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山椒エラー全体に公開
2009年07月16日02:37
最近、真空管好きの若者がいて、楽しい気分になる。なにしろ僕の脳は真空管でできていて、、、ってのはウソだけれど、しかし鉄腕アトムの電子頭脳は1本の真空管だったっけ。

真空管の面白さは、真空管自身が振動することだ。真空管のひずみは動的で、おそらく誰もそのすべてを把握していない。

かつてNHK電子音楽スタジオが真空管式正弦波発生器をトランジスタに変えたとき、それまで出ていたすばらいい音響がぱったり出なくなった、と、エンジニアの若林さんが話していた。フーリエは幻想だった。

透明であるはずのメディア自身が色彩を放つという、おなじみの原理がここにもあって、計算するときは数字だけでなく、演算記号まで巻き込まれる世界がここにもある。コア戦争の話にも通じる。

野菜売り場に山椒の青い実が並び始めて、目に入ると必ず買ってしまう。山椒の実は、食い物であるのに、味を感じる舌を麻痺させる。この粒は真空管のように、解釈装置そのものに作用する。

山椒の実は、そのままだと強烈に口の中をしびれさせるので、鋭い悪意のつめを折るために10分くらい煮て、水にさらす。これをやりすぎると、つめを折りすぎ。真空管マジックが割れてしまう。

たくさん作っておいて、あとから楽しみに使う。ちりめんじゃこを酒としょうゆで煮て、最後にみりんと山椒の実を入れる。だいたい同じようにして牛肉を煮詰めてもうまい。めちゃ旨。
似たものは売ってるけれど、ここまで危ないのはない。

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