安斎利洋の日記全体に公開

2006年07月06日
03:19
 料理譜
料理はプロセスなんだから、楽譜のような記譜法があってもいいんじゃないだろうか。つまり、料理譜。

試しにgoogleで引いてみると、「料理譜」と単語をなしているものは、まったくないみたいだ。この言葉一番乗りかも。

塩の音符と胡椒の音符が和音になっていたり、火はここでクレッシェンド、人数分の反復記号、余熱でフェルマータ、などなど。

記譜法の標準化策定に加担する方、募集。

そして料理譜カンブリアンへ。
 

コメント    

2006年07月06日
03:33
stella
ふふふ。塩の量はppとか火はfとか言う時ありますよ。

桃のパスタみたいな再現料理は、想像してアレンジを加えていくのが楽しいですね。
2006年07月06日
03:43
Yuko Nexus6
>料理譜カンブリアンへ

おおお!
2006年07月06日
03:49
安斎利洋
ベーコンの塩味があるときは、塩は休符でもいい、とかね。

混ぜ方は、スタッカートとかレガートで。
蒸し料理はアダージオ、炒め物はプレストで。
鍋やフライパンがパートになるんでしょうね。
いろいろ思いつきますね。

・時間や量の許容範囲をどう記すか。絶対にこの量、なのか、てきとうにこんなもんで、なのか。

・ある時点にかならずその行為をする必要があるのか、その時点より前ならいいのか。

・交換可能、省略可能、その場合の制約をどう記すか。

・自分がアレンジしたのはどの部分か、を明示する方法は。
2006年07月06日
03:52
安斎利洋
現代曲と同じで、ある程度の規則を共有して、あとは記譜法自体に独創性があってもいいですね。
2006年07月06日
05:50
小林龍生
ロッシーニの料理譜とかね。ウェーベルンの音色音階ではないけれど、楽器と食材が対応している。crescendo con fucoとか、そのままで、火力の調整に使える。
まあ、ロッシーニ風とかいうと、即座にフォアグラに行き着いてしまって、体には悪そうだけどね。
2006年07月06日
08:42
木村健一
 調理工学の分野で、調理手順のフローチャートを記述する為の記号があります。いかにもメカメカしていて、見るからに食品工場用です^^;
2006年07月06日
08:47
H.耕馬
「料理譜」レシピではダメなの?
2006年07月06日
09:19
しゅわっち
状況に応じた楽譜ってできるかしら.

例えばスパゲティー.
にんにくをどこまで炒めるかは,そのときの刻み方とか,火の加減とか,気温によってかなり変るはず..
トマトソースをどこまで煮込むかも同じ.

とすると,横軸が絶対時間だと駄目な気がする.

とすると,どうする?
2006年07月06日
10:35
小林龍生
結局さあ、料理譜にすべてが書き込めるわけではなくって、やっぱり調理法の細部って言うか要素ごとには、素養とか訓練が必要なのでは?
まあ、料理譜そのものをモーツァルトのように簡潔な音楽記号で表すか、マーラーのように思いつく限りの制約条件を書き込んでいくかの違いはあるとしても。
そういう意味では、改めて、調理譜と料理実際の関係は、音楽譜と演奏との関係に、符合しているね。
2006年07月06日
11:08
miyako/玉簾
>この言葉一番乗りかも
もうこの際特大のCマークつけちゃえ!
料理譜
(C)安斎先生

みたいに!
2006年07月06日
11:41
eiko
料理の原理を、大まかなところから体系付けると、標準策定しやすいと思います。

料理を火を通すことだとするとだいたい、煮る(水を介して加熱)、焼く(空気を介して)、揚げる(油を介して加熱)、の3通り。

火源からの距離によって、「焼く」も、グリル、ロースト、炙る、……干物(太陽を火源とする焼き物)のようなバリエーションができる。

料理法に素材、フレーバー(調味料)を組み合わせると料理は無尽蔵。

料理したものは再帰的に料理の素材となる。たとえば、大豆からできた豆腐を、さらに油で揚げて厚揚げに、さらに煮て含め煮に。

この体系付けは、玉村豊男さんの「料理の四面体」という本に書いてあったものです(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=12801966&owner_id=7562)。

あとは、あえるとか、時間的な要素とか、crescendo con fucoといったココロを表現できるようにすると。
2006年07月06日
12:02
さかい7/15伊勢崎Live
以前回ってきたアート系のバトンか何かで、これからやってみたいことを問われて「音楽調理」というのを書きました。
(「調理音楽」ではありません。)
音楽を演奏すると料理が出来る、というものですが、記譜法についても大いに興味あります。
2006年07月06日
13:07
安斎利洋
豪華な顔ぶれだ!

