安斎利洋の日記
2007年03月05日
03:40
リズムについて
地球温暖化のために暖冬になって東京に雪が降らなかった、という話をあちこちで耳にするけれど、このアナロジーには危うさがある。
温暖化が恐ろしいのは、海面の上昇というような線形の話より、非線形の予測不能性だ。明日の天気予報が外れるように、来年も梅雨があるという予測が裏切られ始める。春が来るだろうか、というのが比喩じゃなくなる。来年も米が作れる、というのも裏切られる。海面が上がる前に、まずこれがやってくる。あるいは、もうすでにやってきている。
環境の問題は、リズムやパターンの問題だ。地面のアフォーダンスと同じで、繰り返されているものがなくなることの、根源的な不安。
『リズムについて』
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このコミュニティが面白い。
リズムを、音楽にとどまらない概念に広げてくれる。
コメント
2007年03月05日
04:21
tekusuke
先日夕方に散歩していて枯葉を見つけ、ふと「ああ今年は冬が来なかったんだな」と思いました。日差しも風景も、なにもかもが秋のままだったのです。
そして秋のまま桜が咲こうとしています。とすると秋桜のアイデンティティはどうなってしまうのかが気になります。
2007年03月05日
04:25
安斎利洋
>秋桜のアイデンティティ
まずまっさきにそういう微妙なグラデーションが、つぶれますね。
「四季」を世界遺産に!……とか。
2007年03月05日
10:24
smi
>非線形の予測不能性だ。
そうして、子供たちのなかから、「妙に勘のいい」者たちがあらわれ、彼らはニュータイプとよばれるようになる。
2007年03月05日
12:06
安斎利洋
どこに食料が育つかわからない世界を生き抜くには、一種のリズム感が必要ですね。複雑なリズムを聞き分ける力。
2007年03月05日
22:13
MATANGO
ああ、そうなんです...。
たとえば、今日なんか風が強く吹きましたでしょう...。
前だったら「ああ、そんな日もあるんだな」という、暗黙のリズムのうちの...バリエーションみたいなことで暗黙のうちにリズムにノッていたと思うんです。
ところが...環境に最近かかずらっていたもので、これが非線形に思えてしまうんです。
なにか、ただならぬことが起こっているような....。
でも、もっと複雑なリズムを聞き分ければ、またはもっと大きなリズムを聞き分ければ、じつは「想定内」なのかもしれません。
ただ、そこに「非線形」があるとすれば、その複雑なリズムのどこかで、ニンゲンとか生物が消えてしまう。
そういう、どこか「閾値」があるだろうという...。
もうそのリズムに、ノレなくなってしまう「境目」というか...。
でもそれでも、そこに「リズム」を感じ取ることが、やっぱり必要なんだとろうとは思いました...。
2007年03月06日
00:47
安斎利洋
ニンゲンが消える、ってことはないとは思うんですけどね。
でも、環境考古学の安田さんの本を今読んでいるのですが、しだいに食料が欠乏していき、栄養が悪くなって免疫が下がり、疫病が流行って文明が消えていく、っていうのはつらい景色ですね。そうやって、たとえばミケーネ文明は消えていったわけで、同じことがいわゆる先進国にも起こるんでしょう。
いっそ、農業をもっと工業化しちゃうしかないんじゃないか、という気もしてしまいます。いずれにしても、人口はもっとシュリンクしておいたほうが、変化に強いように思う。
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