安斎利洋の日記全体に公開

2006年12月13日
15:32
 Winny判決
「Winny開発者に有罪判決--150万円の罰金命令」

Winnyの開発者が違法であるという判決は、間違いではないと思う。なぜなら、Winnyは著作権法そのものへの疑問符だからだ。規則の根本を変えようとする行動は、ときに違反状態になるし、なるべきときもある。汚れ役を引き受けてしまった尖兵に対する声援を、膨らませたい。
僕ら開発者が考えるべきなのは、むしろびびらないための思想を鍛えること。作るべきだと思うものを、作ることだ。
 

コメント    

2006年12月13日
16:20
中村理恵子
[・・]
2006年12月13日
17:31
WAKU
アレだけ世間を騒がせて150万で済むなら安いもんですね。
経済的損出はお金で計算できそうにないですし...
ところでその罰金は何に使うんですかね?(笑)
2006年12月13日
17:34
satoカエル子
金子さん自身に著作権そのものがなんたるものかを再考してもらう必要はあると思います。
ただ、話は結構深いので、断片的な報道もちょっと誤解を生みそうな…。
この件をしっかり理解したうえで、報道を聞いてる人は少数だと思うから。

佐々木さんのとこで軽薄にも控訴は当然とか書いてしまったのですが、まあ、理恵子殿の思慮深き[・・] が妥当な反応なのかなあ。

ここは当事者(裁判のではなくてWinnyに影響を受けるという意味で)が多いので、報道のあり方も含め、議論が膨らみそうですね。
2006年12月13日
18:57
安斎利洋
当然控訴して戦うべきですよ。
winnyは迷惑な悪玉だ、という世論が意図的に作られてしまって、それへの落とし前のような判決だと思う。
優れた道具や、新しいモデルは必ず反社会的で、そういうところへ突っ込んでいく人間は、たとえ有罪になってもたたえるという風潮を作らなくちゃ。そういう意味でA社は偉い。
2006年12月13日
19:44
たんぎー
 今回の判決は「意図」と「影響力」を中心に裁いたという点で危険です。

 日本の司法も「ネット空間にはリアル空間とは違うルールが適用されるべきだ」というところまでは理解している。

 でも、むしろリアルと同じ秩序を無理やり作ろうとしているように見えて不愉快です。もちろん控訴審でひっくり返ることを期待します。
2006年12月13日
23:01
びすけっと
でもすでにWinnyの後継の後継が出てきてるんですよね.
後継のほうはかなり普及してて,自衛隊の流出なんかで
ニュースに名前が出るようになりました.警察も目をつけ
ているのか,開発はストップしているみたいです.
後継の後継は,今度はニュースに出しにくいような名前に
してます.

僕はWinnyは優れた技術だとは思いません.開発体制も
無責任です.法に触れないソフトを作っているつもりだっ
たら,ちゃんと作者を名乗るべきでした.もちろん,自分が
開発できなくなったときのためにソースも公開すべきでした.
Winnyがオープンソースで開発されていたら,情報流出事件
も被害を最小に食い止められたでしょう.

ちなみに,ちゃんとした素性の人たちがP2Pの匿名ネット
ワークを作っていますが,そっちは速度が遅いので
普及してませんねぇ.
http://ja.wikipedia.org/wiki/Freenet

金子さんのような才能のある人はこれの高速化をやれば
よかったと思います.
2006年12月13日
23:14
うさだ♪うさこ
世の中のすべての人が、すべてのことをちゃんと理解してくれているわけではないのですよね。むかし、企業の顧客対応窓口をしていたときには、会社が関わっている裁判 (しかも、原告側はその会社) の話がニュースにちょっと出ただけで翌日「また不祥事を起こしたのですか」という電話がかかってきたりしました。
世の中では、すでに Winny がウイルスそのものだとおもっている人もいるだろうし、Winny の作者は犯罪者だと思っている人もいることだろうと思います。
著作権法に対する挑戦の善し悪しは別として、まったく関係のないところでヘンな色のついたイメージが流布されたことは、ご本人にはすごいダメージだと思うので、いつかご本人から逆襲してもいいんじゃないかな。
2006年12月13日
23:16
びすけっと
もうひとつ.「ワイセツ」の定義を国際化して,国内の
正規のルートでモザイクなしのポルノが流通できるように
するべきです.これで匿名ネットワークを作るモチベー
ションがかなり下がると思います.
任天堂はゲームの違法コピーの撲滅と同時に,Wiiで
古いゲームが動くようにしてますよね.
2006年12月13日
23:36
びすけっと
でも金子さんは犯罪者以前に,悪い人だと思いますよ.
東大生が論文ばっかりかいてないでプログラムも書ける
ようにってことで,それを教えるために助手に採用された
わけですよ.学生にプログラムを教えるってことは,単
に技術を教えるだけじゃなくて,プログラムが社会にど
ういう影響を及ぼすのか,書いたあとどんな責任をとら
なきゃならないのか,そういったことも教えなきゃなら
ないでしょ.いくら本人が犯罪を助けるためにやったわ
けじゃないと言ってたって,現にそういう使われ方をし
ていたわけだから,作者本人がなにか対策をすべきだった
でしょう.東大生は馬鹿じゃないから,彼を見習う人は
いないと思うけれど,彼には二度と教育者にはならない
で欲しい.
2006年12月14日
00:05
にしの
>Winnyが違法であるという判決は

