおきていることのような

バッハって、すごいゴージャスなこと考えてそうだと思います。曲の中でもよく喋ってるし。
2005年12月05日
02:55
安斎利洋
千住真理子は、ひとことで言うとエロい。(でもフリル系じゃない)
で、ストラディヴァリウスは、人間よりもエロい。
で、バッハも実はエロい。

千住真理子のカンタービレな音は、ヴァイオリンのフォルマントの豊かさと、ヴィヴラートとノンヴィヴラートのダイナミックレンジの広さと、きわどく音律を外しそうで外さないかけひきとで成り立っていて、これは普段は非常にうるさいくらいなんだけれど、「ふたつのVn…」は、これはやっぱりセックスなんだろうな、実に心地好い。

そういえばこの「ふたつのVn…」は、遅延と循環の音楽でもある。
そういえば、エロスも循環と反復形式なのである。
2005年12月05日
03:13
なるほど、これ聞いていて、ちょっと欲しくなってきました。

>エロスも循環と反復形式

ところで安斎さん、今日はアルコールで体の内側を撫でています?
2005年12月05日
03:41
miyako/玉簾
>バッハも実はエロい。
あはは、私もそう思いました。
お堅い音楽だとか、数学的であるとか言われていますが、歌ってて『この人、恋愛の事ばっか考えてるな、この曲』とか思いましたよ。


  金魚藻に左手の言葉降り積もる 玉簾

                     .
2005年12月05日
03:54
miyako/玉簾
ああ、2楽章はゆったりしてこちらの演奏の方が美しくて好きです。眠くなります。薄絹が風にふわふわしているバルコニーって言う感じ。フリルなしです。
2005年12月05日
07:47
中村理恵子
千住真理子は、あのバイオリンと出会ってから、とても怪しい領域に進み行ったよね。赤い靴と出会った踊り子のように。
長い間、ある貴族に死蔵されていた数奇な名器をはっきりは語らないけど、誰かが仲人したのか?彼女の手元に。
あの音色聞いたとき、はっきりいって、魔界のにおいを感じました(笑)。素晴らしいってことですよ,,,しかしね。
2005年12月05日
11:27
Archaic
すみません、昔書いた文章を思い出して日記にこちらのリンクを貼らせていただきました。事後承諾ですみませんです。
2005年12月05日
12:08
imochang
思うのだけど、エロくない音楽って、つまんないような・・・
ヴァイオリンというか、弦楽器は楽器そのものの形状や存在に、なんともいえないエロティシズムを感じます。
あれを奏でるのは、エロです!(って、断言して、どーする、私・・・)

理恵姉さん、
>赤い靴と出会った踊り子
って比喩、いいですねえ・・・これって、きっと最高の誉め言葉。
2005年12月05日
13:33
godzi2
激しく同意!

私にとって女性ボーカルは、エロそのものです。

で、昔から聞いていて今だに一番エロいのは、ピンクフロイド「狂気」に収められているThe Great Gig In The Skyの、名も知れぬ女の声です。
2005年12月05日
14:05
安斎利洋
>事後承諾ですみませんです

森は胎盤の振動と苔の絨毛に覆われていて、生まれる前の根源的なエロスの空間なのかもしれない。

しゅわっちさんの日記に、リンク。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=60800678&owner_id=89517
2005年12月05日
14:16
Archaic
しゅわっちさんの日記読めなかった・・・。
2005年12月05日
14:41
安斎利洋
以下、しゅわっちさんの日記

<引用>
『五感の順番』

先日で終了した,あるWSで感動的にわかったこと.

我々人間は目で世の中の様々なことを取り入れて行動している..と思いきや..根源的には触覚と音が重要である.

ということ.居心地みたいな生命維持に(精神的だが)欠かせない感覚においてはそれが顕著であるみたいです.

WSで,公園で居心地を語るということをやった時に,参加してくれた学生さん(メタ認知族という呼称がついてしまった)の一人が,居心地を考えるときの優先順位は触覚,聴覚,視覚,嗅覚の順番であるということを発表した.この順番は僕にとっては感動的な発見だった.

考えてみれば,我々日本人が持っている言葉も,もしかすると触覚が一番多いかも.擬態語,形容詞,形容動詞などなど.

それから聴覚は擬音語.

視覚に関する言葉となると,形,大きさ,空間的な位置関係など..意外と言葉は豊富にない.ある場所への行き方を説明するときに必要なのは,方向や空間的な位置関係なんだけど,,言葉が本来少ないため「あっち」とか「こっち」というジェスチャーが登場せざるを得ない.

嗅覚や味覚に関する言葉はもっと少ない.味覚を表現するときには,舌の触感や噛んでいるときの音とか鼻に香る匂いとかを表現するしかない.つまり味覚よりも言葉の多い他の4感の言葉を使うのだ.

うーーん,この順番ってすごい!

これも聞いた話.
高級ホテルでは,お客さんに最高の居心地を提供するために一番考えているのは,,カーペットの毛の長さだそうだ.足から感じる触感こそが居心地にとって重要であることを彼らはわかっているのだ! 客はたとえ居心地がよくてもそれがカーペットから来るものだとはなかなか意識できないところが面白い.

