安斎利洋の日記全体に公開

2007年06月24日
21:01
 発現する色彩
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ポスターを作ったせいで、すっかり主催者側の気分だったアート・ドキュメンテーション学会のシンポジウム「発現するドキュメンテーション」。燃焼しきってない感覚はあるけれど、実に面白かった。

前から会えそうで会えなかった金子郁容さんにも会えたし、最近話題の「想・IMAGINE」を開発した国立情報研究所の丸川さんと高野さんにも会えた。なにより前田富士男さんに会えたのがうれしかった。

前田さんはゲーテ『色彩論』(工作舎刊)の翻訳者で、舞台裏で前田さんから聞いた色彩についての話は、おぼろげに見えている新しいペイントシステムに、実装のヒントを与えてくれた。ゲーテにとって、色彩は「動いていく」対象であるということなどなど。

驚いたことに、前田さんは金子さん同様、工学部で情報系の出身。この芸術系シンポのパネラーが、実は工学系ベースなのが面白い。

リヒターや大竹伸朗のような、いわばアーカイブスを作ること自体を創作手法にする作家のアーカイブスを作る、というのはどういうことか。

観測者が観測者を観測するという事態のなかで、いったいアートとアートでないことの境界は、どのように「動いていく」のか。

このテーマ、何時間かけても話し足りないし、何時間話しても、向かい合った鏡に閉じ込められた光のように落ち着く場所がない。前田さんはルーマンを引いて「互いに他を環境とする二つのシステムの関係」と言っていたけれど、僕はそういう創作環境を作りたいのだ、と、はたと気づいた。

こういう出会いをコーディネイトしてくださった近代美術館の水谷長志さんに、感謝。

わざわざ来てくださった方々、感謝します。生のあおいきくさんに出会えたのも大収穫。
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コメント    

2007年06月24日
22:04
tamio
 おもしろかったねー.

 会場最後列で「私語」猛連発.

 最前列まで聞こえないのもトポス.
2007年06月24日
22:26
安斎利洋
いつも思うんだけど、客席側にボイスレコーダーを仕込みたいよね。
2007年06月25日
05:42
中村理恵子
>会場最後列で「私語」猛連発.


充実した私語のおかげで、せっかくむけていただいた壇上よりの質問に、ろくな返答もできず、ごみん(笑)>安斎さん

私語の輪にいた方々;あ っ こ、コンマさん、夏っちゃん>

わたくしの返答を、大うけしてくださってありがと(涙;)。

当日は、とんでもない同窓会モードになってさ。kazuさんとは、まー予想の範囲。

1990年ころ、「テレメチエ」という数量限定の画集を一緒に作った人々との再会。
企画自体をネット連動でやった、これの現場にいたノヴリカの景山さんでしょ、作家の森田彗さんでしょ。

奇遇でした。

ともあれ、われわれの周辺ひと塊、このイベントと学会にとっては、非常に異質な人種とうつったようですよ。
「なんだかことしはとても盛り上がっている。」と喜んでました、関係者たち。

よかったよかった。
2007年06月25日
05:43
中村理恵子
追伸;当日の写真、もっといいの撮ってない?誰か。
壇上のパネリストたち、ぼけぼけです。
2007年06月25日
06:44
あおいきく
こちらこそ、生のお二人にお目にかかれて感激です。

知ることは探索ということに、あらためて気づかされました。

前田先生のお話も面白かったけど、楽屋裏ではもっと面白い話になっていたんですね。

アート・アーカイブといえば、この本が手元にあるんですが、ゴミ屋敷との違いは作る側の「編集」力でしょうか。
http://www.amazon.com/Deep-Storage-Collecting-Storing-Archiving/dp/3791319205
2007年06月25日
09:45
寝太郎
最前列の方々、というのが大変興味深いです。普通壇上と観客席との乖離は避け難いですが、こういう方々がいると。。。
なんか八百万の神々が座られていたような(笑)。

たのしそうだな。
2007年06月25日
10:04
安斎利洋
寝太郎さんやあおい菊さんと、この座を囲みたかったですね。

ディープ・ストレージっていうのは、言い方がいいな。ゴミ屋敷、っていうのはご近所の視点だから。

>ゴミ屋敷との違いは作る側の「編集」力でしょうか。

これも何を編集と感じるか、という同形の問題に落ちるんじゃないかな。昔、ゴミのような部屋に暮らしていると母親がときどき手を入れて、神話的編集が台無しになった。

>「テレメチエ」という数量限定の画集を一緒に作った人々との再会。

最近旧知に立て続けに会うのは、死期が近いせいだ、と耕馬さんに言われました。余命50年か…
2007年06月25日
10:09
安斎利洋
これも圏内。
「機ッ械館」http://mixi.jp/view_community.pl?id=162166
2007年06月26日
00:27
tamio
 あまりいいのない.

 http://mixi.jp/view_album.pl?id=1594489

 こんなん?
2007年06月26日
00:30
tamio
 私語の内容はとても書けません.

「安斎さんすげーすげー」

「既に死んでいる.でも気がついてない」

「違うよね〜♪」

とか...
2007年06月26日
00:47
安斎利洋
写真、サンキュー!

こうやって見ると、カンブリアンの画面がだんだん植物図鑑みたいになってきたな。この方向って、合ってるんだろうか。
2007年06月26日
00:52
安斎利洋
>私語の内容はとても書けません.

最近、客席側から見ると、みんなmixiしたりしてるよね。どこかの日記が、twitter化してたりね。

そういうのが壁に出ると、すごいパネルになるだろうな。
2007年06月28日
19:53
h.d.w.
> そういうのが壁に出ると、すごいパネルになるだろうな。

面白いと思います。
TVシリーズ版の攻殻機動隊にそんなシーンがありましたね。
パネリストには強い精神力やスルー力が求められそう。
2007年06月28日
23:38
安斎利洋
静かな野次が画面に出るのは怖いけれど、もっと怖いのは画面に何も出ないことかもね。

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