安斎利洋の日記全体に公開

2004年12月13日
00:22
 偏愛マップ
未踏ソフト、原田PMの合宿に参加。僕らにとっては中間発表会でもあったので、ダッシュで息を荒げたまま、温泉宿に突入した感じ。あー疲れた。

ソフトウェアが、この時代の最も旬な表現なのだという確信を、未踏関係の人に会うといつも強める。かつて、文学や哲学や芸術がやってきたことを、これからはコンピュータソフトウェアを媒体とするシステム書きが受け継ごうとしているわけだ。

で、その話はともかく、面白かったのは合宿の余興だった「偏愛マップ」。この手のメソッドは、どうも胡散臭さがつきまとい敬遠しがちで、なんでこんなこをさせられるんだというのが、正直な初印象だった。大和田さんが「偏愛マップ」という本(http://www.nttpub.co.jp/vbook/list/detail/0128.html )の版元だと知って、なるほどそういうことかと、あまり気乗りしないまま、ともかく自分の関心事を、連想のおもむくまま紙に書き出してみた。これは、「井の中の中村理恵子」でやってる世界そのものじゃないか、とも思う。

この紙を、初めて会った人と交換し、それをネタに10分ほど話をする。それだけのことだ。次々相手を替えて、6人と話をした。

これが、びっくりするくらい面白い。なんで孔雀飼ってるの、とか、生まれたところが500メートルくらいの近所じゃないか、とか、人間の感性にしばられない芸術があってもいいと思うんですよ、とか、源氏物語にはどこにもオカルト的な飛躍はないんです、とか、タイムドメインのスピーカーはすごいんです、とか、自分をとりまく事実や興味が、どんどん相手とリンクしていくスピード感に驚かされる。

社会的な活動の中で出会う人というのは、その接続チャンネルの切り口でしか見えないのが普通だけれど、人間は複合したチャンネルの総体である、という当然のことが、めちゃくちゃ面白い。
 

コメント    

2004年12月13日
01:03
てらだくん
原田さんの日記にも書いてありましたが,面白そうですね.
一度何かの集まりの中でやってみたいと思います.
2004年12月13日
06:09
は〜
「人間は複合したチャンネルの総体である」
すばらしい。胸にきざみます。
2004年12月13日
09:50
びすけっと
これを初めて知ったのは大和田さんからじゃなくて
こうたさんの日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=2122336
からなんです.それで一度やってみたくて,今回僕が大和田さんにやってみようよと言ったら,大和田さんが本を持ってきてくれた.

> これが、びっくりするくらい面白い。なんで孔雀飼ってる
> の、とか、生まれたところが500メートルくらいの近所
> じゃないか、とか、人間の感性にしばられない

これらの話は7割くらいは僕も聞きましたが,後は安斎さんとだから出てきた話ですよね.だから他の人同士の対談も面白いはず.

それ用のシステムを作るのでもいいけれど,mixiの仕組みだけで,できないかなぁ.
2004年12月13日
10:03
びすけっと
というわけで,案

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=4889101
2004年12月13日
15:29
安斎利洋
こうたさんの日記で木村さんが言ってますが、

>自己啓発セミナなんかのネタなので、怪しい雰囲気アリ。

そうなんですよ。自己啓発的な匂いを嗅ぎつけると、つい引いてしまいます。
自分が自分である方法に、王道はないのだ。

「偏愛マップ」のひそみにならった、別のことを考えればいいのかもしれません。具体的なプランについては、びすけっとさんちにて継続。
2004年12月13日
19:03
安斎利洋
コミュニティが、もうできてる。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=72524
2004年12月13日
22:37
あ っ こ
この紙はどのようなわけで書かれているのですか?
多分自己紹介というか、それこそ自分マップ?的な思考フローなのだと思うけど、フォーマットはあるのでしょうか?
このように考える人とこのように考え無い人とでもコミュニケーション可能な仕組みの遊びなのでしょうか?
2004年12月14日
08:58
安斎利洋
>フォーマットはあるのでしょうか?

フォーマットはまったくないと思います。どう書くかも、その人らしさ。まるで表言語のようにきっちり書く人もいました。

書き方が違う人とのセッションも、世界の刻み方が違って、面白かった。
2004年12月14日
12:54
あ っ こ
>書き方が違う人とのセッションも、世界の刻み方が違って、面白かった。

hoyoyo 人間っておもろいですね。
2004年12月16日
13:31
あー。面白そうだなあ。softdrinkでもやってみたい。
2004年12月16日
16:53
安斎利洋
>softdrinkでもやってみたい

それはいいなー。あの人たちのことだから、偏愛マップの面白さより、偏愛マップがなぜ面白いかを考える面白さ、の方に走るでしょうね。
2004年12月18日
21:22
確かに。そうかも。
blogってある意味、偏った?偏愛マップかもしんないですね。
2004年12月20日
08:56
安斎利洋
>blogってある意味、偏った?偏愛マップかもしんないですね

まったくです。

いま、mixiのなかでどうやったら偏愛マップができるか、という実験を原田さんと富豪家さんがやっていますが、snsや日記そのものが偏愛マップであるという同語反復を、どうするのか?
2004年12月20日
10:35
びすけっと
1対1というのがだいぶ違うところ.あと,本当に1対1なら,公開するんじゃなくて,秘密にやるのがいいかも,と思い始めてきました.
2004年12月20日
17:26
安斎利洋
日記は発話が自分に向いているようで、Blogの場合は多数に向けられている。
対談も相手に向いているようで、後で多数から読まれることを意識している。
チャットでやると、どうなるんでしょう。

発話の指向性という概念があるそうです。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=5179023

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