いえ、winnyと技術は悪くないけど、作者が悪いヤツだ、という判決です。
でも他の方も書いているように、システム自体が悪いと業界筋の人ですら思ってしまうのが問題です。

また、今回はたしかに確信犯的にやっている点があって、悪意があって配布していたといえる割合が高いですが、その意図がどのくらいまでならいいのかは判断つきません。
私ごときが作っているものでも、軍事応用もできちゃうし、大昔に造ったものが現実に最近問題になっていたり他人事ではないです。世に害さないようにしたいとは思うのですが、自信はあまりありません。
という意味で、こういう判決が出るとヘコみます。

たとえば、ごく普通の自動車を作っていると、銀行強盗や誘拐に使われるかも知れないことは誰でも分かっているわけで「それ」を積極的に回避する方法を入れないといけない、と言われると作るのをやめる以外にない気がするのです。
2006年12月14日
00:16
うさだ♪うさこ
Winny だけじゃないかもしれませんが、この前後からものを作るときに、それによるリスクを考えておかないことがすでに「悪」だということになりつつありました。
だとしたら、インターネット考えた人なんて、、、
2006年12月14日
00:22
安斎利洋
著作権侵害を助長させようという意図を金子さんがもっていた時点で、金子さんは著作権を壊そうとしたテロリストであって、それは違法かもしれないけれど、そのテロ行為に僕は賛辞を送りたいんです。

だって、著作権違反の消費活動を計算に入れてビデオデッキが作られ、DVD−Rが作られ、違法なリッピングも確率的な計算としてipodが普及してるんじゃないですか。そんな欺瞞にくらべたら、彼はずっと子どもじみた素直さがあるじゃない。後ろめたさなしに、著作権法の遵守を言えるやつが、いったい何人いるんだ。

>だとしたら、インターネット考えた人なんて、、、

そうそう、あらかじめ無責任でない技術なんてないでしょう。自動車はどうなるんだ。原発はどうなるんだ。あとから責任を考えるんですみんな。
2006年12月14日
00:26
安斎利洋
>「ワイセツ」の定義を国際化して

冗談としては面白いね。
人間の本能の中には「わいせつ」の基準はなくて、人間が線を引いたところが「わいせつ」になるんです。だから、たまたま文化的に現在引かれた場所がわいせつになる。
なんとか委員会の決めた「秘所」に、興奮できますか?
2006年12月14日
00:51
安斎利洋
>いえ、winnyと技術は悪くないけど、作者が悪いヤツだ、という判決です。

正確を期して、表現をなおしました。
2006年12月14日
01:16
WAKU
winnyは「悪」でしょう?
あれは単なる著作権侵害幇助ではなくて、匿名性を高め、責任の所在を不明確にするソフトですよ。車というよりナンバープレートに特殊なフイルムをはったり、斜めにして警察に捕まりにくくした車ですよ。同列に扱わないでほしい。
2006年12月14日
01:22
安斎利洋
>匿名性を高め、責任の所在を不明確にするソフトですよ。

メールサーバーと同じですね。
2006年12月14日
01:24
にしの
少なくとも判決は「悪」とは言い切っていません。
http://www.asahi.com/national/update/1213/OSK200612130057.html

匿名性を高める機能自体は「著作権の侵害をするため」だけに作られるものでは無いので、全く同じような機能を別の人が作り、別の目的で流布していたらしばらくは誰もそれが悪い物だと気が付かないと思います。

不在者投票の2重封筒のように、責任の所在を明らかにしないようにするニーズは常にあるわけです。
警察に捕まりにくくするために使ったのは、良く言われているように、悪意のあるユーザです。

