安斎利洋の日記
2006年09月05日
12:30
filmachine
九州からの帰路、関門海峡あたりをうろついたあと山口のYCAMに寄り、渋谷慶一郎と池上高志によるfilmachine に埋め込まれてきた。
http://
www.yc
am.jp/
?modul
e=even
t&acti
on=sho
w&id=4
44
新しい音響装置のせいだけではなく、作曲が精緻化したためか、ICCのときに比べて音への結合が強くなったように感じる。
暗い空間の中で、夏休み明けの高校生が聴いていたり、パネルの前でこれがどう作られたのかをガールフレンドに熱心に解説している男がいたりする。本州の尾てい骨にそういう空気があるのは、意外だった。
未踏の宴会で徳井(nao)さんとも話したのだけれど、第三項音楽は、感覚としてはついていけないけれど気になる、という人がたくさんいるらしい。それはそうだと思う。音もリズムも歌も呼吸も音楽形式も、音楽はすべて振動から発想するのが普通だし、それを全否定するところから始まった音楽に簡単に馴染める方がむしろ不自然だ。
しかしうれしいのは、「感覚的にはわからない」聴衆をひきつけている、という事態が起こり始めていること。自分の感覚を信じる、なんていう一見正しそうなドグマが横行するから、芸術は気の抜けたサイダーのような甘い水になってしまった。自分の感覚なんて、一番信じちゃいけない。
コメント
2006年09月05日
12:58
辛い水になりたいですね。
2006年09月05日
13:42
klon
そうですね。
「自分の感覚」を大事にしている人にはついていけない感じがあります。そんなものを大切にするよりは、丸腰で色々なものと出会ったほうが楽しいと思うんですけどね。
2006年09月05日
15:30
安斎利洋
「いいもの」っていうのは、たいてい胡散臭い。
klonさんは、音楽を作る才能もさることながら、良い聴衆を作る才能がすごいと思ったなー、今回。
16日は、生ピアノですね。
http://
www.yc
am.jp/
?modul
e=even
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on=sho
w&id=4
49
2006年09月05日
20:00
klon
いえいえ僭越です。
誰かのためにじゃなくて自分で好きなようにやっているだけです。それが作るときの誠意というもんじゃないでしょうか。
ピアノ練習してます笑
2006年09月05日
22:40
ikeg
安斎さんのコメントはいつも少し斜めで面白いですね。自分の好きなことをやるけど、自分の感覚を大事にしてる人にはついてけない、ってのが、なかなか。でもFILMACHINEは楽しいですよ。いい仕事が出来た時は身体的に分かる。
2006年09月05日
23:21
klon
うん、ついていけないですね。
そういう人は多いですけどね。
自分の感覚を大事にというか自分を、と言ってもいい。
好きなようにやる、というときの好きはいつも遠くにあるので当然自分には帰属していないしなかなか姿が見えないから追っていく、という感じです。
2006年09月05日
23:28
ikeg
自分には帰属していない「好き」というものは、限りなくある種の普遍性に近い、ということなんですけどね。
2006年09月05日
23:38
klon
それはそうかもしれない。
普遍でもいいし、なくてもいい、ということです。
2006年09月05日
23:45
安斎利洋
ミンミンゼミの羽、ですね。
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