安斎利洋の日記全体に公開

2007年03月01日
00:23
 鬼太郎とねずみ男
先日NHKにて、20年ほど前の水木しげるのインタビューが面白かった。

番組を見ながら打ったメモ。
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墓場の鬼太郎は、紙芝居と貸本屋で生まれたキャラクター。
鬼太郎は悪事もはたらくし、腹もすかせる。金が手に入るとスポーツカーを買ったりする。漫画雑誌時代になり、編集者が作品に口を出す。
物語に、対決(バトル)の要素を入れようということになる。
妖怪に善悪なんかないから、そんなもん入れたくない。しかし編集者の強い要請だから、ゲゲゲの鬼太郎は正義になり、悪い妖怪をやっつけるようになる。
正義なんてバカバカしい。だから、ねずみ男を登場させた。
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鬼太郎とねずみ男は、ひとりだったんだ。
 

コメント    

2007年03月01日
00:35
墓場鬼太郎読むと、
もともと、目玉おやじが良心の部分だったみたいですもんね。
2007年03月01日
01:04
うさだ♪うさこ
水木しげるさんは、老練だから、編集者とけんかもせず、うまくおやりになりましたね。
それにしても、ここで、染み渡ったのは、

>正義なんてバカバカしい。

の一言でした。「きょうの一言」かも。
じっさい、そうだと思うときもあり、そうでないと思うときもあり。
すくなくとも、自分が正義だと思って突っ走ったときのことを考えると、大抵はあとから後悔すること多し、、、

2007年03月01日
01:48
安斎利洋
妖怪っていうのは縄文的な世界観で、正義と悪の決闘というのは弥生的なんでしょうね。

水木しげるがもし現代の子どもだったら、たぶん病名がつけられて、特別な子として扱われたでしょう。
正義や正常っていうのは、とても狭い。
2007年03月01日
01:54
子供は常ならんのが本来の状態なのでしょうからね。
2007年03月01日
05:53
小林千早都
ねずみ男に共感を覚えるのは、そういう理由だったのか・・とも。
2007年03月01日
06:03
Hiro
とても勉強になりました。
2007年03月01日
06:44
ごれ
子供の頃「ねずみ男はなんてうっとうしいやつだ。いなくなればいいのに」と思っていました。

この年になるとねずみ男に共感を覚えます。
2007年03月01日
12:00
TODO
>正義なんてバカバカしい。
水木さんの戦争体験が大きいのでしょうか。

貸本屋はエロ・暴力系が主流だったせいもあって親世代には不評だった。「影」とか借りられなかった。
2007年03月01日
12:04
godzi2
ねずみ男は貸本時代から登場しています。
当時のものはキャラが未分化で、ねずみも鬼太郎もあんまり違いはない感じ。
2007年03月01日
12:31
TOSHI
戦争体験が大きいんじゃないかな。戦地に駆り出されて、片手を失うも、生きて帰ってきた。極限状態の中で人間の二面性をいやっていうほど見てきたから。ジキル博士とハイド氏、だれの中にもあるでしょう。
2007年03月01日
14:26
安斎利洋
ねずみ男は、嫌いだけどかすかに自分の匂いがしますね。

>貸本屋はエロ・暴力系が主流だったせいもあって親世代には不評だった。

>ねずみも鬼太郎もあんまり違いはない感じ。

そうなんだ。貴重ですね、なんていうか、じじい集まれば文殊の知恵。

>ジキル博士とハイド氏、

彼の戦争体験の話は、なんか不思議なくらい素朴で、二項対立みたいな話じゃないんだよな。森の人であるパプアニューギニアの現地人に(ノアノアみたいに)溶け込んで、見張りに立つと双眼鏡でオウムを観察しちゃって。
人間にはジキル博士とハイド氏が住んでいるというふうに考えるけれど、森の人にとって、鬼太郎とねずみ男を分離するのは擬態みたいなもんかもしれない。

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