まぁ、今回は作る側にも少なからぬ悪意が感じられるのは確かなので、ある意味厄介なのですけれども。。
2006年12月14日
01:38
安斎利洋
金子さんには、甘さといたずら心があったとは思うけれど、あまたのインターネットアプリのいいかげんな始まり方から考えると、彼は、まずみんなwinnyの利便性から手放せなくなり、そのあとでしだいにモラルがついてくると予測していたんじゃないかな。YouTubeだって、そういう筋書きでしょ。たまたまマイナス面の波紋のほうが、プラスの波紋を追い越しちゃったってだけの話。
もしmixiが、人間関係を破壊して自殺者が出た、みたいなマイナス面から世間に認知されたら、やはり叩かれたでしょう。なんでホリエモンや村上ファンドは失敗して、mixiや武富士は生き延びるのかというと、マイナス面が露呈する前に大きくなったかどうかだけじゃないのかな。
2006年12月14日
01:50
にしの
>プラスの波紋を追い越しちゃった

winnyも某警察署のデータ流出が無ければまだまだ大丈夫だったんじゃないかと思えるのが、なんというか、怖いです。
2006年12月14日
08:32
中村理恵子
>まあ、理恵子殿の思慮深き[・・] が妥当な反応なのかなあ。

うわっ大槻さん、ご無沙汰!
ひさびさ、こんなところで再会、うれぴー!
(って、人の軒先で、大変失礼します>安斎さん、みなさま)


ともあれ、わたしはWinny開発者は、善人、お人よしだと思うんですよね。
これの設計思想や、先進性、想定した使い方を裏切る愚か者たちがすっと使いこなせる敷居の低さ
使い勝手のよさまでを提供。
まるで、ひとなどに興味のない、天才的で気難しい型屋のおやじのようじゃないですか。かつて日本の産業を支えた精巧な伝説的な型をつくった少数の人々。

このおやじに頼まないと、製品の心臓部分がどうしてもできない。 しかし、この型さえできちゃえば、製品はどんどん機械的に量産体制。
愚か者たちってのは、心がないからこのラインに並ぶのだけはできるでしょ。

気難しい型やは、しかし、わたしの知る限りしっかりした発注者いないと仕事はやらない。
でも、彼は、発注者もいないのに、自主的にWinnyをつくった。

この自主性を受けとめる社会の”質”自体が、今、問われてるんだと思います。

(さらにいいたいことが頭に渦巻きますが、言葉を整理してまた。)
2006年12月14日
08:45
WAKU
少なくともメールサーバや不在者投票には安全策やモラルが存在しますよね。それは偶々そうなったのではなくシステムを作った人たちの良心に支えられているのでは?
技術要素が中立でもソフト全体としてみたら人の性が出てしまっている。それは中立とは呼べないでしょう?(判決ではそう言ってるけど)

インモラルを容認してるアプリはいっぱいあるけど危険度が違うからなぁ。危ないものを作っているという自覚が金子さんにもっとあれば、こうは成らなかっただろうと思うと複雑ですね。(周りは煽る奴ばっかりだったんだろうな。)

>Winny開発者は、善人、お人よし
会った印象はまったくその通りでした。
2006年12月14日
08:47
中村理恵子
>かつて日本の産業を支えた精巧な伝説的な型をつくった少数の人々。

余談ですが、この型屋のおやじというのは、実際のモデルがいます。
残念なことに亡くなってしまいましたが、戦前戦後を生き抜いた優秀な人でした。
彼は、戦争中、あきらかに自分が担う型が、軍需や、ある特定の武器を作動させるという全体像を正確に認識して、
仕事を断ったそうです。

しかしそれは即「食えない。」という状況に陥る。幼い2人の娘と妻を抱えて、それでも断った。
どうしたか?というと、家族も信じられなかったいいますすが、なんと食べ物やに転じてその時期を過ごしたというのです。

そして平和な時代になって、また天命、自分の好きな型の仕事を、今度は自力で大きな企業に乗り込んで開拓。
彼しか作れない製品の肝;精巧な型を唯一作れる人して、スポンサーを得て人生を全うします。

この姿を身近にみて、今回のWinnyの開発者のことも考えています。

もし、彼に疑問をもつとすれば、彼の日常の生活のセンスや人とのつながり、コミュニケーション能力とかいう言葉、大嫌いですが
しかし、人との付き合いはどうだったんでしょうね?