そういえば,,赤ちゃんはおかあさんのお腹の中に居るときは羊水に浸っていて,外界から感じ取る感覚の第一は触覚.それに音も聞いていると言うから,聴覚.目はまだ見えない.

おかあさんの胸に抱かれているときが赤ちゃんは最高に幸せですやすや眠るというのも,触覚が彼らの居心地において最も重要であることを物語っているのかもしれない.

それが原体験となって,大人になっても居心地を感じるときに最優先なのが触覚,聴覚であるのかもしれない.

</引用>
2005年12月05日
14:46
Archaic
うわ、面白い。ありがとうございました。
私も、もう少しまた自分の文章練ってみます。
それから、一応続きもあるので、全体的に手を入れてみます。ありがとうございました。
2005年12月05日
18:50
Archaic
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=70943&owner_id=1963
去年の日記なんですけど、楽器の官能についてこんな文を書いてました。勝手に貼ります。すみません。
2005年12月05日
20:05
安斎利洋
森の中に住むというのは、楽器の中に住むってことと等しいですね。
コントラバスの中なら、本当に住める人がいるかもしれません。ロッカーの花子さんみたいに。
2005年12月06日
02:44
miyako/玉簾
>赤い靴と出会った踊り子
それそれ。わたしもそう思います。

>弦楽器は楽器そのものの形状や存在に、なんともいえないエロティシズムを感じます。

男性のベーシストの方々、彼女のように楽器を抱いて可愛がっていますよ。エレキ・ギターの場合は、ギターを自分の化身とするみたいですが、クラシック・ギターは、彼女らしいです。

しゅわっちさんの日記、面白い。ぼんやり気づいていた感覚を整理整頓してもらったみたい。

Archaicさんの日記はアクセスできなくて残念。

>森は胎盤の振動と苔の絨毛に覆われていて、生まれる前の根源的なエロスの空間なのかもしれない。

この文章、きれいですねー。
安斎さんまた詩人活動を開始してくださいよー。
詩集買います。
2005年12月06日
03:45
stella
Archaicさんがロングトーンにのめり込んでしまったのが理解できます。
コントラバスは自分の身体と一緒に響くのがとてもよくわかる楽器です。集中して弾いている時は、ダンスのパートナーみたいだし。

音楽にエロスがないと、音楽している意味がないとさえ思ってしまいます。
官能ってどうして感能って字にならなかったのかしら。
2005年12月06日
04:12
安斎利洋
官能を辞書でひくと「感覚器官の機能」だそうですが、その前になんで器官の官は官なんだろう。まさかガバメント?と思って漢和辞典をひくと、
名詞}人体のいろいろな役目をする部分。▽政府の官職になぞらえたことば。「器官」「五官(目・耳・鼻・口・皮膚の五器官)」「官能」
とある。
なんだかパーツの性能みたいで、いたく興ざめ。
スクリャービンのエクスタシーを「法悦」っていうのも、どうかと思うし、この分野に漢字を使うのは、どうもよろしくない。
やはりerosでしょうか。
2005年12月06日
09:49
Archaic
一人で二人分演奏したのは、千住さんがストラディバリで演奏してみて、この音と対等に渡り合える音の奏者を見出すのが実は難しいと感じた、というのがあるのではないかなぁ、と思いました。でもその音に対等で渡り合えてしかも別の楽器で同じぐらいバッハを弾きこなす演奏者がいたら素晴らしいのにね。
バッハはやはり異なる演奏家で異なる楽器での共同作業による音楽を考えていたでしょうから。勿論当時、時代的に一人の奏者の音をいっぺんに重ねるという事は考えられなかったという事情もあるでしょうけれど。

ソリストの音の立ち方と合奏に向いている人の音というのは根本的に違うし、ストラディバリはソロのための楽器ですよね。

一人セックスは不自然なのだけれど、独特の世界で、こういうところに至ってしまった(ストラディバリを手にする運命にあった)千住さんの境地はやはり恍惚なのでしょうね。
2005年12月07日
04:04
安斎利洋
>ストラディバリはソロのための楽器ですよね

なーるほど、そうですね。

今日CDを買いに行ったら、諏訪内晶子の新譜もバッハのヴァイオリン協奏曲集で、店内でじっくり聴いてきました。
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/discography.html
こっちの「ふたつのVn」は二人で演奏しているし、諏訪内さんの弾き振りで、あの畳み掛けるような流れの中なのにちょっとだけフェルマータでオケが待ったりするんです。お姫様のお気の召すまま、っていうふうに聞こえて面白かった。諏訪内さんのほうが、むしろ官能的というか、普通の男女の絡み合いを見るような気がした。
千住真理子のひとり多重奏は、これは合奏ではなく、自家受粉だと思う。ちょっと異常な、怪しい官能が良いのかもしれない。
2006年03月06日
19:28
しゅわっち
かなり遅れてのレスポンスだけど,,.
最近また追記しました.
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=97681920&owner_id=89517

を読んでくだされ〜〜.

 安斎利洋mixi日記 一覧へ