>調理手順のフローチャート

汲むべき知恵がありそうですね。どこかにリンクがありますか?

>レシピではダメなの?

たぶんテキストが最も柔軟な料理譜だと思います。そういう意味では、究極の料理譜をXMLで書くことはできると思う。
でも、料理を楽譜のような記述にすると、料理を考えやすくなり、直感的にそのレシピの本質が見えてくるんじゃないか。

>横軸が絶対時間だと駄目な気がする.

ここ、ポイントですね。楽譜も決して横軸が絶対的な時間じゃない。時間や順序が、状況によってどう加減されるかを記述できるか。望むべき結果を書いて、逆算した時点で火を止めるべし、どう逆算するかは経験を積め、という記譜もありえますね。
ベーシックなペペロンチーノをどう書くか、からやってみるのがいいかな。

>マーラーのように思いつく限りの制約条件を書き込んでいくかの違いはあるとしても。
クラシック音楽にはまだまだ作者という神話が崩れていないけれど、マーラーの楽譜なんか、指揮者が勝手に制約を外したり変えたりして、それを記入していったら面白いと思うんだよね。バーンスタインが手を入れて、それに小沢が変えたバージョン、のような。ストラヴィンスキーの楽譜なんて、自分でずっと変え続けたわけだけれど、作者の死とともにそれが止まってしまう。
サラダ油50gが、オリーブオイル10gで置き換えられうかどうか、ということが料理譜の書き換えの中からわかってきたり、してほしいわけです。

>(C)安斎

このアイデア自体を、クリエイティブ・コモンズにしても面白いかもね。

>「料理の四面体」

その本、手に入れよう。料理を料理的でなく考えた本は、面白いです。
レヴィ・ストロースの料理の構造分析は有名。ロラン・バルトも料理をテクストとして考えている。フロイトの料理読本も面白い。武満徹が病床で書いたレシピは、なかなか渋い。ほかになにかありますか?

>音楽を演奏すると料理が出来

それ、仮想的な話としても面白いね。今日の晩飯はボロディンでいきたい、みたいなことが言える。中村紘子がピアノを弾きながら目玉焼きを焼く、っていう実験があったな。
2006年07月06日
14:17
あ っ こ
料理譜はないかもしれないけど、
お粥のレシピ集「粥譜」ってのはありますね。お世話になってます。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=20174324&owner_id=88047
2006年07月06日
14:22
あ っ こ
湿度や気温に対する水加減とか、
相手の顔色にたおする味加減とかって譜面にするとすごいことになりそう・・・・・


クリエイティブの実験としてはすんごく面白そうですが、
私のような性格は譜面ってだけで料理する気が失せます。野生で料理してるもんで。だははは

2006年07月06日
14:34
安斎利洋
譜という言葉の中の普は、たいらに伸ばすという意味らしいです。
そこから楽譜のような平面に記述したものの意味にも使われたんでしょう。
順序を追ったり系統立てたりして集め記したもの、という意味も辞書にある。将棋やチェスの棋譜は、リニアだけど譜ですね。

>野生

ad lib. って記述もあるわけで。
2006年07月06日
15:48
あ っ こ
>譜という言葉の中の普は、たいらに伸ばすという意味らしいです。

ad lib.ってよくわかりません。

譜 がすごいところは 漢字だってことかも。意味を表す。
中国語のレシピって パシャっとシャッター下ろすような理解の仕方ができるのは楽。
平らに伸ばすやり方がずいぶんと違うようなきがする。

譜 なんで料理が上記のような記述言語に置き換わるとやる気なくすか?たぶん自分の問題でしょう。
でも私としてはどうせなら化学式的なほうがピントくるかも。
2006年07月06日
15:57
安斎利洋
>ad lib.ってよくわかりません。