えらく近視眼的な、個人にふみいった論点とはずれてしまう話ではあります。

(ほとんどだいたい言い切りました・笑)
2006年12月14日
10:06
びすけっと
YouTubeは文句を言われたら削除するという逃げ道は用意
していた.後手後手でそれがまともに機能していなかった
かもしれないけれど.
サーバクライアント型でシステムを作るときは,それが
世の中に影響を与えるくらい大きくするには,運営組織も
ちゃんとしなきゃないので,YouTube程度な社会的な側面も
考えなきゃならなかった.
ところがP2Pでシステムを作ると,製作者一人だけで世の
中に影響を与えちゃうこともできる.だから今回のように
詰めが甘いやりかたも出てきちゃう.
ちなみにWinnyが普及したのは,使いやすかったとか性能が
良かったとかじゃなくて,「何をやってもバレなさそう」
という1点だけがその前のシステムWinMXより優れていた
からですよ.
2006年12月14日
11:13
たんぎー
 YouTubeが日本製ならやはり有罪判決が出た可能性があると思います。

 今回の判決は一見Winnyを断罪したのではないように見えるけれど、不問に付したのはP2Pだけ。事実上Winnyは開発者と共に、その意図というか性格を判断されました。司法はソフトを「開発者が技術に性格を与えたもの」だと見なしている。モノを人間のように扱ったということではないでしょうか。
2006年12月14日
12:20
にしの
> びびらないための思想を鍛える

三回くらいすでにびびってしまったことがあります。
どうしたら鍛えられるか。自分は間違ってない、と思い込むくらいしかないでしょうか。すると結局、被告と同じになっちゃうし…。
どんな論理でも評価する世界が変わればすべて瓦解してしまいます。

今回の判決はよく読めばひじょうに被告にやさしいものです。

が、一般も専門家も「winnyのようなものはダメ」と勘違いしてしまうところが問題です。企業は絶対に萎縮します。
総理府ですら「winnyさえつかわなければ安心だから使用中止しましょう」と言い出すし、一般人はwinnyとwinny経由で広まる悪意あるソフトとウィルスの三つが全く別のものであると理解していません。
winny有罪、という言葉が一度でも出てしまったのでもう取り返しはつかないと思ってます。
(数年前に、三菱自動車が嫌われましたが、問題となったリコール隠ししていたのは三菱ふそうという別会社であったことをどのくらいの人が理解しているでしょうか。リコール隠し自体は多くの自動車会社でやってたし…)

言葉が怖いです。

判決の解釈についてはCnetの佐々木さんの記事が良いです。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20338740,00.htm
2006年12月14日
15:01
安斎利洋
佐々木さんのテキストを読むと、やはり金子さんは世界を変えてやろうという野心があったことは確かで、未踏の空気を共有した仲間だという感じがするな。詰めの甘さも、未踏的だしね。
2006年12月14日
15:40
佐々木俊尚
安斎さんのいうことに僕はすごく納得しているのですが、しかし<法律違反=倫理悪>になってしまっているこの構図を打破するのはとても難しいと思います。
共同幻想のあった1980年代ぐらいまでだったら、その共同幻想の世界から外に出ている者=ボヘミアン、ノマドに対する憧れみたいなものは許容されたと思うのですが、90年代以降の社会の共通認識の崩壊によって、今や共同幻想は消滅し、そうなるとわれわれを結びつける絆はルールしかないんじゃないか、というルール原理主義が台頭してきた。モラルかルールか、ってやつですね。
ルール原理社会の中では、ルールをはみ出すものは憧れの対象ではなく、社会の絆を崩壊させる悪でしかなくなってしまう、というような社会観の変化があるように思っています。
2006年12月14日
16:46
中村理恵子
>モラルかルールか、ってやつですね。

なんだか、かえって社会が単純というのか、幼い。
なぜか、ずいぶん幼稚になってきたなって印象ですね。


2006年12月14日
16:56
安斎利洋
なるほど。昔はカルチャーのマジョリティが強固だったからカウンターカルチャーがあったけれど、無数のサブカルチャーがそれぞれ自分たちの倫理をもち、それが矛盾しあっている、という構造なんでしょうね。
「萌え系」もそうだし、金子さんは金子さんの属するソフトウェア自由原理主義のローカルがある。極端なところではネクロフィリアのローカリティだってある。交通事故で死んだ子どもの写真を集めたサイトを作った教師、あれも彼の属する倫理系の中で普通の男なんでしょうね。そういう不安があるから、真ん中に標準化し、結束しようとする、ということか。
権力は中央にあるわけじゃなくて、サブセット同士の構造の中にあるわけだ。
2006年12月14日
19:51
プログラム素人の立場から意見を書きます。

素人は未知のプログラムに対して期待と同時に若干の恐れを感じます。
このプログラムもしくはソフトで不可逆的なバグが入ってしまうのではないか。
無知から派生する不安です。

