| 安斎利洋の日記 | |
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| 2005年04月28日 02:05 | 万年時計とステッピングモーター | 昨日見たNHKスペシャル「万年時計の謎に挑む」(たぶん再放送)が、超おもしろかった。
田中久重(からくりぎえもん)の作った万年時計の復元のドラマだが、面白かったのは、虫歯車と呼ぶ往復運動を生み出す歯車。
今こういう運動を実現しようとしたら、まず間違いなくステッピングモーターを使うんじゃないだろうか。ステッピングモーターはカバー領域の広い大発明であると同時に、虫歯車のような隙間の解を思いつかせなくする目隠しでもある。
同じようなことはソフトウェアの世界にもある。コムソートという楽しいアルゴリズムがある。櫛の目をだんだん細かくしていって、もつれた髪の毛をとくように配列をソートする。CPUが速くてメモリがふんだんにあれば、そういう妙なアルゴリズムを考えるきっかけはなくなる。自然界には、むしろそういう奇妙な解のほうが多いんじゃなかろうか。
便利な何かをわざと抑制するハンディキャップを課すことが、新しいものを生み出す戦略になるかも。
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