安斎利洋の日記全体に公開

2005年08月19日
16:39
 18年前の仕事に出会う
加藤周一が「かたち」を軸に日本美術を語った「日本その心とかたち」がDVDになった。1987年にNHKで放映されたシリーズだ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009E0P7U/250-3008268-0825802

第9集「東京・変わりゆく都市」で、東京の形が全体的な計画なしに出来上がったことを映像化したい、という話が当時僕のところに転がり込んできた。

全体的なプランをもたず、ボトムアップに生成される形は、自然界には無数にある。あちこちを見回し、陶器の貫乳(表面のひび割れ)が東京の地図にそっくりだ、ということに気づき、その生成プロセスをシミュレートするCGを作った。

高価なプロ用の録画機材がなかったので、NHKのスタジオにPCをもちこみ、映像を収録し、萩焼の茶碗と比べながら数十秒間話をした。

今日、出来上がったDVDが届いて、恐る恐る再生してみた。18年前の自分の顔と声に出会うのは、非常に恥ずかしいし、ひび割れのCGも、当時どこをごまかしたか、なんてことばかり思い出して、やはり恥ずかしい。

しかし、古くならないテーマについて、古くならない仕事を残こすというのはこういうことなのだな、という感銘も深い。

20年後の自分に感銘を残せる仕事を、ひとつでも多く残したいものだと思う。
 

コメント    

2005年08月19日
16:41
安斎利洋
DVDからコマ落としする簡単な方法、誰か教えて!
2005年08月19日
16:57
H.耕馬
知的財産権の問題がありますが、
技術的には簡単。
2005年08月19日
17:03
安斎利洋
人類の知識に財産権などない、
なんて話はともかく、やりかたメールして!
2005年08月19日
17:05
H.耕馬
したした。

オダチンおくれヽ(^.^)丿
2005年08月19日
17:25
H.耕馬
ちなみに、mpeg2の動画ファイルから静止画を切り出すソフトですが、多分Freeのものもあると思います。

耕馬が使っているプレミアは高い方じゃなくて機能限定の安い方Premiere Elements。アニメーション作るときに、静止画←→動画の変換を行うのはこっちで十分。

別に、エロ動画を編集しているわけではごじゃりませぬ。
2005年08月19日
17:55
地球全体もともとただですね。
このパターンは記憶のスミに残ってますが。何か雑誌で見たのかな?
いいCG、イラストだと思います。
2005年08月19日
18:08
安斎利洋
>地球全体もともとただですね。

まったくです。地球全体、ただ(無料)でなかったものなんてどこにもありません。アダルトDVDにもプロテクトがかかってるらしいですが、ただの裸をただ撮ってるだけだろ、と思います。

>このパターンは記憶のスミに残ってますが。何か雑誌で見たのかな?
>いいCG、イラストだと思います。

ありがとうございます。日経CGとか日経デザインとか、何誌かに出した記憶がります。あと、「日本その心とかたち」のムック。これは、スキャンしてHPにあります。

東京・フラクタル空間 NHK永田浩三
http://www.renga.com/anzai/nhk/index.htm

著作権踏んでますね、きっと。
2005年08月19日
18:58
中村理恵子
>安い方Premiere Elements。

もってるもってる。春の何かのイベントで当たったのさ(笑)。はー今年前半のお祭りが終了したんで、秋にむかって
こもって遊ぶ課題のひとつにしようっと。
心、躍る。
2005年08月19日
19:10
H.耕馬
> こもって遊ぶ課題のひとつにしようっと。
心、躍る。

それ使って、ネンドアニメーション作りなさい。(キッパリ)
手を動かすのはボケ防止に良いってよ >な.
2005年08月19日
22:06
miyako/玉簾
東京・フラクタル空間 NHK永田浩三
http://www.renga.com/anzai/nhk/index.htm

