安斎利洋の日記全体に公開

2005年11月27日
12:34
 遠隔アウラ
びすけっとさんの遊び場(正確にはNTTコミュニケーション科学研究所、原田康徳さんの仕事場)に行ってきた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=55860645&owner_id=79891

厚木にある部屋と京都にある部屋が、仮想の同室感『t-Room』で結合した状態。こっちにいるのが中村さんで向こうが平田さん。向こうの様子をWebカメラで撮ったのが右の写真。

カメラと平面のディスプレイを使っている限り、ねじれなく連続する3次元空間を共有することはできっこない。その前提で、映像や音声や空間の問題でなく、人のオーラとはなにかということを考えさせられる。

中村日記にあるハイビジョン版が圧倒的だ。auraが増幅され、照射される感覚。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=58101001&owner_id=64544
 

コメント    

2005年11月27日
12:39
安斎利洋
この会、きっかけは「金沢大学の奥の間に富山大学」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=50983764&owner_id=63253
でした。
2005年11月27日
12:47
中村理恵子
[・・]
2005年11月27日
12:49
H.耕馬
びすけっとさんには申し訳ないですが、現状はまだまだという印象を受けました。ただし、こうやって実際に形にしてしまう情熱には敬意を表します。

人間、その場に置かれると、思考や感情にかってにトリガーがかかりいろいろ夢を見ます。これは、右脳にも左脳にも効果的な刺激物だと思います。
キットもうしばらく経つと、もっと没入してしまう空間を創造していただけるものと期待してしまいます。ヽ(^.^)丿
2005年11月27日
12:57
安斎利洋
「金沢大学の奥の間に富山大学」の中でも問題になったけれど、僕はこの技術は案外、原理的なところよりチューニングに命があるんじゃないかと思いました。

たとえば、上の左の写真を見るとわかるように、リアルな人に比べてディスプレイの人は明るいので、白く飛んでいるでしょ。これが、同じような鈍い光に調整されていたらどうなるか。実空間の照明と、ディスプレイのバックライトの色温度を合わせたらどうか。映像以上に音場にアウラが宿るんじゃなかろうか、などなど。

原理を考えているときは、こういう細部は後回しになるけれど、細部からのボトムアップに軸があるかもしれません。
2005年11月27日
14:00
びすけっと
> びすけっとさんには申し訳ないですが、現状はまだまだという印象を
> 受けました。ただし、こうやって実際に形にしてしまう情熱には敬意
> を表します。

僕らも,とりあえず脳を使わないでえいやと作れるところまでやっちゃっ
てから考えよう,というスタンスで始めました.これができるまでは,
「そんな新規性のないものに,どうやって論文を書くんだ」という議論が
山のようにあって,半分くらいの人間がこのプロジェクトから去っていき
ました.

> 原理的なところよりチューニングに命があるんじゃないか

はい.そんな気もします.白く飛んでいるのも3日くらいかけて
じっくりやれば,もっとよくなります.

普段は,ここで毎週ミーティングをやっているんですが,それを
やっていて,直そうという気にならないので,僕らは目が慣れちゃっ
たのかもしれません.
2005年11月27日
14:03
安斎利洋
京都の平田さんって、音楽とコンピュータの人ですよね。
最近、どこかで名前を見ていました。t-Roomでお会いしたときに、気づきませんでした。
2005年11月27日
14:07
安斎利洋
確かに新規性というと、武蔵野でも同じことを目指していたような気がしますが、t-Roomは、モジュール化とビスケットランドで攻めていくべきだと思います。
2005年11月27日
14:47
H.耕馬
チューニングや実験という意味で面白いと思うのは、音響のイコライザーを相手方のマイクとこちら側のSPの間に入れていろいろな音場を作って、脳波測定器を付けた被験者がどういうセッティングでどういう感情をいだくか?とか、RGB3色のライトを点けて、部屋の色温度や照度を変えながら、とかいろいろ出来ますよね。

人間はどういう環境で没入感や同一空間を意識するのか?といった心理学実験は、そう簡単に結論は出無いとは言え有用な基礎実験にはなりそうです。

見せていただいて、耕馬が感じた印象では、音場にエコーを効かせて、大きなホールというか無限に大きな空間というのがひとつ試す価値があるかな、と思います。
2005年11月27日
16:25
N_apostrophe
アウラという主題では近くでる(来春)東京造形大学の雑誌で、加藤茂(教授、哲学)が複製ではなくハイパーリアルを根拠にその消滅を論じています。
体感的なレベルで「いま・ここ」の一回性を探り当てたらすごいですね。
子供時代からビデオ日記をつけているある人物が、電話なら離れていても会いたくならないが、テレビ電話だと会いたくなると言っていましたが、こういう例は、音ではなく映像により強く反応するということなのでしょうか?
見ることが出来ない人が音を3倍速で聞き分けるという事例をテレビで伝えていましたが、知覚と認知の関係の不思議を考えさせられますね。
2005年11月27日
16:40
なさ 飛鳥井
これは写真で見ると全く分からないと思います。
中に入ったときの心理的距離感、特に隣の人とか近いはずの人との存在感に、まだまだ発展の可能性を感じます。
視覚偏重ではなく、周辺視野とか聴覚が鍵だと思います。
2005年11月27日
17:10
H.耕馬
>周辺視野とか
やっぱり、自分の後ろに映ってる人を振り返らないで見たいです。気配を感じるのでも良いかな?
2005年11月27日
17:25
なさ 飛鳥井
昔、伊福部先生が気配の聴覚的分析をされていました。
気配は聴覚でなんとかなるかもしれません。

