安斎利洋の日記全体に公開

2005年05月02日
17:19
 子供によるデバッグ
ソフト製品のバグだしをするときに、一番厄介なのは何万分の1の確率でしか出てこないようなバグだ。たまたまそれが露見すると、まずはそのバグが常に出てくる条件を見つけるところから始める。

しかし、誰が使っても遭遇しないバグというのがある。するとバグそのものの存在が気づかれない。だったらそれはバグでないか、というと、子供にいじらせると出てきたりする。大人はみな、暗黙の行動パターンがあって、誰も行かない道筋を残してしまう。しかも、無意識に落とし穴を回避する知恵もあり、最もバグに落ちないのはソフトを作った人間だ。

以前、製品開発にかかわっていた頃は子供にソフトをあずける、ということをよくやった。子供みたいなアーティスト、ということで中村さんにも世話になった。

JRの事故報道を見ながら、そのことを思い出した。運転手は、子供っぽかったように思う。彼のような人材を、車両の開発時に役立てればよかったのに。
 

コメント    

2005年05月02日
17:33
びすけっと
子供って,すぐに適応してしまうから,せっかく出してくれたバグもすぐにうまく使いこなせるようになってしまうでしょう.だから後ろでじっと見ていないと(本当はビデオに撮らないと)だめっすね.

> 最もバグに落ちないのはソフトを作った人間だ。

そうそう,だから学会のプレゼンは全然信用していない.
2005年05月02日
17:38
noriko
>子供みたいなアーティスト、ということで中村さんにも世話になった。

ここ最高に楽しんでしまいました。(中村さん、ごめんなさい)
mixiにはテスト候補がいっぱいいるかもしれませんよ。(*^_^*)
2005年05月02日
17:59
大富豪家2.0
Palmのシミュレータにははグレムリンにデバッグさせる機能がありますね。グレムリンが滅多やたらボタンやキーを押しまくっても死なないようなソフトを作れということだと思います。
2005年05月02日
18:01
匿名希望中・おーもり
うちの息子、すぐバグを見つける。
でも「今回は見逃してやるよ」と言って、すぐ寛容に許しちゃう。
「同じ条件で同じバグが一瞬ふっと必ず発生するんだけど、人は気にならないんだろうな。」とも言う。

世の中は、なかなか適材適所というわけにはいかないものですね。
2005年05月02日
18:20
大富豪家2.0
黒服の無慈悲なバグ出し隊を編成して成功した会社の話を聞いたことがありますが、どこの話だったかなぁ?
2005年05月02日
18:56
安斎利洋
黒服という演出がいいですね。

こういうグレムリンがほしいな。画面をカメラ経由でパターン認識して、操作できそうなところを見つけては、いろいろなタイミングでクリックしたり、ドラッグ&ドロップしたり、キー入力したり。不具合を検知したら、再起動して確実に再現するところまで追い詰めておいてくれる。

ターゲットPCにUSBをつないで、マウスとキーボードを騙す。あとはカメラを向けるだけだからハードは簡単。

売れそうな気がします。
2005年05月02日
22:04
大富豪家2.0
ゲーム画面をカメラで認識して操作する機械てのがありましたね...

無茶なユーザをシミュレートしてくれるUSB HumanInterface Deviceというのはあってもよさそうな気がしてきました。
2005年05月02日
22:04
eiko
わたしが出会った最も無慈悲な子どもは、「僕、このコンピュータ知ってるよ!」と言って、リセットスイッチを押していった。不幸にも、それはサーバとしてセットアップしてあったものだ。触られてマズイものは覆っておくべきだと、そのとき学んだ。
2005年05月02日
23:13
安斎利洋
無慈悲な猫を訓練して、デバッグ・グレムリンにする手もありますね。リセットだけはしないように、仕込まねば。
2005年05月03日
00:27
某社には、マジックミラー越しに、ミステリー・ユーザーがPCを操作しているところを上から眺める部屋があったのですが、、、
子供の中村さんがずらっと10人くらい並んでPC入力しているところを想像してしまいました、、、、
こんな不謹慎なことを考えさせるつもりじゃなかったんですよね、安斎さん。
2005年05月03日
00:39
安斎利洋
びすけっとさんの言っている「適応できるバグ」っていうのは、ひるがえると潜在機能ですが、中村さんはそういう適応可能な機能をみつけるのが得意で、SuperTableauの多機能のコピー機能を、ずっとフィルターだと思って使っていました。こういうミスリーディングって、一種の才能です。

子供も10歳過ぎると、もう大人と同じようにパターンで操作するようになるから、子供より誤解の才能のある大人のほうが、ずっと役に立ってくれます。

そうそう、JRの話。電車って、「グレムリン(悪意のあるユーザー)によってダウンするシステム」だったんだ、というのが、僕は意外でした。線路引いてあるんだから、運転手が突然死しても、自殺しようとしても正常運転するものだと勘違いしていました。
2005年05月03日
00:54
びすけっと
中村さんをシミュレートするUSBデバイスは相当大変ですね.
AIの課題かもしれない.まず単位を決めなきゃ.

このシミュレータは最新のAI技術により 0.23 RN のバグ発見能力を持っています.
2005年05月03日
01:02
安斎利洋
そういえば1RNの本人は、いつか飛行機の操縦がしてみたいと言ってました。新機能を発見するか。
2005年05月03日
10:47
中村理恵子
>子供の中村さんがずらっと10人くらい

中村さんの子供がずらっとならんで,,,というフレーズじゃなくてよかったです(笑)。

しかしなぁ,,,システムと野性ってのは相性悪いのか?
いいのか?

2005年05月03日
11:41
安斎利洋
システムが野生に追いつけてない、ってことでしょ。

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