ここの三枚目のテクスト画像の中の安斎さんの事ばは、もうすでに「星座作用」ですね。
2005年08月19日
22:12
Sony のvaioに入ってたおまけソフトでも、動画から切り出しできたはずですし、あと、DVDでもできるかどうかは不明ですけど、ハンディカム(これも商標?)で、テープに録画してあるビデオ動画を流しながら、その映像をカメラで静止画として撮ることができたはずです。
2005年08月19日
22:56
乱数表も示されているのは数字だし、ランダムに見える都市づくりも、一つ一つのパートに分けて見れば、少なくともそこに生活する人間の必然が加味されていて、これはCGの裏で働く見えない規則性と同じなのでしょうか。

>もうすでに「星座作用」ですね。
まさに同じことを考えていました。
現在の安斎さんたちの活動も、ランダムな偶然ではなく、必然なのでしょうか。
必然を、ランダムな方法で理解しようとするところも、面白いです。
※素人の感想です。
2005年08月19日
23:24
H.耕馬
数学で扱う自己相似形を作る関数群、「ヒルベルト曲線」や「フラクタル関数」も純粋な相似形だと美しくない。
乱数的なゆらぎを加えると、生成結果が自然の造形物に近くなり美しくなる。(ように人間には感じられる。)

安斎さんの思考が、その昔、セルオートマトンから派生してたのを、今思い出しました。
2005年08月20日
00:01
machiko
わあ、懐しい。
この話をNHKに相談されて安斎さんに持ち込んだのは私です。
オフィスがNHKに近かったせいか、何かとよく呼び出されてました。

あの頃は、パソコンでCGを作るというのと、放送向けの動画は、世界が別だったんですよね。
2005年08月20日
00:17
安斎利洋
NHKの永田さんのテキストにも書かれていますが、渋谷の喫茶店でフラクタルの話をしましたね。

>あの頃は、パソコンでCGを作るというのと、放送向けの動画は、世界が別だったんですよね。

そうなんですよ。NHKの担当に「これからCGを出力するハードウェアをもっていく」と連絡して、送出局のロビーで待っていたら、職員数人が大きな台車を引っ張って迎えにきました。ハードって、アストロデザインのボード1枚だった。

彼らは、百Kg級の筐体を思い描いていたみたい。しかも、アンチエイリアスのかかった動画が、リアルタイムで、放送品質の信号で出てくるのは魔法のようだ、とびっくりしていました。

この20年で、放送局品質がどんどん身近になったもんですね。
2005年08月20日
00:29
安斎利洋
>必然を、ランダムな方法で理解しようとするところも、面白いです。

その当時、フラクタルというと再帰的なプログラムがトップダウンで生成するものだと思われていて、セルオートマトンのような全体を知らないシステムが、ボトムアップで、結果的に再帰的な形を作るようなことは、あんまり言及する人がいませんでした。

CGの世界も、河口さんをはじめとして、みんな分岐モデルでフラクタルしてました。乱数を使わなくても、ケオティックで、しかも再帰的な自己相似性ができてしまうシステムに僕は興味があった。いまなら、人工生命とか複雑系とか言えますが、当時はそんな言葉は発明されていませんでした。
2005年08月20日
00:30
安斎利洋
>あと、DVDでもできるかどうかは不明ですけど

DVDにかかっているプロテクトが、ネックみたいですよ。
2005年08月20日
00:53
osamu
懐かしい〜〜〜♪
2005年08月20日
02:01
machiko
>あと、DVDでもできるかどうかは不明ですけど

私の場合、最近は、DVDをパソコンで再生し、動画キャプチャーと画面キャプチャーができてカーソルも画面から消せるソフトを使って、静止画をキャプチャしています。手軽。
ウェブ上に載せる程度なら、これで十分です。

使ってるソフトは(私はMACなので)Apple推奨のシェアウェアです。フリーウェアもあるんですが、やはり機能が不十分でした。
2005年08月20日
02:11
machiko
>いまなら、人工生命とか複雑系とか言えますが、当時はそんな言葉は発明されていませんでした。

