安斎利洋の日記全体に公開

2007年05月03日
06:57
 うさぎがはねた
たとえば、「うさぎがはねた」というニュースがあり、新聞社が記事にしている。

新聞社は「うさぎがはねた」を売るが、「うさぎ」や「はねた」を売るのが通信社だ。たとえば共同通信は、「う」や「さ」や「ぎ」を集めてきて、「うさぎ」を新聞社に売る。地方の新聞社などは自分で「きつね」を取材することもあるけれど、「うさぎ」を買ってきて新聞を作る。

メディアによって、「うさぎははねてしまった」になったり「うさぎがはねても」になったり「うさぎはついにはねた」になったりする。そこにメディアの立ち位置が反映される。

mixiのニュースについて、たくさんの人が日記を書いているけれど、「しまった」や「ついに」への反射的反応ばかりで、「うさぎ」や「う」「さ」「ぎ」や、隠れている「きつね」について考える糸口がない。ニュースショーやワイドショーも、素材より調味料を食わされている感じがしてならない。

何が言いたいのかというと、もう「うさぎがはねてしまった」なんてメディアが言ってくれなくていいんじゃないかということだ。必要なジャーナリズムは、通信社だけでいいんじゃないか。優秀なニュース素材さえあれば、ブログが反応し、信頼できると思う人の「うさぎがはねた」を読みにいく。そのブログが怪しければ、自分で通信社に情報を買いに行く。言い換えると、ジャーナリズムの多重分節化。

「うさぎ」の見えない人たちが消えることはないだろうけれど、少なくとも「しまった」や「ついに」を、自分で考えるきっかけになる。
 

コメント    

2007年05月03日
08:25
さかい7/15伊勢崎Live
同感です。

「うさぎ」の内容が薄くなり、「しまった」や「ついに」といった調味料の味付けばかりが目立つことに、本当に食傷気味です。

もっと素材の良さを味わいたいです。
出来れば朝採り一番の天然モノを。
2007年05月03日
09:58
Ken☆
>信頼できると思う人の「うさぎがはねた」を読みにいく。

これって、書く人のスタンスが見えてくることが前提ですよね。

新聞のつまらなさってのは、記者の顔が見えてこないことにもあると思う。通信社の記事も自社の記事も、同様のスタンスで扱って、これは買ってきたのか取材したのかが分からないようにしている。なんで記名記事にして、記者の視点というものを明確にしないんだろう。この記者の視点は面白いからこの新聞を買うとか、このライターの記事はたいしたことがないんだけど次の展開のヒントになるから見ておこうとか、そんな読者の機会を奪っている。これじゃ、読者のメディアリテラシーも育っていかないし、文責のない執筆にジャーナリズムが宿るはずもない。

情報が氾濫しているからこそ、そこに執筆者の顔が見えた方がいいのにね。新聞社は、記事に対する個人攻撃への保護だとか、記事内容の文責は会社にあるとか言うけど、結局は記者の囲い込みをしておきたいだけのようにも見える。
2007年05月03日
14:25
小林千早都
>新聞社は、記事に対する個人攻撃への保護だとか、記事内容の文責は会社にあるとか言うけど・・・

某大手新聞社の記者たちに聞くと、
新聞社を隠れ蓑にしているお抱え記者も多いそうで。
リスク対策としてはありだと思う。
それが嫌だとフリーや契約になるそうな。
2007年05月03日
15:04
うさだ♪うさこ
TVの場合だと、とくになんでもない事件の記事でも、くら〜い
声の女性がおどろおどろしく読んだりするだけで、十分その
ニュースの対象の人や会社やモノを「おそろしいもの」扱い
できたりしちゃいますね。逆の操作も可能だと思います。
いつのまにかそういう印象が刷り込まれてしまうのだけは
避けたいんですけど、きっと刷り込まれてるんだろうなあとも
思います。
2007年05月03日
16:02
安斎利洋
中立な視点なんかないから、立場をはっきりさせて偏って書けばよい、っていう論理が最近の流行みたいだけれど、僕はそれはぜんぜん違うと思う。
多元的な視点をもてば、ウソとか噂とか伝説がちゃんと見えてくるもんで、「自分の視点」なんかを信じて書いている記者の言うことなんかまったくあてにならない。
2007年05月03日
16:35
安斎利洋
>もっと素材の良さを味わいたいです。

そうですよね。素材が悪いときは、別に食べなくてもいいわけで。
「素材屋」に徹した、東急ハンズみたいな報道機関があってもいいんじゃないか、と。
2007年05月03日
16:55
安斎利洋
>くら〜い声の女性がおどろおどろしく読んだりするだけで、

同じニュース素材で、ナレーションの表情や音楽を変える実験があるんですが、笑っちゃうくらい違う意味のニュースになります。
すべてのニュースが、そういう「意味多重放送」みたいになると面白いんだけどね。
2007年05月03日
19:37
びすけっと
Googleの次のネタになるんじゃないですか?

偏ったニュース記事を全部集めて,解析して,出力する.

何を出せばいいんだろう.中立な意見というのもなんだし.
スライダーが付いていて,自分で好きな立場を決めるとか.
2007年05月03日
19:42
安斎利洋
左に縦のスライダーが出てきて、客観の方にズームアウトできたりね。

偏りは計算可能かどうか、問題としては面白いですね。単純に主観的表現の頻度とか、「消息筋によると」みたいなあいまいな伝聞の頻度とかは、すぐやれそうな気がする。

2007年05月03日
20:28
うさだ♪うさこ
「語られない前提」というのも怪しい要素の一つですね。

たとえば、きょうの夕方、「自宅で死にたい人のための対策-対象者20万人」というニュースが出てました。Mixiで。これは、病院などでの介護は心のこもらない介護であって、人は皆自宅で家族の心のこもった介護の元に死にたいと考えている、という前提を語らないで表現しているニュースだったと思います。
でも、不思議なことに、このニュース、すでに消えてなくなってるんですけど。
2007年05月03日
20:58
安斎利洋
mixiニュースは、運営者がセレクトしていること自体が、なんか気持ちわるいなー。撒き餌されてる鯉みたいな感じがするんですよね。

ニュースは、自分が当事者に近かったり、自分の専門分野だったりすると、いい加減で薄っぺらいのがバレバレですね。
2007年05月03日
21:11
うさだ♪うさこ
Web のニュースの場合、ということですけど。
見出しが短すぎるというのもちょっと。だいたい12-15文字くらいですよね。
俳句を勉強したとしても、5+7 くらいでものごとを要約するのは難しいでしょうねぇ、きっと。
だけど、ひとは見出しでいろんなことを判断したりしますから、、、
2007年05月04日
00:07
TODO
全国紙大手と通信社(国内は共同と時事)では取材網に大差はないのです。いつだって脱退するよと脅していたりします。
大手紙が抜けたら経営が維持できるかなぁ。

たぶん必要としているのは地方紙およびNHKを除くTVでしょうか。NHKの取材網は大手紙より上かも知れません。
TV局が通信社をどう利用しているかは知りませんが、地方紙にとっては欠かせないと思います。中央政界や大手企業ネタは頼るしかないと思われるので。

共同や時事が特ダネをつかみ配信することもあるわけで大手紙にとっては記事化に腐心するところ。
2007年05月04日
14:13
安斎利洋
>いつだって脱退するよと脅していたりします。
>大手紙が抜けたら経営が維持できるかなぁ。

脱退して経営が難しくなったら、ブロガーにニュース素材を配信するように方向転換しないかな。TouTubeのように、素材を埋め込みできるようにする。誰も新聞をとらなくなって、通信社だけが生き残る、なんて筋書き。

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