安斎利洋の日記全体に公開

2006年04月07日
02:24
 百科事典でトリップ
百科事典をEPWing化して、画面にあるリンクを次々たたいていく。このくらくらする遊びがまだ続いている。

このくらくら感、検索速度のせいだ、という仮説は半分あたっているけれど、理由はそれだけじゃなさそうだ。

百科事典専用のブラウザは、項目をたたくとその項目の内容だけが表示される。DDWinなどは、たとえば琴古流と菌根というような、音が偶然並んだ隣の項目も同じ画面に入っている。これがまず、大きなトリップ要因。

「小学館スーパーニッポニカ」もやってみたんだけれど、平凡社ほど面白くない。平凡社の百科事典は内部の相互リンクの密度が高い。また項目の著者をたたくと、著者ごとの一覧にリンクしている。

意味の関係性に加えて、音韻の近傍や、著者のハブといった、別のリンク空間が重なっている。だからランダムにたたいても行き詰らない。A地点からB地点に行くのに、道路でも鉄道でも地下鉄でも行けるという重層性が、散歩をリミットサイクルから救ってくれる。大事なのは、近傍の数だ。

脳の中で発想が沸く原理も、きっと同じなんじゃないかな。
 

コメント    

2006年04月07日
02:45
stella
私は会話の最中にすぐに話題が飛んでしまうのですが、自分の頭の中で連想したものをつい口に出してしまい、相手を面食らわせてしまいます。
例えば琴古流の話をしているのに菌根が見えちゃって、そちらの話に行ってしまう感じなのだなあと、ふと思ってしまいました(これも脈絡がない)。
2006年04月07日
02:54
安斎利洋
僕も、スリップして止まらないときがあります。妄想ハウリング系と呼びましょう。なんか、そのあたりで近いものは感じた。

スリップしない人は、ニッポニカ系と呼びましょうか。
2006年04月07日
02:59
てつろう
これ、文章を書いてるときにもあります。
頭に浮かんだ事のスピードと文章書くスピードが
違いすぎるためにこうなってしまうのかもです。

(ちょっとズレました?)
2006年04月07日
03:03
安斎利洋
シュルレアリストですね、tetsuさんも。
ニッポニカ系の反対は、菌根系、のほうがいいかな。
2006年04月07日
07:29
びすけっと
GETAを使うとどうなるんでしょう.
http://geta.ex.nii.ac.jp/
これは,こういった閉じたDBをブラウズするには最高の方式
だと思います.
2006年04月07日
13:56
安斎利洋
EBStudio(http://www31.ocn.ne.jp/~h_ishida/)の入力はhtmlなので、EPWingの前に、百科事典をhtml化した中間ファイルが残ります。だから、GETAにつなぐのは簡単ですね。

これは面白いかもしれませんね。意味のあるなしにかかわりなく、内部に無数のリンクがはられた百科事典、というのはすばらしいかもしれません。
百科事典が夢を見る、なんてこともできそう。
2006年04月07日
14:15
じゃい
>意味のあるなしにかかわりなく、内部に無数のリンクがはられた百科事典

これって、突き詰めると、人間そのものかなと、思った。

現実的には人工無能あたりなのか。

私は専門ではありませんが、人が話を進める場合、必ずしも、線形性があるわけではなく、AからBへと話を進めるのにあたって、まったく関係ないCやDが介在することが割かし当たり前に進められている。

A→BではなくA→C→D→A→Bなんていうまどろっこしい喋り方の人がいる。もっとひどいと、いきなりCやDで話し始めたりする。

ところで、なぜ、AからBにいたるのに無関係な話題が介在するのか、どんなリンクによってそれが導き出せるのか、そういったことが分かると、話をしている人の思考やら記憶の傾向が逆に明瞭になってくるような気もするんですが。。。

いや、仕事がトンだので、優雅な昼休み中です(笑。
2006年04月08日
10:47
安斎利洋
>現実的には人工無能あたりなのか。

琴古流と菌根がリンクするなら、ランダムなリンクでもいいようなもんだけれど、しかし酢鶏の面白さというのは外れているようないないような、ぎりぎりエッジをついてくる面白さで、決してでたらめじゃないんですよね。

じゃいさんの言うCやDを、どうやったら機械に発見させることができるのか。僕がいちばん関心あるのは、そこです。AからBというのは工学的な対象にしやすいけれど、CやDにいたる方法は、普通の工学的なセンスだけじゃ思いつかないはずです。

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