今回のお騒がせ事件は、漏れだしだデータが軍事機密であったり、生徒の成績だったり、警察の情報だったり。
その場面や立場によって、漏れ出すデータは千差万別なのでしょうが、著作権の問題から利用者の単純なエラーまで、全てが同一の問題として語られてしまっているのは、この問題の複雑さと同時に私のような素人の理解の限界も意味しています。

私の場合、Winnyによってある日知らない間に自分のコンピューターに入っているデータが盗まれて、論文がでてしまうようなイメージを持っています。
でもこのイメージは誤りで、素人考えそのものなのでしょう。

今回の裁判官がWinnyで情報を得ていたり、検察と弁護団がWinnyでやりあったり、ついつい素人はそんな空想を抱いてしまいます。
2006年12月14日
20:05
WAKU
なんか検察の供述調書より本人が後から言ってる方が凄いように思えるのですが。「コンテンツ作家向けの集金システムこれから作るけど、それまでにあなたたちは一度職を失います。私が作ったソフトはそれを加速しますが、それは時代の流れであって私のせいではありません。」と読めるのは私だけ?(笑)いったい誰のためのシステム?

それはともかく、
ルール原理主義も滅びかけてませんか?
「皆それぞれもっともなことを言う。ルールに照らすと一見どれも正しそうだが、でもそのままでは纏まらない。何らかのメタルールが必要だ。」その「メタルール」をドナルドローゼンバーグは「原則」と呼び、「みんなが言ってることは案外正しい」と表現する人もいる。
たぶん、安斎さんが言ってる「権力は中央にあるわけじゃなくて、サブセット同士の構造の中にある」もその一種のように思います。(だとすれば権力というより権威でしょうけど)

今回の判決は「ルール原理主義」よりそうした「メタ」な視点を感じてるんですが。...まだ戦い始めなのかな?
2006年12月14日
21:49
安斎利洋
yfujiさんのイメージは、yfujiさんらしく感染症を連想させますが、僕は隔離されたPCを一台もっていて、仕事によって使い分けています。PCがネットでつながった時点で、情報は漏洩の可能性をもったわけで、winnyはそれをエンハンスしただけですね。
2006年12月14日
22:12
安斎利洋
佐々木さんのコメントをもう一度味わってみると、深いですね。winnyには技術の問題と文化の問題が重畳していることがわかります。つまりいまの社会の良識は、ボトムアップでできるメタルールではなく、「まずルールありき」を求めている。言い換えると、P2Pの社会じゃなくて、サーバー型の社会を求めている。

mixiが流行るのも、サーバー型であるからじゃないかな。mixiに機能要望を出したときに、多くのmixi市民と自分とのイメージの違いに愕然としたんだけれど、僕はsnsというノードの集合体に可能性を感じているのに対して、多くの人はmixiという城壁に守られたサーバー型の管理機構に安心を感じているんですね。winnyは人にとって可能性と恐れのアンビバレンスを引き起こす。インターネットもそうだし、「日記」という形式もそう。実は連画もそうです。
2006年12月14日
22:56
うさだ♪うさこ
YouTube が、「文句を言われたら削除する」といっているのは、過去のCompuserve と Delphy の、それぞれの裁判における判例に根拠をもっているんじゃないでしょうか。つまり、Delphy はネット上のカキコミを監視していると言ったために、それならなぜ有害カキコミを削除しないんだといわれて敗訴したし、CompuServe はネット上のカキコミは完全に管理できないので、悪いカキコミを知りえた時点でしか対処できないといって勝訴しました。

これは、監視しているなら知りえているはずのものを放置 (悪意) 、という立場と、管理しきれないので知りえない (善意) という点で、判決が分かれたんだと思います。

Winny のおじさんも、うまく立ち回ろうと思えば「善意」をにおわせるように述べればよかったんだと思います (法律上、善意は知らないこと、悪意は知ってること、だってのは大前提です)。
にも関わらず、彼は、法廷で自分が不利になるようなことを当初から言ってるところが、詰めが甘いけど、その分、「いいひと」なんだろうなあ、と私は思うのです。

さて、今回の判決ですが、判決文そのものはまだ公開されてないみたいですけど、なんだか、「ウィニーによって著作権侵害がネット上に蔓延すること自体を積極的に企図したとまでは認められない。」という認定があったらしいじゃないですか。それでも有罪ということは、なにが法に触れたと判断されているのか、興味しんしんです。
2006年12月14日
23:01
安斎利洋
わいせつ物陳列罪は、陳列行為そのものは悪いけれど、あなたの陳列物そのものが驚異的なわけではない、というようなことじゃないでしょうか。

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