人工生命の第一回会議が87年ですからね。
まだ日本にはそういう話は伝わってきてなかった。
2005年08月20日
09:17
H.耕馬
>リアルタイムで、放送品質の信号で出てくるのは魔法のようだ

現在なら、編集機そのものがデジタルだから、データ形式を合わせてコピーすれば良いダケ。(と、遠い所を見る目)

ただし、ハイビジョンだけでも10個以上データ形式があって、制作現場では、制作時間よりもデータ変換の方が時間のかかる、なんてオバカな状態も生まれている。

果たしてコレは、進歩なのかい?
2005年08月20日
10:15
H.耕馬
>いまなら、人工生命とか複雑系とか言えますが、当時はそんな言葉は発明されていませんでした。

こういう流れだと、カールシムズ?
2005年08月20日
11:22
?東京・フラクタル空間というテキスト読んでたら、突然個人的な別の関心に沈み込んでしまいました。ここにでてくる東京市の設計をしようとしたおじさん、たぶん私の大伯父だとおもう。私がうまれたときはもうとっくに亡くなってたんだけど。
ここで「会う」とは思わなかったー。
2005年08月20日
11:36
中村理恵子
>ここにでてくる東京市の設計をしようとしたおじさん、たぶん私の大伯父だとおもう。

うっそー!Mixiってのは、なんかすごいお盆;メディア(笑)になってきた。
2005年08月20日
12:16
H.耕馬
> すごいお盆;メディア(笑)になってきた。

時間と場所と人が共鳴しあうと、思わぬ出会いがある、という事じゃないの。

それで思い出した「ものプロジェクト」について書いてみました。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=32812251&owner_id=107483
御用とお急ぎで無い方は、、、って宣伝かい!(^_^;
2005年08月20日
12:28
複雑系は、使う人の背景や、シチュエーションによって意味が多様化しすぎている気がしていて、その言葉が一人歩きしているようです。
私は、CGを扱う人がこの言葉を分類ないし整理するべきなのではないかと思っています。
ちょっと、押し付け気味ですが。。

ある遺伝子がダメになったとき、それに影響を受ける複数の遺伝子の発現プロファイリングをまとめ、それによってもたらされる結果を予想するのも、複雑系なのでしょうか。
あっ、いけねえ。また、一つの複雑系を提案しちゃいました。
2005年08月20日
12:59
安斎利洋
>カールシムズ

カールシムズも、トップダウンでCGしています。JCGLでもやってましたが、中点分割で複雑な山肌を作るやりかた、あれだってトップダウンで、複雑さを出すために中点を乱数でずらしているでしょ。

最初に山の外形を描くんじゃなくて、石や砂の集積で山が出来上がるというCGは、ほとんどなかった。

人や動物の動きを、モーションキャプチャじゃなくて、関節のモデルで作る、というのはボトムアップで、複雑系やカオスの意識に近いと思う。

けっこうCGって、やり残してることがたくさんあると思う。
2005年08月20日
13:01
安斎利洋
>ここにでてくる東京市の設計をしようとしたおじさん、たぶん私の大伯父だとおもう。

へぇ、この池田宏、って人ですか? すごいな。
2005年08月20日
13:04
安斎利洋
>ある遺伝子がダメになったとき、それに影響を受ける
>複数の遺伝子の発現プロファイリングをまとめ、
>それによってもたらされる結果を予想

yfujitaさんに質問、遺伝的アルゴリズムで、遺伝子そのものの研究している人っているんでしょうか。
2005年08月20日
13:08
H.耕馬
>人や動物の動きを、モーションキャプチャじゃなくて、関節のモデルで作る、というのはボトムアップで、

コレは、フォワーディング・キネマティックスでCGよりもむしろロボティックスの人達がとるアプローチでしょう。
CGの人達は、いい加減(結果オーライ)が好きだから、主にインバース・キネマティックスがお好み。

