安斎利洋の日記
2006年08月07日
16:15
詩的な人工言語
人工言語は、ある話線上の点で、コンテクストによって分岐するいくつかのパーサー(解釈戦略)の中から、その場で一つのパーサーを確定することができる。
自然言語は、ある話線上の点で選択したパーサーによって解釈を実行し、うまくいかなかったときに、その点まで戻って別のコンテクストを選択しなおすことがある。
自然言語ではこのとき、複数のパーサーを並列で走らせて、複数の話線のまま継続する解釈過程がありうる。
詩的言語で、多義性をそのまま受け入れたり、多義性そのものが情報でありうるのはそのためだ。なぜなら隠喩は、複数のパーサー間をマッピングすることだからだ。
そのような解釈過程を前提にした人工言語はできないだろうか。いわば、ミクロなレベルで多態性をもった言語。
コメント
2006年08月07日
18:35
しゅわっち
詩のような言葉で日常的に話すロボットってこと?
2006年08月07日
19:50
抽象クラスだけでコードをかけば実装のパターンだけ解釈ができますね
(コンパイラに実装クラスの組み合わせを選ばせます)
2006年08月07日
19:56
にしの
非常にマイナーですが、ファジィアルゴリズムというものが大昔の一時期それを目指していました。頓挫しています。復活させようと目論んでいます。
2006年08月07日
22:30
安斎利洋
>詩のような言葉で日常的に話すロボットってこと?
現象的には、そういうこともありえますね。
>抽象クラスだけでコードをかけば
このことが、僕が言おうとしていることと違う、ということを言わなくてはならないですね。抽象クラスを書かなくても、ある抽象クラスを勝手に想定して、その派生クラスまで書いたことになる、ような。
文学って、哲学という抽象クラスの記述じゃないのに、ある特殊なロミオとジュリエットの恋物語が、その帰納の演繹である太郎と花子の恋の行く末まで有効である、というようなこと。
2006年08月07日
22:30
安斎利洋
>ファジィアルゴリズム
そんなのがあるんですね。ファジィのアルゴリズムではなく、ファジィなアルゴリズムですよね。
2006年08月07日
23:11
にしの
命令を曖昧にして、環境とのせめぎあいの中でパーッと意味が広がりつつ絞られて、精密ではなく、正確に物事をすすめる。というのがファジィアルゴリズムの目指すものでした。
大雑把には非決定性オートマトンですが、本質的な方の意味の広がり=常識や暗黙知の問題となって人工知能の課題と同じところで頓挫してそれきりというものでした。
2006年08月07日
23:32
安斎利洋
たぶん、何かに役立てようとすると、頓挫するんじゃないでしょうかね。安全に動くとしたら、想定内の動きしかしないということだから。
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