安斎利洋の日記全体に公開

2005年10月06日
02:17
 思考停止装置
Buchikoさんによれば、パワポを批判した論調はあるようで、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=43218687&owner_id=839670
パワポの問題はレゾリューション(情報伝達密度)の低さだということだ。

でも、これはパワポの弱さというより、中身がなくてもそれなりにカッコがついてしまうパワポの強さのために、それに甘えて情報を創ったり、対話したりする努力を停止してしまう人間側の問題だ。

同じ構造はスタイルシートにもあって、格好の良いWebサイトに限って中身がなかったりする。

もうひとつ思い出す同じ構図は、フォトショップのフィルター。フィルターをかけると、なんだか意味深な、どこかで見た絵っぽくなるけれど、認知的な意味で情報量が増えるフィルターなんて絶対にない。

そうやって考えていくと、こういうことはあちこちにあって、コンピュータという道具そのものが、パワポ的罠なんだと気づく。
 

コメント    

2005年10月06日
03:11
まいける
>格好の良いWebサイトに限って中身がなかったりする。

一票

2005年10月06日
03:34
jun@NP
>格好の良いWebサイトに限って中身がなかったりする。

言えているのですが、
格好の悪いWebサイトで中身もなかったりする方がまだ断然多い気も。

あ、2重に損した気分と、どっちがイイかというレベルの話じゃないすね。すんません。

最近、CGアーティストだった知人が木彫り彫刻はじめてるらしい。
すごくうらやましかったりして。
2005年10月06日
08:11
Hiro
安斎さん
それは言えてますね。
純粋な情報処理というのは、情報を減らす操作です。
減らすしつつ必須のものだけを残す。
これが究極の情報処理システムなのです。
もし増やしたら、それはノイズです。

   ただ、困るのは、何が必須の情報化ということ
   は科学的には定義できない、かも知れないこと
2005年10月06日
08:12
Hiro
昔習った、情報量とかエントロピーという言葉を使って
文章を書こうとしましたが、もう忘れてしまっています。
(^_^;)
2005年10月06日
08:29
H.耕馬
>コンピュータという道具そのものが、パワポ的罠なんだと気づく。

一票。
「CGがやりたい」と言って入学してきた学生は大抵ハズレ。
本当は「CGを使って××がやりたい」になるハズ。
2005年10月06日
08:39
べてぃ☆
>レゾリューションの低さ。確かにそうですね。
逆にそのほうが見積りしやすいことも多々ありますが。笑。
2005年10月06日
08:45
H.耕馬
>思考停止装置

でも逆に、な〜んも考えて無かった輩が、パワポによってそれなりのプレゼンが出来る。(出来た気になれる)という福音の箱といった見方も出来る。
これはCGソフトも同じだな。

しかし、そのパワポさえ使えない、こんな例を発見。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=42803686&owner_id=137947

世の中には、下には下があるって、、、お後がよろしいようで。
2005年10月06日
08:56
Hiro
エントロピーで検索したら、僕が言おうとしたことと似たこと
を書いてあるページが見つかりました。
http://www.geocities.jp/lethevert/newssource/
R30さんが使った情報のエントロピーとは、情報理論におけるエントロピーとは関係がなく、比喩的な意味で使用しています。そして、私もその比喩的な意味を使います。ここでいう情報のエントロピーとは、情報が整理・解釈された度合い....
2005年10月06日
08:59
ikeg
日本の学会だと、pptを使う学会は情報系と生物系、最近やっと物理系に登場、数学はまだまだだし、言語哲学系はほとんどないです。これの意味するところは? 内省的思考が必要のない学問はpptにしやすい、ですか? 
2005年10月06日
09:04
Hiro
あ、それから補足ですが、
  究極の情報処理システム=人間
のつもりで、さっきの文章を書いています。
2005年10月06日
09:05
Hiro
それと、さつきの「情報のエントロピー」の話
http://www.geocities.jp/lethevert/newssource/
この人達が言っていることも、情報を整理して、無駄な部分を
そぎ落としたり解釈したりするのは、やはり人間の活動なんだ
ということでしょう。
その上で、情報のエントロピーという言葉を使って、メディア
の比較をしています。
「情報のエントロピーが高いということは、さまざまな解釈の
可能性がある鮮度の高い情報」とし、
  テレビ>新聞>雑誌>書籍
がグラフとして並べられ、これらとプログが比較されています。
2005年10月06日
09:10
逆襲のタコラ
HiroさんのS/N比の話題そうだと思います。
プレゼンの評価は、情動が生まれるアフォーダンスを
言葉とビジュアルでデザインし、
伝達することが最小限でするために・・・
どう情報を構成するかでしかないので、
ツールを扱うかという論点では収束しないことだと思います。
プレゼンは、相手の空気を読み、必要なコメントを切り替えて、相手の気持ちの動きを先を読んでの
逆転のための懇親の一発にかける
度胸と駆け引きが大切なだけではないかと思います。

パワポをツールとして支持しませんが・・・
HTMLだっていいものでもありませんし・・・
PDFだって・・・単なるビデオだって・・・
帯に短しタスキに長し・・・だと思います(笑)
最高のプレゼン道具は、人間の思考と身体であると思います〔笑)
あれ・・・つまらない発言かしら・・・

>「CGがやりたい」と言って入学してきた学生は大抵ハズレ。
物事を表面的に受け取る若者が多くて、
学校案内に、デジタルとかCGとか出来る限り
使わないようにしたんですけどね・・・
多用されすぎて、広告的用法として格好悪いですしね〔笑)

受験者がツール依存症や媒体技術の権化で、
デジタルうんぬん・・・とかCGうんぬん・・・とか
目的見えず広告的な文句軽い言葉に自己陶酔したタイプ
落とせるとき全部落としてきました。!
まだ、方向性が漠然としていても
人生真剣に悩んでるふうなやつのほうが
将来の伸びるので受け取りました。
そうも言ってられないのが現実ですが〔笑)
2005年10月06日
14:09
安斎利洋
情報工学の人と話をしていてうまく意思疎通ができないときは、たいていシャノンのエンコード、ノイズ、デコードというドグマが影を落としています。だからそういうタイプの人は、、俳句は17文字の情報量、としか考えられない。

もうちょっと深く考えている工学者は、コードの情報量、つまり俳句だったら日本語全体の情報量が関係しているっていうことに気づいているから、話がうまくいきます。

でも、このテーマにはもっと深みがあって、たいていのコミュニケーションはコードを完全に共有していないんですよ。俳句で新しい表現をすると、コード表そのものの書き換えを迫られる。

本当は、工学もそこまで射程に入れてエントロピーのことを考えないと、人間を賢くするツールは作れないはずなんだけど。
2005年10月06日
14:12
安斎利洋
>最近やっと物理系に登場、数学はまだまだだし、
>言語哲学系はほとんどないです

あ、そうなんだ! 僕はてっきり、pptが世界中の会議を席巻しちゃったのかと思っていた。
2005年10月06日
16:19
安斎利洋
>内省的思考が必要のない学問はpptにしやすい、ですか?

ハンダごてやキーボード持って突進すべき人たちが、あまりに内省的でも困るんですが、芸術や文学や哲学の本質を知っている情報工学者が増えると、楽しいでしょうね。
2005年10月06日
17:52
はらこ
>言語哲学系はほとんどないです

生まれてこの方、一度もOHPすら作ったことの無い哲学者を
知っています。

学会発表前に徹夜でOHP作った話とかしても全然通じないですね。

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