安斎利洋の日記
2004年09月23日
15:59
タートルの目
昨日の天動説の話で思ったこと。
もし、学習指導要領に縛られない空想の小学校を作ったら、どんな「本」ができるのかというふうに考えるべきだ。
すると、地動説や月の満ち欠けの授業は、タートルグラフィックスの実習から始めるべきだ。同じ図形を、鳥瞰的に描くのと、タートルで描くのと、その思考の行き来を学ぶ。
そのあとに天動説から地動説の歴史ドラマをやってから、地動説も太陽を固定したひとつの天動説だという話にもっていく。ひとつの系に固定して考えないほうがいい、ということに気づく、という「ネタ」。
そうだ、タートルの視点からの3次元ビューを動画で見られる、マルチタートルグラフィクスのソフト、なんてどうだろう。学校向けに。
(この程度の思いつきは、たいていすでにある場合が多い)
コメント
2004年09月23日
16:44
びすけっと
20年前に,僕はトンボグラフィックという3Dタートルを作ってました.
そういわれてみると,微分・局所的に世の中を見るというのはビスケットと同じ思想だということに気づきました.
最近,勝手に教科書を作るのが流行っているから,作りませんか?どっかのwebに置けばいいんですよね.面白かったら誰かが出版してくれるだろうし.
まず,学科の枠からとりはずす.
2004年09月23日
18:03
安斎利洋
びすけっとを使った「地動説」教育プランは、考えましょうよ。なにか、大きくなる予感のある話です。
びすけっとがタートル違うのは、規則が大域的なこと。これは問題ないですね。
あと、オブジェクトの軌跡を残したい。足跡を、どんどん生んでいってもいいけど。
>学科の枠からとりはずす
このまえある中学校の先生から聞いたんだけれど、体育の実践で、多数の人がフィールドで別の規則で動く、ということをしているらしい。たとえばAさんは、ひとりをはさんで別の人と一直線になろうとする、Bさんは、他の2人と三角形を作ろうとする、などなど。で、動きはじめると当然予測のつかない複雑な動きになる。サッカーでディフェンスをぬってパスを渡していくなんていうのも、同じことなんでしょうけれど。
これは、体育というより、数学や理科の新しいセンスを磨く教材にもなるんだ、という説明をしたんだけれど、その先生には理解してもらえませんでした。
こういうのを、ビスケットとからめてやると、まさに「空想小学校」の学科学年を縦横に横断したプログラムになるんだろうな。
2004年09月23日
23:11
びすけっと
規則が大域的というのは,タートルでも一緒で,たとえば,画面の上と下でタートルの動きが変わらないというのと同じです.ビスケットのルールやタートルのプログラムは,それを適用する場所には依存しない(大域的)けれど,内容は局所的な変化しか記述できない,という点で,両方同じだと思ってます.
で,微少な変化の積み重ねを直感的に理解してもらってから,コンピュータの制御の難しさとか,物理法則との関係とか,まあ,いろいろと面白い方向に話は進められると思います.
その体育の実践というのは,わざと別の規則を与えて動けというのですか?例えば,生年月日の日付が奇数の人はXXを,みたいに.上から撮影したら面白い動きが観測されるでしょうね.
こういうセンスは,確かに数学や理科の範囲ではありましたけれど,本来なら「情報」が担うべき考え方なんだと思うのですよ.今はまったく正反対の方向の教育になってしまって悲しいのですが.だから情報の新しい教科書という売り出し方は逆効果かもしれません.
2004年09月23日
23:40
安斎利洋
>ビスケットのルールやタートルのプログラムは,それを適用する場所には
>依存しない(大域的)けれど,内容は局所的な変化しか記述できない,
>という点で,両方同じだと思ってます.
この点、理解しているつもりです。人間にとって、規則が記述されている場所が違うというだけですね。
上の体育の話のような、属性の違う無数のインスタンスの挙動を、ビスケットでどう「読みやすく」記述できるか、って問題ですよね。まだずれがあるかな?
つまり、赤い人と、青い人の規則を記述した同じプログラムで、*色の人の規則を記述したい。継承をどうするか、ってことでしょうか。
>その体育の実践というのは,わざと別の規則を与えて動けというのですか?
>例えば,生年月日の日付が奇数の人はXXを,みたいに.
たぶん、そういうやりかたでしょう。ルールの組み合わせはいくつか考えられていて、それを子供がやってみるだけです。
ルールとその組み合わせを子供が考えるようにすると、体育+情報科学の授業になりますね。
2004年09月24日
00:12
びすけっと
> 上の体育の話のような、属性の違う無数のインスタンスの
> 挙動を、ビスケットでどう「読みやすく」記述できるか、
> って問題ですよね。まだずれがあるかな?
あ,わかった.その問題ですね.
人を一つの絵として表現しないで,複数の絵の配置であらわします.そうすると,「属性の違う」って部分がビスケットで扱えるようになるので,たぶんできます.
2004年09月24日
00:35
安斎利洋
>人を一つの絵として表現しないで,複数の絵の配置であらわします.
人の属性に赤と青があって、人+赤、人+青、というようにそれぞれ2枚の絵で表現する、ってことですか? この2枚が主従関係にあって、従が主といっしょに移動回転消滅すれば、まさに属性になりますね。
たとえば、人+赤はAに出会うと右回転する。人+青はAに出会うと左回転する。人+<属性>はBに出会うと消える。このとき、<属性>をいっしょに消すために、属性のぶんだけBに出会ったときの挙動を列挙する、というのは面倒です。
この階層性って、なんか直感的にビスケットと相容れないような感じもする。
2004年09月24日
00:42
びすけっと
最新版では,継承が入っているので,人+<属性>のところは抽象的に作れます.その面倒さはないです.
継承をいれたのはいいんですが,抽象的なものに対して動きを教えたいときに,抽象的な絵を使わなきゃいけないのがちょっと難しいです.たとえば車とロケットの親クラスの動くもの一般.
2004年09月24日
00:51
安斎利洋
最新版まだいじってませんでした。すみません。
>抽象的な絵を使わなきゃいけないのがちょっと難しいです.
絵そのものも継承しなくちゃいけない、という縛りを入れたら? 同じ形から出発しないと、動くものとしての車もロケットも描けない。
2004年09月24日
02:52
びすけっと
> 絵そのものも継承しなくちゃいけない、という縛りを入
> れたら? 同じ形から出発しないと、動くものとしての
> 車もロケットも描けない。
それは,安斎さんの今のペイントのデータ構造をそのまま
渡して下されば,自動的にできると思います(笑).
遺伝の話と,継承の話は,整理したらいい理論ができる
かもしれませんね.
2004年09月24日
03:06
安斎利洋
>それは,安斎さんの今のペイントのデータ構造をそのまま
渡して下されば,自動的にできると思います(笑).
そうですね。
技術的には解決できても、絵を描く人にとって、同じ性質をもたせるために同じ絵の要素をもたなくちゃならない、っていうことを考えるのは、楽しすぎて大変でしょうね。
「動くもの」の抽象クラスはどんな絵か。漫画で土ぼこりあげたような、吹き出しのような形?
というようなことを、ずっと考えないといけない。
2004年09月24日
08:39
るじ
なんかすごーい、ヒントかいてある気がするんで、
あとで、また読んで、考えまっす。
(のためにコメント)
2004年09月25日
00:52
安斎利洋
>なんかすごーい、ヒントかいてある気がするんで
るじの脳のボタンを押せた!
つづきは、こっちかな。
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