安斎利洋の日記全体に公開

2006年03月16日
11:33
 MoMAとライブドア
昨夜仕事をしながら、ニューヨーク近代美術館の特集番組をぼーっと聞いていた。MoMAはコレクターの寄付で運営されていて、コレクターが最終的にキュレーターの選ぶ購入作品にOKを出す。

この単純さに、妙に感動してしまった。利益を得る人と評価機関がいっしょで、権威も価値も同じところから沸いて出てくる。なぜMoMAがあれだけうまく文化的に機能しているかというと、それはそもそも、美は粉飾だからだ。
 

コメント    

2006年03月16日
11:43
なるほど。なんかすっきりしてますね
でもこれはキュレーターとコレクターのうちにきちんとした信頼が成り立ってることが前提ですよね。日本ではできるのかなーってちょっと思っちゃいました。
2006年03月16日
11:57
Bambook
激しく同意いたします。
2006年03月16日
12:14
みまぞう
美術の世界って素人がだまされるようにうまくできている。

美の価値づけが不可能かというと100%そうなるわけでもない。素人には分からないが、客観的に下手さが露見するようなコードも埋め込まれていたりする。(これでころっと参る人もいるだろう。)

うまい人が下手にみえるように描くなんてややこしいことをするといった、価値の重層構造があって、なんともわけがわからなくなる。

結局、文脈をしらないと作品の良し悪しなんて論じられないし、美術の潮流をしらないと目利きにはなれない。結局、粉飾なのだな。

それでもって、粉飾と知りながらさらに高次の粉飾戦を挑むようなところはまことにもって面白い。結局最後は、金銭的価値なんてさておいて、あるいはそれはそれとさし置いて、考えることで楽しむという部分がが芸術の本領なのだろう。
2006年03月16日
13:15
安斎利洋
すっきりしてるでしょ。

僕自身はもちろん粉飾でない美があると思っていますが、美術のシステムの中に超越的な美の評価がある、という考え方のほうが、よっぽど粉飾の粉飾っぽい。

>粉飾と知りながらさらに高次の粉飾戦を挑む

ライブドアと違うのは、ゲームオーバーがないところでしょうか。
2006年03月16日
16:51
超越性は乗り越えたいですね。反面反動的なまでに普遍的な美はあるとも思うし…
内在する破壊的な美意識のたち現れの瞬間を捕まえたいのが安斎さんかなとか思ったりします。
永遠に近いという意味ではモダニズムですが、答えがないという意味で魅力的ですね
2006年03月17日
03:07
安斎利洋
tattakaさんとは、かなり心情が近いですね。
永遠に答を求めて、永遠に答から逃げようとする天邪鬼な戦略をとりつづけるんでしょうね、われわれ。

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