今、アニメーションの研究をしていて、日本のアニメに見られる「キメ・止め・溜め」を探して行くと、ポージングの話に寄り道させられる。
で、「良いポーズとは」でgoogleしたりすると、アニメーションなんてあまり引っかからない。針に引っかかってくるにはロボット工学の文献ばかり。

そっかぁ、2DアニメはCGピープルよりも、ロボット職人に作らせるといいんだぁね。
2005年08月20日
13:12
H.耕馬
>ある遺伝子がダメになったとき、それに影響を受ける複数の遺伝子の発現プロファイリングをまとめ、それによってもたらされる結果を予想するのも、複雑系なのでしょうか。

何か遺伝子という言葉を伏字にして文面だけ見てると、医学の研究者というよりは、ディトレーダーとか経済学者とかサーチャーとか、そういったお仕事の説明に見えます。面白い。

2005年08月20日
13:16
安斎利洋
>CGの人達は、いい加減(結果オーライ)が好きだから、主にインバース・キネマティックスがお好み。

ほかのところの話にリンクするけれど、CGは本当は哲学っていうか世界観という気概から出発してるけれど、あるところからただの見世物技術になっちゃったような気がするな。それっぽけりゃいい、みたいな。

視覚世界を計算で再現できる、っていう驚きが、だんだんなくなっちゃったよね。
2005年08月20日
13:31
H.耕馬
>あるところからただの見世物技術になっちゃったような気がするな。それっぽけりゃいい、みたいな。

なめっく流に言えば、
大丈夫、大丈夫。これからこれから。

今年のシーグラフのElectronic Theater見てると、ある種の行き詰まりをヒシヒシと感じます。
1度トコトン、行き詰ったり、ぶっ壊れたりした方が、次に清々しく良い物が生まれるでしょ。
これ自明、、、、っていうか、
これも遺伝的なアルゴリズムのなせる業?
2005年08月20日
13:40
H.耕馬
>視覚世界を計算で再現できる、っていう驚きが、だんだんなくなっちゃったよね。

この原因は分かっていて、CGピープルの人々の発想力よりも現実世界のCPUやGPUの発達スピードの方が上回っているからだと言ってもいい過ぎでは無いと思います。つまり、人間の脳みそよりも道具の方がエラクなってしまっている。

たとえばモンテカルロ法なんて、ものすごい力技でCPUパワーが存分に無いと使い物にならない。だけど、仕組みは単純そのものだから、ワーっと作っちまうのには向いている。

職人が苦労して工夫して、「どうやって1インストラクション削ろうか」なんていう話はついぞ聞かない。つまり、煉られないまま製品が出てきてしまう。
2005年08月20日
13:41
安斎利洋
日経バイトの創刊号って、特集がコンピュータ・グラフィックスだったんですよ。あの当時のCGの論文って、どうやってそれっぽく見せるかじゃなくて、自然の形ってどうしてできているのか、っていうのが本当のテーマだったような気がする。

もういっかいあそこに戻って、別のスレッドを自分で作ればいいんだよね、有り余るCPUパワーを使って。

っていうか、もったいないからこのスレッドも、別に立てよう。
2005年08月20日
13:47
>遺伝的アルゴリズムで、遺伝子そのものの研究している人っているんでしょうか。
私が思いつくのは、冨田勝先生くらいでしょうか。
http://act.jst.go.jp/content/h10/life_sci/L03/PageMain.html
遺伝子の未知の機能を見るためには、現場で繰り広げられている実験科学を繰り返すしか無いのだろうと思っていますが、此れを発展させていくと、医者が要らなくなるのでちょっと複雑。。
2005年08月20日
13:48
H.耕馬
> 日経バイトの創刊号って、

日経鮪蛭出版。

つい昔のクセで(^_^;
2005年08月20日
13:51
H.耕馬
>遺伝子の未知の機能を見るためには、現場で繰り広げられている実験科学を繰り返すしか無いのだろうと思っていますが、