歩行中の気配だと、人体の帯電を静電エネルギーの変化で表現したりして。(笑)
2005年11月27日
17:38
なさ 飛鳥井
あ、それから、例えば耕馬さんの後ろに映っている人は、京都の部屋では耕馬さんの映像の前にいます。
2005年11月27日
17:50
H.耕馬
>気配は聴覚でなんとかなるかもしれません。
気配は、音(呼吸音)と温度(体温)を加えると、、、って、ヤッパリ要素を加えちゃうなぁ。。。いかん。
2005年11月27日
20:56
なさ 飛鳥井
温度(体温)って、距離だと10cmとか30cmじゃないですか。
相手が女性だったら良いけど、男性だったらちょっと近過ぎ。(笑)
2005年11月27日
21:35
安斎利洋
ハイビジョン版は音声が入ってなかったんですよ。にもかかわらず、ぞわっとくるオーラがあった。肌理が視覚の中心でなく、視覚の縁のあたりで動いている、というのが、なにか未経験な感覚を呼び起こすような気がしました。
2005年11月27日
21:39
安斎利洋
>複製ではなくハイパーリアルを根拠にその消滅を論じています。

ハイパーリアルによって生成されるのでなくて、消滅するんですか? 仮にその論理であっても、わかる気がします。

いずれにしても、アウラがベンヤミンの言うような複製かどうかという軸で語れなくなってきたことは、確かです。
2005年11月27日
23:12
びすけっと
みなさん,いろいろなヒント,どうもありがとうございます.

> 人間はどういう環境で没入感や同一空間を意識するのか?といった
> 心理学実験は、そう簡単に結論は出無いとは言え有用な基礎実験
> にはなりそうです。

今度,他人の視線がどこを向いているように見えるかという基礎
データは採ろうと別の人が計画しています.その結果を受けて,
空間をデフォルメして何かが緩和するといい話になるんですが.

> ハイビジョン版は音声が入ってなかったんですよ。にもかかわらず、
> ぞわっとくるオーラがあった。

実は奥の部屋に映していた映像(中村さんの日記の2枚目の
写真(安西さんの像))はハイビジョンじゃなかったんですよ.
カメラが足りなかったので,NTSCのワイドです.
もしかしたら,分解能ではなくて,色のよさとか腰から上が
映っているとか,そういう理由なのかもしれません.
2005年11月27日
23:20
安斎利洋
>ハイビジョンじゃなかったんですよ.

すると、これは単純に画像の大きさと近さ?
いや、もしかすると観音開きの包囲感に原因があるのかもしれない。プラネタリウムのペイントをやったときに感じたのですが、画像の解像度は低くても、囲まれた映像が動くと、体がどうしても反応して動いてしまいます。
2005年11月27日
23:25
H.耕馬
>分解能ではなくて,色のよさとか
コントラストでは無いでしょうか?
NTSCのカメラとハイビジョンカメラで同じ大きさのCCDを使っていてレンズが同じ口径とすれば、1画素が受け取る光量が落ちますしね。
もしくは、NTSCのカメラの方がハイビジョンカメラよりもエッジ強調がきつめに効いているとか。
2005年11月28日
11:41
びすけっと
ハイビジョンだと,全然ネットに乗せられないので,あきらめ
ていたのですが,そうじゃないとすると,さっそく試す必要が
ありますね.あと幾らあればできるかな.
2005年11月30日
09:45
びすけっと
すんません,いまViscuitLandの論文を書いているところなんですが,t-Roomの写真雰囲気を伝える写真が見つからなかったので,この写真を使わせていただきます.小さく印刷される(しかも白黒)ので,誰が写っているか分からないと思いますが.
2005年12月01日
19:04
安斎利洋
t-Roomの写真って、この日記の写真ですか?それは光栄。
京都の方のポーズが固まっているのが、良いですね。
オリジナルサイズの画像が必要でしたら、送ります。
2005年12月07日
14:51
安斎利洋
発見しました、マイルスさん。富豪家さん系ということは、やはりデイビスですかね。

徳井くんの連載
http://www.traksy.com/protech/2005/12/000793.php
が面白い。
2005年12月07日
14:58
Archaic
デイビスです。
徳井さん音楽に本格的に取り組むこと、この夏にお会いしてお話してくれました。

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