アドリブだがね。

>化学式的

つまりこれは、プログラム言語的ってことと同じになると思うんだけれど、そういう方向はあるよね。

パスタをゆでるサブルーチンと、ソースを作るサブルーチンが主プログラムから呼ばれる。ソースを作るルーチンは素材を刻むサブルーチンを呼ぶ。

ペペロンチーノ(塩)、ペペロンチーノ(アンチョビ)、のように可変部分を引数にすることもできる。
2006年07月06日
16:12
みやばら
料理譜の話とはぜんぜん関係ないのですが、先日40代男性がこんなこと言ってたの思い出しました。
「カンブリアンのネバネバ(線)は納豆だ」
その時、男性の表情はいままで見たことのない笑顔でした。
2006年07月06日
16:49
安斎利洋
いま僕は、いままで人に見せたことのない笑いを浮かべてしまったかもしれない。
そういえば、「カンブリアンの動きはエロい」といわれたことがある。
2006年07月06日
17:12
あ っ こ
やっぱエロいにたどりつくのですね〜〜〜〜ほぇ〜〜〜
「クネクネ〜ション納豆の糸爆発」というサブネームあり?

>>可変部分を引数にすることもできる。

ここんとこがぁたぶんピントきてないかも

変わる場所は実は「間合いと呼吸」だったりするんだけど??
技術はダンスからって話はテレビでみたの・・

板前さんの修業に来た若い女性がてんでダメで親方は考えた。そうだ!ダンスを習わせよう!・・・でそこそこできるようになるって。

たいていの料理はレシピどおりにはいかないケースが多い、それは間合いと呼吸に個人差があるため。
お相手(たとえばパスタや一定気圧下での水)の顔色を瞬時に判断してこっちのでかたを調整するってのが技術だったりする。

話をもどして、ってことはパスタを量りにのせた時に保湿度も同時にはかり、気温と湿度も測ってってってことに??
なるほど可能かもね。

そうなると私は料理しなくなると思う・・だははは
2006年07月06日
17:16
安斎利洋
たぶんあっこさんはひとつ五回してると思うんだけど、世の中にあるレシピって「ここで塩小さじ1」とか「サラダ油50cc」とか書いちゃっているけれど、そういう制約は書かないで、そこはカンで勝負どころだろ、っていうのもあるわけですよ。つまり、制約を書かないようにするための、記譜ってこともあるんです。
2006年07月06日
17:17
安斎利洋
五回-->誤解

です。ひとつ誤解なら、ふたつで述懐。すみません、頭が空回り。
2006年07月06日
19:47
eiko
> 譜面ってだけで料理する気が失せます。

ここで考えている料理譜は、何かの料理を再現するためではなくて、参加者が誰かの料理に足したり引いたり、さらに別の料理に変化させて遊ぶためのコミュニケーション手段、というふうに考えると、面白いのでないかな。
2006年07月06日
23:10
安斎利洋
そうですそうです。

料理を完全に記号に還元してみたい。料理はあきらかに、食べるという私的体験に繋がりながら、調理法の伝達とか、もてなすとか、食卓を囲むというコミュニケーションにも繋がっている。きっと、いろんなことが起きるんじゃないか、という目論見です。

料理をつなぐカンブリアンというアイデアが出てきてから、でもそれだけじゃ何かが足りないと思っていて、そのひとつの解決なんですが、どうでしょう。
2006年07月07日
00:30
あ っ こ
>>制約を書かないようにするための、記譜ってこともあるんです。

なるほど!そうですか。どうやって味を作るかとかどうやったら美味しくなるかってことじゃないのね。
それぞれに人が持っている料理像を記号化するってこと?


このはなしがはじっまってから不思議に感じていることは、私の初体験としての連画遊びはまるで新しい料理に挑戦するときのような楽しさがあったのに、料理を料理するってなったら一変!深まらない。なぜだか自分でもわからない。
2006年07月07日
01:07
安斎利洋
あっこさんは、すべての料理を自分で発明したわけじゃないでしょ。ってことは、あっこさんの料理はたいてい、他人の料理を料理しているんです。
2006年07月07日
01:31
あ っ こ
>>他人の料理を料理しているんです。

当然!むねはっていえますね〜〜 私は料理発明家じゃない。

2006年07月07日
02:15
安斎利洋
けっこうヘンなもの発明してそうだけど。陶器のようなじゃこめしとか(逆か)。
2006年07月08日
02:00
DNAの上に散らばっている遺伝子は、それらが良いハーモニーを奏でているのではないでしょうか。
DNAという楽譜の上には、いろいろな一小節があって、1つの曲が出来上がっているような。