そうすると、Dr.マッコイが機械をかざすだけで、病名が分かったり、直せてしまったりする。。。。

すいません、つい昔のクセで(^_^;
2005年08月20日
13:57
病名や治療だけでなく、予後も分かる。
もっと言ってしまえば、生まれた時から死までのプログラムが全部分かってしまい、その運命をどうにか変えようとする目的で、どの遺伝子に細工すれば良いのかなどをシュミレーションするための新しいプログラムが作られるようになって、、
2005年08月20日
14:08
H.耕馬
> どの遺伝子に細工すれば良いのかなどをシュミレーションするための新しいプログラムが作られるようになって、、

これがうまく行ったら、医者が要らなくなるだけでは無くて、ヘタすると不老不死の西方浄土ですね。
良い意味でも、面白く無くなるといった悪い意味でも。

でも、人間そのものも複雑系なので、映画MATRIXじゃ無いですが、どこかを繕うと、別の場所でBugが出て、それこそ大変な事態になる恐れもありますね。
2005年08月20日
14:11
H.耕馬
>もったいないからこのスレッドも、別に立てよう。

「アイバン・サザーランドが提起したCGに残された課題」
とか?
2005年08月20日
14:50
安斎利洋
>生まれた時から死までのプログラムが全部分かってしまい

ガタカだ。
2005年08月20日
23:41
安斎利洋
細胞シミュレーション、面白いですね。これ、可視化の研究はないんですか?
2005年08月20日
23:59
可視化の研究?
生きた細胞内で起きている分子の化学反応をCGで示すということを指してますか?
そうであるなら、その研究は行われていないと思います。

しかしながら、X線解析されていない、特定の分子の構造をCGで予想し,それに似ているコンパウンドを何種類も作製して、実際に、新薬として開発される試みは今や新薬開発の中心的な方法です。
2005年08月21日
00:20
安斎利洋
>X線解析されていない、特定の分子の構造をCGで予想し...

細胞シミュレータっていうのは、こういうレベルの話ではなくて、もっと統計的というか量的なシミュレーションですよね。
いつか、細胞内の全部の分子の挙動をシミュレーションするような時代が来るのだろうか。

可視化は、そこまでいったときでないと、面白くないですね。ただのプレゼンになっちゃう。

fujitaさんのやっている、染色体がわかれるときの物理シミュレーションをCGにするとか、そういうのは?

昔NHKスペシャルの「生命」でCGがたくさん使われて、ここにいる人たちの知り合いが作っていたんですが、あれはみんな説明のためのイラストにすぎなかった。
2005年08月21日
01:15
>細胞シミュレータっていうのは、こういうレベルの話ではなくて、もっと統計的というか量的なシミュレーションですよね。
そうです。もっと包括的というか。

>ただのプレゼンになっちゃう。
既知のデータを上手にまとめても、それは、他人のフンドシで相撲を取るとも言えましょうか。

私のしている仕事に関係については、一つの細胞で、2,3種類の分子を可視化(励起光を当てることで特定の波長光を発するシステム)して、24時間くらいは生きている細胞を顕微鏡下で追跡することができるので、論文では,そのムービーや静止画像などが用いられています。
生きている細胞で、染色体を可視化したい時には、染色体にくっついているタンパク質(クロマチンタンパク質のことで、ヒストンなどが含まれます。)
それ以上の数になると、複数の特異的な波長を検出できない理由などで現時点では困難な方法です。

>NHKスペシャルの「生命」
これは私も少し見ましたが、安斎さんの言われる通りのイメージでしたね。
見て思ったことは、かなり省いていた幾つもの現象や説明が、どれだけ未知であるのかを示す教材になり得るのではないかということでした。
そこまで行くと、テレビ番組の範疇を超えるわけですが,今後の生命科学を志す人達を刺激するツールになる可能性を感じました。

