安斎利洋の日記
2006年11月01日
19:22
安倍晋三は違憲
憲法には自己言及的な鍵がかかっている。
憲法第99条
天皇又は摂政及び国務大臣,国会議員,裁判官その他の公務員は,この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
憲法を擁護しながら憲法を変えることはできないので、公務員が公務の中でこの鍵を外すには、憲法のフレームの外に出なければならない。
安倍首相は昨日、米CNNテレビと英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、任期中に憲法9条を含めた改憲に強い意欲を示した、とある。
http://
www.as
ahi.co
m/poli
tics/u
pdate/
1101/0
02.htm
l
内閣総理大臣が憲法改正を目指すと明言した時点で、違憲になるのではないだろうか。
コメント
2006年11月01日
19:39
にしの
法律家の意見が違憲かどうかは分かりませんが、日常感覚だとダメだと読めます。
条文をままに解釈すれば、一般国民なら外に出なくても可能ですね。というわけで、
改憲したいときには国民投票で改憲するのは当然としても、その手続き自体も国民がやらねばならないということにもなりそうです。
2006年11月01日
19:48
安斎利洋
憲法の改正の条文は、
[第96条] この憲法の改正は,各議院の総議員の3分の2以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には,特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において,その過半数の賛成を必要とする。 憲法改正については前項の承認を経たときは,天皇は,国民の名で,この憲法と一体を成すものとして,直ちにこれを公布する。
とあります。要するにトップダウンでなく、ボトムアップで変更しなけれなならない、という精神だと読めます。首相が先導するのは、違憲だと思う。
2006年11月01日
19:53
安斎利洋
これ、イデオロギーの問題ではなく数理パズルの問題としての疑問です。
2006年11月01日
23:05
うさだ♪うさこ
うー、そうすると国会議員は公務員であると言いながら、
「国会が,これを発議」ということは、憲法そのものの
矛盾ですね。
2006年11月01日
23:07
うさだ♪うさこ
とはいえ「国会」=「国会議員」ではないからいいのかな?
2006年11月02日
00:23
まえG
うーん。どうなんでしょうね。
「改正する」と「守らない」は違うかも。
憲法の定めに従って憲法を改正するのは、「自分自身のカスタマイズ方法」を定めたプログラムを実行するようなものかも。
実際の国民投票の手続きを具体的に定めた法律が未だないので、そこからやらないと話になりませんけどね。
2006年11月02日
00:28
にしの
上記のニュースでの言明で、「時代にそぐわないから」変更すべきだ、という理由がとてつもなく恐ろしいです。
それを許さない仕組として99条が機能して欲しい。
2006年11月02日
00:41
大和田龍夫
これはしびれます。
法律家にきいてみたい。
って「教えてgoo」とかで訊いてみようと思いました。
2006年11月02日
00:44
うさだ♪うさこ
99条は、憲法を「尊重し、擁護する義務」であるわけですから、その憲法に改憲規定がある以上は、公務員であろうと、その規定にしたがって会見したいと願うことそのものは違憲ではないのではないかと思います。
問題は、「国会が発議」しなければならないときに、内閣総理大臣が「改憲を目指す」というのは、越権行為というか、三権分立上どうなんだろうか、という点だと思いますけど、とりあえず内閣総理大臣も国会議員の一人なので、違憲とまではいえないのでは、、、
私はやっぱし、自民党の改憲要綱を読んで、賛成できる代物なのかどうか、考えたほうがいいと思うのだけど。
2006年11月02日
00:55
安斎利洋
>「改正する」と「守らない」は違うかも。
96条に「この憲法と一体を成すものとして」とありますが、一体となる改正は、つまり走りながら自分をカスタマイズする範囲ということなんでしょう。それはどういう範囲かということですね。現憲法Aが、違憲状態を経由しないで、改正憲法Bに移行することは可能なのか。
>「時代にそぐわないから」
直感的に、内閣総理大臣がこの発言をするのは違憲だと感じます。むしろ、違憲を覚悟で改憲したいと、ごまかさずに本音を吐いて、その上で安倍政権は総選挙に挑むのがスジじゃないか。
2006年11月02日
01:07
大和田龍夫
分からなくなったら歴史に学ぶってことで、
過去の世界の憲法はどうやって改正したのか。
誰か調べて紹介していただけると嬉しい。
2006年11月02日
21:53
安斎利洋
過去のOSはどうやってバージョンアップしたのか、
も調べたいですね。
2006年11月03日
02:07
うさだ♪うさこ
えーと、どこの国の国民にとっても、憲法というのはけっして改正が悪いものだというわけではないです。同時に、あれは国民ではなく公務員を縛るための法律(公法)なので、公務員が「窮屈だ」と思うのも、はっきりいってあたりまえ、と思うわけです。改憲要望が強そうなのが、公務員の「お上」のほうから順に。だったりするのは、そういうことなんじゃないかなあと思います。
、安倍さんなども「日本国憲法は時代にそぐわない」という言い方をせず、「日本国憲法はすばらしい。だからこそ、憲法を愛するものとして、現在の日本国憲法は、見直しをすればもっとすばらしくなるのである」とかいった形で論を展開したとすると、たぶん言ってることはいまと同じだと思うのですが、かれのいうことが憲法を尊重していない、と考える人は減り、思うように憲法改正できたりするのではなかろうか)。
今の印象を私的に素直に言うと、いま、北朝鮮というえがたい隣国を得たタイミングで、安倍さんという人が、何かの勢いに乗るようにして改正をすることに、すごく抵抗を感じます。また、改正後の憲法とはこうなるんであろうということが明確にわかる、憲法改正自民党案。これは非常によくないです。こんなことになるんだったら、ぜったい憲法改正は、「今は」阻止。自民党案を読んだことない人は一度読んでみてください。
2006年11月03日
02:24
安斎利洋
憲法が自分自身の改変の仕方を規定していて、しかも改変の範囲を制限することで、いわば免疫機構をもっているというのが面白い。だから免疫と同じように、機能する場合としない場合がある。免疫に曝されない改憲もありうるし、そういうバージョンアップは必要です。
しかし、9条を変えるのはいったん自己免疫に曝される、つまり違憲を経由するんじゃないか。
自民党の改憲案は、いまの憲法がすばらしい、というスタンスじゃないですね。国民のための国家から、国家のために国民に基本原理を変えようとしているわけで、これは羊が生きたまま自分を虎に遺伝子組み換えするような話。
http://
www.ji
min.jp
/jimin
/shin_
kenpou
/shiry
ou/pdf
/05112
2_a.pd
f
2006年11月03日
08:20
まえG
Wikipediaによると、最初の成文憲法であるアメリカの憲法は16回修正されてるそうですね。
9条を改正するのなら、もっとはっきり戦争を否定する選択肢も入れてほしい。
2006年11月04日
01:12
安斎利洋
>9条を改正するのなら、もっとはっきり戦争を否定する選択肢も入れてほしい
戦争を放棄するvsしない、という座標軸が、護憲vs改憲という座標軸にとって変わっているけれど、本当は、9条を否定するvsエンハンスする、ですよね。
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