色紙をスキャナでとると、どうしても出ない色がある。
先日の「マチスましーん」で、「黄色が違う」という子どもがいて、それがずっと気になっていた。
実際、目で見る紙の色と、スキャナでとった色は、色の豊富さが格段に違う。
何が原因なのかあれこれ調べてみると、紙そのものの発色が蛍光である問題に気づいた。紙のベースの白さに加えて蛍光で光を出すと、色空間がかなり広くなる。
鮮やかな黄色の色紙は、LED光源の安いスキャナだとほとんど橙色になってしまう(左下のチップ)↓
CCDセンサ+蛍光ランプなら、一応黄色にはなる。それでも、直に見るのとはかなり違う↓
スキャナは、基本的に光源の狭い波長とセンサーの波長が向かい合っているから、いろいろな波長を含んだ光源に反応する色材の豊かさには対応できないのだ。同じ素材をデジカメで撮ると、黄色もそこそこ出る。光源にスペクトルが多いぶんだけ、有利なのだろう。
スキャナはあらかじめ三原色に離散化された印刷物をとることが多いので、こういう問題はなかなか話題にのぼらない。
アンリ・マティスは水彩紙にグァッシュで色を塗って、それを切っていたとか。「マチスましーん」も、スキャナにとりやすい紙作りからはじめるべきかな。