すみません。ちょっと長くなりました。
2005年08月21日
01:20
gilli
ボトムアップのCGはずっと私もつくりたいと思っていて、学環はそれで受けたのだけど、結局いた3年のうちに私のやりたいところまでは到達できませんでした。
2005年08月21日
01:29
>遺伝的アルゴリズムで、遺伝子そのものの研究している人っているんでしょうか。

もうひとつ書き忘れてました。
生命科学で用いられている、遺伝子もしくはタンパク質アルゴリズム研究は、複数の配列類似性をどのように計算するのかといった計算手法に向けられています。
これは、配列アライメントに基づいた、機能的、構造的な進化を予想して、実際にその結果を実験科学に持ち込むことで利用価値があります。
2005年08月21日
03:17
安斎利洋
>複数の配列類似性

ちゃんとわかってないのになんですが、僕が興味があるのは、生きた細胞の実験を飛び越して、計算機上で変異や淘汰や進化の試行錯誤ができるのだろうか、ということです。
2005年08月21日
06:50
machiko
ちょっと話題が戻ってしまうけど、

>それっぽけりゃいい、みたいな。

あんまり悲観的になることもないのでは?
SIGGRAPHでは論文発表をけっこう聞きにいきますが、CPUの高速化とメモリの大容量化、バスの高速化などは、シミュレーションの本格化にも貢献してます。

特に力学アニメーションがすごいですね。流体とか物体の衝突とか、5,6年前だったら考えられなかったような計算をしてる。

去年か一昨年か、ILMとスタンフォード大学の共同研究で、氷が入っているグラスに水を注いだときの状態の変化が超リアルに出来てました。もちろん、ある程度はシミュレーションのモデルを簡略化しているかもしれないけど。

去年は、爆発や炎や煙の表現のセッションに行ったら、「それらしいものを手早く計算」するアルゴリズムの発表と、あくまでシミュレーションで「炎のできかたをどうプログラムで記述するか」がテーマの発表とに二極化していて、両者の間にはほとんど共通点がなくて、笑っちゃいました。

植物モデリングでは、外形の模倣じゃなく生長や開花などのプロセスをシミュレートするのが、すでに主流になってますね。今年は、花が咲いたあとに枯れて落ちるプロセスをシミュレートした論文が出てたような記憶がある。こうなってくると、問題は、植物学のほうでどこまで分かっているか、というレベルに来ていると思います。

でも、衝撃的な、新しいアプローチというのは、このところ出ていない気がします。
2005年08月21日
08:46
中村理恵子
>衝撃的な、新しいアプローチ
これは、「攪拌」と読み替えると、もっとも燃える一文ですね。
わたしたちって、このために生きてるよーな。
2005年08月21日
10:38
>計算機上で変異や淘汰や進化の試行錯誤ができるのだろうか
うむ。面白そうです。
未来の人間が予想(計算)されて,現代人の進化の程度が明らかになる時、現代人が◯◯原人を見るときのように、現代人は未来人から見れば、明らかに進化的に劣るのかも知れない。
結局これも自己否定に繋がりかねない、ちょっと複雑なお話。。

>問題は、植物学のほうでどこまで分かっているか、というレベルに来ていると思います。
machikoさま。
私が口を挟む内容ではありませんが。。

開花を促す遺伝子がごく最近発表されていました。
ヒトにその遺伝子があるかどうかも知らないので、だから何だ?と聞かれても答えられないのですが。。
植物研究と植物モデリングの問題は、当人同士がまず話し合って問題を整理して、世に問うべきでしょうね。
そうすれば、驚くべき進展を遂げうる分野なのではないかと思います。
※これも素人意見です。
2005年08月21日
14:47
安斎利洋
未来人に会ってみたいですね。

彼らは、より高次元のパズルが解けたり、より複雑な構文を話したり、より多くの多声音楽を聴いたり、僕らの見えない形を見たり、感情を声色のように使い分けたり、好きなときに狂ったり、色彩を音楽のように構造化したりするんだろうか。

未来人と、連画がしたい。

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