安斎利洋の日記全体に公開

2006年03月31日
00:25
 スケーラビリティ
ソフトウェアの部品を組むとき、いつも考えているのは汎用性とスケーラビリティだ。

なぜかというと、思い通りより、思い以上に興味があるから。ある目的のための部品群が勝手に交配をはじめ、どんどん目的以上のものが出てきて、規模を大きしていく快感があるから、僕はついアル中(アルゴリズム中毒)になってしまう。なににでもあてはまることと、大きさをもたないことは、言語が人間にもたらす最大の特質でもある。

しかし、締め切り間際に作った付け焼刃は、たいていこういう風には働いてくれない。「こんなもんでいいかな」と考えるから、その目的のためにしか動かない木偶の棒になっている。だから、締め切りのない、何にも追いかけられていない時期に作る基礎の仕事が、大事なのだ。

と、教訓めいたことを考えるきっかけになったのは、これ。

ミクシィのCTOが語る「mixiはいかにして増え続けるトラフィックに対処してきたか」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060330/233820/

反面教師mixiから学べ!
 

コメント    

2006年03月31日
00:57
あ っ こ
>>>何にも追いかけられていない時期に作る基礎の仕事が、大事なのだ。

まじ!ほんと!激しく!!そう思います。
その時間を手に入れたら逃げられないうちにキスしましょう!だはは やつには前髪しか生えてない!

これはどんな業種にもあてはまる??かん??私にはあてはまった。
2006年03月31日
01:04
いま検索エンジンつくりたんですけど、安斎さん、もしかしてアドバイスもらえたりします?
2006年03月31日
01:05
安斎利洋
>これはどんな業種にもあてはまる?

どうなんだろうね。少なくとも、創作的なことはみんなそうかもしれない。

びすけっとさんの日記にも、こんなのがあった。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=98137268&owner_id=79891
でも、何にも追いかけられてないときって、あんまりないなー。
2006年03月31日
01:14
安斎利洋
>検索エンジン

マシンに閉じた世界ではいろいろ秘儀的なことを知ってますが、分散した世界のノウハウは僕もこれからです。

検索エンジンって、非同期のところが多いから、SNSより考えやすいでしょうね。
2006年03月31日
01:42
安斎利洋
いや、SNSだって、メンバー同士が関係する構造そのものに負荷分散の仕組があるはずなんですけどね。友達や、友達の友達の情報だけすばやく同期してればいいんだから。
2006年03月31日
02:09
分散SNSだとhttp://open.affelio.jp/が有名かな。
ぼくとしては今作っているやつを発展させて、
5年くらいしたら分散検索エンジンをつくりたい。
2006年03月31日
02:14
安斎利洋
>分散検索エンジン

見ている場所によって、世界の見え方が変わるようなものになるんでしょうか?
2006年03月31日
02:20
分散SNSベースの分散検索エンジンだからまずは人によってだけど、時間と空間(見ている場所)に応じて変化するようになるだろうと思う。検索エンジンて結局世界の距離を計算することだから、それが物理的な距離だろうが、NN上の距離だろうが関係ないはず。
2006年03月31日
02:27
安斎利洋
あることを調べはじめると、自分がそのテーマを調べている人たちの地方に組み込まれるとか、検索してみても情報がない場合に、その空白がその地方の情報産出を促すとか。そんなことができるといいかな。
2006年03月31日
04:45
びすけっと
> だから、締め切りのない、何にも追いかけられていない時期
> に作る基礎の仕事が、大事なのだ。

そうそう.作るというか,設計を時間に余裕があるときに
やるじゃないですか.いいものが設計できる.ところが
実装は大変なわけですよ.で,締め切りが近くなると
どうしてそんな回りくどい設計をしたのか,忘れてしまう.
高尚な気持ちを維持できればがんばれるんだけど,さすがに
3日前とかになるとダメですわね.
2006年03月31日
06:09
小林千早都
>ある目的のための部品群が勝手に交配をはじめ、どんどん目的以上のものが出てきて、規模を大きしていく快感があるから

自分がmixiをやっていてとても実感しています。
2006年03月31日
06:18
Hiro
> >分散検索エンジン
>
>見ている場所によって、世界の見え方が変わるようなものになるんでしょうか?

とても面白そうですね。
昔々、概念ネットという言葉が流行った時に、見る方向を
変えると見え方が変わるというような切り口(インタフェー
ス)を作るという議論に熱くなっていたことを思い出しまし
た。
2006年03月31日
11:01
安斎利洋
>見る方向を変えると見え方が変わる

ピュアP2Pでネット内検索をしたらどうなるか、考えたことがあります。サーバーがないから、ご近所からご近所情報をかき集めてきます。すると、ある結果がみつかるんだけれど、それが世界の中心である保証はないから、常にローカルミニマムを見つけてくることになる。だから、自分がどのローカルであるか、どのローカルに組み込まれていくか、というのがポイントになる、というところまで考えてそれっきり。
2006年03月31日
11:04
安斎利洋
>締め切りが近くなると
>どうしてそんな回りくどい設計をしたのか,忘れてしまう

みんな同じ轍を踏むんだ!、と安心しちゃいけないですね。
本当は、Aという基礎クラスがあって、そこからB1やB2という応用を作るべきところを、締め切り近くなると、B1のソースをコピーしてきて、ちょっと変えてB2にする、なんてことを始めちゃいますね。すると、あとで何にもならない。

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