料理の音が、DNAの楽譜で共鳴する時に、遺伝子が喜ぶのかも知れませんね。

ただし、「遺伝子が喜ぶお弁当〜!」と声を張り上げて商売している露天弁当屋さんから、お弁当を買いたい気持ちにはなれませんが。。(ローカルネタですみません。)
2006年07月09日
15:26
有馬純寿
素材、調理法などを可能なかぎり組み合わていく、いわばセリー的な料理法はすでにかなり研究されている様子。

調理法の拡大という意味ではエル・ブジのエスプーマ(なんでもムースにする調理法)とか、液体窒素調理法もとかあるけれど、最近のトピックはセリー的発想の分子料理法ですかね。
http://www.add-info.com/meal/archives/000713.php

研究者としてはエルヴェ・ティスが有名だけど、ティスの理論を実践するシェフ、ピエール・ガニェールの店が、すこし前に南青山にもできました。
http://www.pierre-gagnaire.jp/
が、ランチ7000円超、夜は17,450円と26,880円なり(泣)。ワイン入れたら二人でいったら7万円オーバー?

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近くのイタリアンで桃のパスタを発見、食べてみました。
こちらのはさっぱりとした塩味で、パスタは手打ちの極細麺、桃と赤タマネギのみじん切りがいいアクセントになってました。
2006年07月09日
15:33
安斎利洋
有馬さん、
そうかぁ、イメージしていた世界がすっかりここにある感じがします。後を追うのもつまらないけれど、研究してみます。情報ありがとう。

味、におい、食感のトータルセリエールとか、調理不能の料理を考えるか。

>桃と赤タマネギ

試してみます、この組み合わせ。
2006年07月09日
18:03
有馬純寿
トータル・セリエールもそうだけど、定量化・パラメータ化するのは案外フランス流なのかも。

>研究してみます。

じゃあ、まずはピエール・ガニェールの店に行ってみましょうか(笑)
2006年07月09日
19:09
安斎利洋
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研究ってことで。
2006年07月09日
20:26
イタリアで買ってきたイタリアの季節ごとの家庭料理の本に、
栗と紫キャベツと赤ワインの煮物というレシピがあって、
クリスマスなどによくつくります。
おいしいです。元がイタリア語なので辞書があっても、
よくわからない単語があるのだけど、
でも、日本の料理の本のようにあまり細かいことは書いていないようです。英語圏の料理の本などは煮ると焼く、あげるぐらいしか書いていないし、日本の料理の本のように細かく書いてあるのを
見たことはない気がしますが、フランス料理のレシピなどはもっと細かく書いてあるのかしら。。
ところでニンテンドーDSでレシピ集(お母さん向け?)が出たようですね。
2006年07月09日
20:38
http://www.nintendo.co.jp/ds/a4vj/index.html
ニンテンドーDS
しゃべるお料理ナビ
2006年07月09日
23:33
安斎利洋
料理がわかっている人なら、細かい数字などは読み飛ばすコードが共有できるから、書いてあっても問題ないですね。ねぎ5cmなんていうのを忠実に守ろうとする人がいたら滑稽だけど。

http://vegweb.com/

こういうことろを見ると、けっこう細かく書いてあるけど、肉を食わないと人間細かくなるってことか?
2006年07月10日
04:28
あ っ こ
有馬さんはじめまして

>>最近のトピックはセリー的発想の分子料理法ですかね。

喉の奥の小骨が取れたような気分です。

>>半熟卵を作るのに67℃のオーブンで2時間40分も加熱したり、マヨネーズのサラダオイルをバターに置き換えたりしている。それで...>>> 

これは大変おかしかったです。こういうおかしさをそのままにできるところも、なんだかおかしいです。
まるで誰かに否定されるのをまっているかのよう・・
否定の否定から半熟卵が生まれると素敵かもしれないですね。

2006年07月10日
04:31
あ っ こ
>>陶器のようなじゃこめしとか(逆か)。

じゃこめし・・・・そうでした☆あれは飯でしたかぁ?
今度食ってみます。生きていたら味の報告をします。

>>>最近のトピックはセリー的発想の分子料理法ですかね。

この記事を読んだら料理でなくて猛烈に粘土をこねたくなりました。だはは

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